【武器としての決断思考/瀧本哲史】読書メモ [本/ハウツー]
【武器としての決断思考/瀧本哲史/11年9月初版】
京大の人気講義を1冊にまとめた本です。ディベートのやりかたがよくわかります。
ただディベートって普通の日本の会社ではあんまり使いません。
会議なんかで反論の応酬合戦は見たことないし、人前で恥をかかせる格好になるので、
そういうのは事前に二人で議論をしたあと全体会議に挑んだりします(根回し)。
著者の考え方には全面的に賛成で、息子らには本書のような考え方を身につけて欲しいと願います。
知識⇒判断⇒行動をセットでこなせる人間が交換不能な人材で、その判断を的確にするために、
自分の思考の中でディベートを行うのが有効であるという考え。
自分を客観的に見ることのできる人材の、もう一歩進んだバージョン。
物事を判断するとき頭の中で競わせてメリット、デメリットを考えた上で決める。
たぶん世の中のおじさんは、そういうことは瞬時に頭の中でやってて、
この本ほど込み入ったマトリクスの場合分けはしてないにしても、
2軸のマトリクス分析くらいはやってるはず。
将棋で言うと5~6手先まで考えるのがおじさんで、この本の推奨は15手先のイメージです。
そうすればいいのはわかるけど、めんどくさい。
若い人はそういう思考パターンがなかったりするので、身につけると武器になると思う。
だけどむかしディベートを学んだ若手の後輩がいて、なんでも突っかかってきて、
正直いって得な会社人生ではなかった気がします。
思えば人生は判断の連続です。今日の晩酌はビールにしようかワインにしようか。
ワインを飲むと次の日の大事な仕事に悪影響がでるかもしれません。
そういうものを連綿とつなげていって今の自分があるわけです。
あの日ビールを選んどけば、あの仕事はうまくいって。。。とか
それと行動のところがほんとに難しい、ビールがいいのは頭ではわかるんだけど、
ストロングな酒を体が求めてしまう。誘惑に負ける。
以下に読書メモを。
▼広告▼
<三大推論>
推論には大きく分けて3つのタイプがあります。①演繹 ②帰納 ③因果関係
これらは3大推論と呼ばれて論理的思考の基本中の基本。ディベートでは相手の推論の部分を攻める。
①演繹
アリストテレスが体系化した方法で通常は3段論法。
(前提)
・ナイフで人を切るのは犯罪だ
・A氏は毎日のように人を切っている
(結論)
・よってA氏は犯罪者だ
これの間違いを指摘せよ。⇒A氏は外科医だった
②帰納
帰納は演繹の逆で、いくつかの個別事例から、一般的な結論を導きだすもの
・私の友人の関西人は早口でよくしゃべる。よって関西人は早口だ
これの間違いを指摘せよ。⇒事例が少なすぎる
③因果関係
原因Aがあるとき、結果Bがおきる。このときAとBには因果関係がある。
・オタクだから異性にモテない。
これの間違いを指摘せよ。⇒異性にもてないからオタクかもしれない。
原因と結果のどちらが時間的に先行してるかチェック必要。
・英語ができる人ほど年収が高い。
これの間違いを指摘せよ。⇒おそらく学歴のほうが影響してる。
相関関係と因果関係の混同には注意が必要
<年金は何歳からもらうのが一番得か>
支給開始年齢は65歳からだが、60歳から繰上げなら70%支給(その後生涯その金額)
70歳から繰下げなら142%支給。
死ぬ年齢で何歳からの支給が一番得か変わる。
75歳までに死ぬ:60歳からの繰上げ支給が得
76~80歳の間に死ぬ:65歳からの支給が得
81歳以上生きる:70歳からの繰下げ支給が得
<17世紀フランスの哲学者パスカルの言葉>
「人間は自然の中で最弱の1本の葦にすぎない。しかしそれは考える葦である。
これを押しつぶすのに、自然は何の武器もいらない。風のひと吹き、
水のひとしずくで簡単につぶすことができる。
しかし自然がこれを押しつぶすとき、人間は自然よりも高貴であろう。なぜなら人間は、
自分が死ぬこと、自然の力が人間の力に勝ってることをよく知っているからだ。
自然はそのことを何も知らない。
だから私たち人間の尊さは「思考」のなかにこそある。
私たちが拠って立つべき基盤は思考のなかにあって、
私たちが満たしきることのできない時間や空間にあるのではない。
私たちはよく考えるように努力しなければならない。そこに道徳の本質があるのだ」
パスカルは難病のため30代で死ぬ運命にありました。
人生はなかなか思うようにはいきません。つらいときも苦しいときもある。
人生は1回きりしかありません。どんなに困難な状況、
困難な時代にあっても前を向いて歩いていくしかありません。
そのときに必要になるのが「思考」であり、その思考をもとにした「決断」なのです。
ふと思い出し、さっきアマゾンでCDを購入した、NGDBのプレインダートファッションから。
ロングハードロード♪
(広告)
ニッティ・グリッティ♪
これは、懐かしいですねぇ~!!
