２０１４年日本再浮上/若林栄四 [本/Ｂｉｚ経済]
- 作者: 若林栄四
- 出版社/メーカー: ビジネス社
- 発売日: 2012/03/23
- メディア: 単行本
＜２０１４年日本再浮上/若林栄四/１２年４月初版＞
歴史をつぶさに検証してみると、あらゆるイベントは周期性をもって繰り返されることが見て取れます。
ことわざにあるとおり歴史は繰り返すのです。まるで何者かの意思によって決定されているかのように。
若林栄四は物事をファンダメンタルで読まず、周期性＝サイクルで見るタイプのエコノミストです。
他と一線を画すのでたまに読んでいます。
かんたんに言えば、折れ線グラフを眺めてると、
だいたいこのように動くわなぁと誰しも思うじゃないないですか。
雰囲気で直感的に次の動きがイメージできると思うんですよ。
著者の場合は、その動きをエリオット波動のような独自の観点で予測します。
フィナボッチ級数とかペンタゴンとか、色々説明してますが、基本は黄金分割で、
その数字は自然界にある一番美しい数字だそうです。
黄金分割：
黄金分割比率は、「0.618対0.382」、または「1対0.618、1.618対1」の比率である。
黄金分割は、本来あるべき美しい姿を表している比率とされ、見た目に快く感じられる比率である。
古代ギリシャがルーツとされており、ピラミッドやくもの巣、十字架、トランプなど、
自然界から身の回りまでありとあらゆるところで見られる。
「相場は相場が動きたいようにしか動かない」著者が長年相場を見てきて感じた、
真理のようなものです。エコノミストの言うファンダメンタルでは動かずに、
相場の自律性によって動くというものです。
よくこの世は波だって言いますよね。歴史に学ぶなら時間を横軸にとって、
その波動を見るのが一番だという考えです。
キチンの波、ジュグラーの波、クズネッツの波、コンドラチェフの波、景気循環だけでも、
いろんな波動があります。
もちろん著者はマクロ経済のファンダメンタルをばっちり理解されてます。
波動の動きをファンダメンタルで修正するので、どうしてもそこの理解が、
よくある破綻論者（悲観論者）のようなチープな理解では、狂ってしまいます。
よく見えてる人なので、説得力があり、フォローしようかなという気分にさせる一人です。
以下に彼の予想を。理論の裏づけが欲しい方は、
もちろん図書館なんかで借りて一読をお薦めします。
ドルの基軸通貨の終焉なんかのパラダイムシフトがあった場合は、
波動は大きく狂います。それと投資は自己責任で＾＾念のため。
＜円ドル相場＞
現行の８０円＝１＄から、２０１４年４月に１３５円まで下落。その後１００円まで戻し、
２０２５年８月まで円安トレンドとなり１７０円近辺まで落ちる。
＜原油相場＞
２０１４年４月に向けて上げていく。ここにピークの１７０ドルがくる。この後石油は暴落し、
新たな４０年半のサイクルの相場を形成する。
＜日経２２５＞
２０１４年が安値で、２０１６年から２０３０年が上げ相場の最良の期間。
＜金利＞
１０年国債の金利は、１４年４月に向けて上昇していく。ターゲットゾーンは２．５％。
もちろん適度なインフレになる。日銀がいらないことをしなければ。
＜日銀存在理由＞
ＦＲＢの政策目的は「雇用最大化と物価の安定」。絶対にデフレにならないように、
インフレ率が２％を切れば、ドルを刷りまくる。
日本銀行法「物価の安定を図ることを通じて国民経済の健全な発展に資する」
日銀のレゾンデートルは物価安定のシングル・マンデート（一重目的）
１９２９年日銀出身の蔵相井上準之助は、デフレ下にもかかわらず、意図的なデフレ政策をとり、
日本経済を厳しいデフレスパイラルに突入させました。歴史に残る愚策の数々です。
それを救ったのが「コレキヨの恋文」で有名な高橋是清。むかしの５０円札の人です。
＜ユーロの未来＞
２０１２年初頭に１ユーロ＝１００円を切ったユーロは、２０１４年４月に向けて、戻り高を演じる。
１４５円水準がターゲット。
ユーロは解体するのか。根本的な解決策は政治統合しかない。
１８世紀末のアメリカはドルという共通通貨を持つと共に、連邦政府を樹立し、
連邦予算を組んだからこそ国家として存続できた。
現在のヨーロッパは１８世紀末の米国と同様に、
国家連合から連邦予算をもつ連邦国家へ生まれ変わるタイミングにある。
共通通貨ユーロの導入において、ヨーロッパが目指したのは、
アメリカに対抗できる帝国を築くことだったはず。
質実剛健なドイツ国民が、酒ばっかり飲んで働かない南欧国家のために、
なんで俺たちの税金を払わないといけないんだと思ってる間は、統合は不可能。
ユーロ解体、南北ユーロに分かれる、piigsの離脱なども想定される。
p.s.６/２４の田村秀男の日曜経済講座によると、ユーロ発足後ドイツ国民は、