by haku (2012-03-03 16:00)
仰る通り、物事を進めようとして関係者に諮っていくときには、組織にとってのメリデメを整理し、相手方の反応を推理しながら対策を立てていますね。
しかし、それをきちんと体系化して考える訓練は未熟な気もします。
この本はその意味でも面白そうです。
by 伊閣蝶 (2012-03-03 17:20)
世の中のおじさんたちというのは、真剣に考えているようで、
その実、経験値という言葉で括られる感覚で判断している場合が
かなり多いように感じます。
しかしながら、いつもいつもそうかというと時々パターンを変えます。
それはなぜか?
時々、経験値による判断が“危ない”と感じることがあるからです。
それも経験値じゃないか!と言われると一言もありませんが。
これ、実は将棋の棋士の思考ルーチンによく似ています。
彼らはほとんどの場合、俗に言う「手を考える」行為をしていない
のだそうです。パターン認識にも似た、自分が経験したパターンとの
比較で状況判断、形勢判断をしているのだそうです。
そして、これも上記と似てますが、ある特定のパターンになった時を
「勝負どころ」と見て、どのパターンに持ち込むかを深く考えるんだ
そうです。
以上、おじさんが語るおじさんの思考実態についてでした。
おじさんが語ってるから、少しは真実味がある?かな??^^;
by song4u (2012-03-03 17:23)
お祝いコメありがとうございます!^^
ディベート・・・最近聞かない 言葉だったんですが 久しぶりに聞いて 記憶から忘れかけていた 17年前の大事件の ”ああ言えば〇〇”を 思い出したのでした。。。^^;
by ゆうのすけ (2012-03-03 20:31)
hakuさんこんばんは!
懐かしいでしょ^^
ほぼ15年ぶりに聞くので、到着が楽しみです[__揺れるハート]
by don (2012-03-03 21:40)
伊閣蝶さんこんばんは!
学問的なことはなんでも体系化ですよね。
そんな考え方しなくても、最短コースで判断してたりするのですが、
学術的に言われてみて、なるほどそんな風に考えてたなあとか^^
もうひとひねりあったなあとか。
ただし手数を踏んで考えてみても、それが正解かどうかはわかりませんが。。[__ふらふら]
by don (2012-03-03 21:46)
song4uさんこんばんは!
真実味がありますよ^^
だいたい経験値というのは40代くらいから発揮できるそうですね。
不惑の40からが勝負ということでしょう。ナポレオンヒルがいうには
偉い人は、だいたい40以降から力を発揮するそうです。
「成功を遂げた著名な人々を2万5千人以上も分析した結果、
次のことがわかった。40歳以前に成功した人はほとんど
いないこと。40代から60代までが人間が最も生産的な
年代である。フォードは40までまったく成功のあては
なかった。ジェームスJヒル(著名な鉄道事業者)は40
のときは、電信のキーパンチャーだった。」
ぼくは戸惑ってばかりですが[__もうやだ~]
by don (2012-03-03 22:05)
ゆうのすけさんこんばんは!
なつかしいですね。ああいえば○○いましたね。
あの人、負けなかったですもんね。
怪しい意見でも、ディベート技術があれば世論を
味方につけることができたのだから、大したもんです。[__たらーっ]
by don (2012-03-03 22:11)
こんばんは^^)
息子たちに少しでも有意義な人生を歩んで欲しいので
自分たちがオトナになった時にどんな社会や世界になっているかを
間違ってもいいから想像しながら日々を過ごしたらどうだと
提案しています(笑)
彼らがもう少し大きくなったらこの本を読ませたいと思いました(^m^)
by rtfk (2012-03-03 22:26)
donさん、こんばんは^^
このパンキョー、受けてみたかったですね[__ひらめき]
自分のその時の決断の積み重ねの上に、今の自分が
いるのですよね・・・ [__ビール]にしようか[__バー]にしようか・・・
人間の尊さである、思考、私もいろいろと巡らせていかねば~[__あせあせ]
by みかん (2012-03-04 00:09)
>>できれば息子にはこの講義を若い
うちに受けて、その考え方を身につけて欲しいと願います。
donさんイクメンっていうのかなあ。
子煩悩ですね。羨ましい。主人に求めるの無理なので私donさんのような母親になりたいですね。
by mignon (2012-03-04 13:43)
Nitty Gritty Dirt Band、いいですね~!
自分もCD が欲しくなりましたよ^^
by yukky_z (2012-03-04 16:38)
年金の繰上げは1ヶ月0.5%(60歳では0.5%×60月で30%の減額)、繰り下げは1ヶ月0.7%(70歳では0.7%×60月で42%の増額)で63歳(0.5%×24月で12%の減額)とか68歳(0.7%×36月で25.2%の増額)のように途中で繰り上げ、繰り下げをすることもできますが、自分がいつ死ぬか分からない以上、どこで受給するのが得なのかはやっぱり分かりませんね。
専門家の端くれとして、つい余計なことを書いてしまいました。
by heroherosr (2012-03-04 17:33)
私はディベートについては分かりませんが、
会議において「ファシリテーター」が上手かった以前の上司を尊敬しています。
by ゆうてん (2012-03-04 18:48)
思考と決断そして行動。
バランスが難しいですね…
考えすぎて決断できない人も!
考えずに決断する人も!
思慮深くありたいと思うけど
決断する時期はギャンブルのようなものですね!
だから人生はおもしろいのかも!?
by せいじ (2012-03-04 18:51)
rtfkさんこんばんは!
いいご提案されてますね[__かわいい]
こんどぼくも、どんな時代がくるか予想してみて!
と子供らに言ってみようと思いました。
結局最後は自分で考えないといけないのですから。
by don (2012-03-04 19:16)
みかんさんこんばんは!
焼酎にしようか日本酒にしようかでもいいと思います^^
今日はおいしいワイン酸化防止剤無添加の白ワインに
チャレンジしてます。飲めなくはないのですが、酸味が
きついなあ。お酢みたい[__ふらふら]
あさって健康診断なので、ほんとは休肝日の決断を
すべき日でした[__もうやだ~]
by don (2012-03-04 19:24)
mignonさんこんばんは!
奥さんからは、「全然あかん、もっと子供にかまい!」
と叱責をうけています[__もうやだ~]。
「よその旦那さんはみんなもっと子供のこと考えてる!」
とも言われています。
いずこも同じようで[__かわいい]
by don (2012-03-04 19:29)
yukky_zさんこんばんは!
83年のこのアルバムは、いいアルバムですよ^^
廃盤後に、この次のアルバムと2枚を1枚にした
CDで発売されてます。AMAZON.USより日本の
アマゾンで購入したほうがなぜか安価でした。
土曜の朝に注文して、日曜の昼に届きました。
アマゾンGJです[__るんるん]
(在庫1枚あったので)
by don (2012-03-04 19:37)
heroherosrさんこんばんは!
そうかあ、途中でもいけるんですね!情報ありがとうございます。^^
確かにいつもらうのが得か、わからないですね。
たぶん得をしようと考えるとだめなんだと思います。なんとなく[__犬]
by don (2012-03-04 19:43)
ゆうさんこんばんは!
ファシリテーターの研修をうけたことがあるのですが、
・仕切屋
・空気がよめる
・自分を抑えることができる
タイプの人は、なんの努力もせずとも生来のファシリテータ
だと思いました。ある意味簡単なことだと思うのですが、
時間の観念さえない人も結構いて、人それぞれやなあとか、
思ってしまいます[__ふらふら]
by don (2012-03-04 19:49)
せいじさんこんばんは!
最後はなるようにしかならんですもんね^^
下手な考え休むに似たり⇒知識のないものが考えるな
小田原評定⇒決断できない
せいてはことを仕損じる⇒もっと考えろ
ざっと思い出すだけでも、それぞれへの批判がありますしね[__ふらふら]
by don (2012-03-04 20:01)
ディベートが出来ない、ここに日本的経営の弱さがありますね。
そろそろ、ギアチェンジしないと・・・・
by seawind335 (2012-03-04 23:08)
seawind335さんこんにちは!
日本は和の国ですからね。弱さでもあり強みでもある。
グローバル化するなら、たしかにそういう部門はギアチェンジ
が必要なのでしょう。[__犬]
by don (2012-03-10 12:57)