年金の減額や失業保険制度の適用制限などの負担を受け入れてきた。
とくに失業した女性が職業紹介所から風俗営業サービスをあっせんされて断れば、
ただちに失業手当を打ち切られるほどの厳しさだったようです。
納める税金が改革を怠ってきた国の支援に回されるのは許しがたいと思うのは当然なんでしょう。
ただスペインやギリシャなどに金を貸してきたのは、同じドイツ人のドイツの銀行です。
そこの判断が甘かったわけですから、同じドイツ人として負担するのはしようがないとの考え方もあります。
メルケル首相の判断はほんとに難しいところです。
＜金＞
２０２２年３～４月に、１オンス＝６０００ドル。
円価では、仮に上記期間に１ドル＝１８０円になっていれば、グラム３万２０００円。
１２年６月現在の金価格は、グラム４０００円程度です。じつに８倍です。
＜資本主義の正義＞
資本主義の本質は弱肉強食のゼロサム。どうしても格差が拡がる。
それを正すのは政府による再分配だけど、サジ加減が難しい。
日本の場合、ゆがんだ再分配は年金制度の世代間格差となって表れている。
現在６０歳以上の高齢者世帯は、受益と負担の差が４８７５万円の純受益。
現役世代は４５８５万円の純損失。
現在全有権者数に占める５５歳以上の高齢者の割合は４８％。
投票者数の割合でみると過半数を大幅に上回る。政府は高齢者の意に反する政策は打てない。
世代間の不公平感を、政策的にがんじがらめで変えれないなら、
インフレでしか世代間格差を解消できない。
インフレにより高齢者の持っているお金の価値を下げて、
現役世代は借金の価値が下がり、設備投資意欲は旺盛になり、経済は活性化する。
現役世代はインフレ率に応じて給与も上がっていくが、高齢者は持ってる資産は一定である。
インフレには所得の再分配機能があるわけだ。
レーガノミクス以降小さな政府を標榜するアメリカは再分配機能が弱い。
そのため特に再分配機能を消滅させるデフレは受け入れられないのだろう。
だからＦＲＢはインフレ率を死守する。
デフレと円高を放置する日銀と現政府は、万死に値すると思います。
デフレ下の日本で増税というデフレ政策を取る野田総理。
井上準之助の失敗を、歴史に残る愚策を、繰り返すつもりでしょうか。
自民が押し込んだ附則十八条により（景気条項）により、
その時点の内閣が名目３％、実質２％のＧＤＰ成長率を達成できないと見込んだ場合は、
消費税増税の施行停止を判断できます。
デフレが継続していた場合は、
増税見送りを判断できる（財務省に押し切られない）素晴らしい内閣であることを切に望みます。
ふたたび日本に日は昇るのでしょうか。
ノラジョーンズでサンライズ♪
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なかなか読みごたえのありそうな本ですね。
私的にはファンダメンタル派なので違和感が出そうな気もしますが、でも大いに参考になりそうな本です。
これからもよろしくお願いします。(*^。^*)
by こっちゃん (2012-06-30 13:10)
この本を読んで希望を持って仕事をしよう～と思いました。。。
色んな説がありますが今は
将来を悲観した論評が多すぎるような気がします。。。
マクロに希望をもちつつ
自分の仕事に将来性や夢があると信じて前進したい
まだまだ働く時間は長い～（涙）
by rtfk (2012-06-30 14:38)
経済に暗いというか、ズバリ愚かで白痴的な私には・・・妄想レベルぅ・・・。
もっと、リアルに日本の排他的経済水域「EEZ」の海底資源で経済浮上！
若者は、海洋学（？）や、地学を目指そう！掘ればお宝ザック！ザク！
商船学校や海上自衛隊も、将来有望な職場だよね！リアル！
自分の仕事に将来性や夢があると信じて前進したい（真剣に！）ｒｆｔｋさん！
まだまだ働く時間は長い～（涙ぬぐって、頑張りましょう！）
by hanamura (2012-06-30 16:19)
我が日本に再び陽が昇るかどうかは、ひとえに、これからこの国を
支えて行くであろう若い諸君(現時点で35歳～5歳の30年世代を想定)
の価値観にかかっていると考えています。
これまでの責任世代が逃げ一辺倒で誠に申し訳ないと思うものの、
今、国を動かしている世代に任せていたのでは、とても事態の好転は
見込めません。これまでの長きにわたって出来なかったことが、
急に出来るようになるなど、絶対に考えられないからです。
＞デフレと円高を放置する日銀と現政府は、万死に値する
まったくその通り、極めて腹立たしい限りです。
デフレと円高のために、どれぐらい日本経済が疲弊したのか？
彼ら自身が最も速く、正確に状況を把握できるポジションに居ながら、
十年一日の如き愚鈍な対応には、鉄槌を加えたい気分です。
厳密に言えば、放置ではなく、策はあるが責任問題化した際に
逃げられないのを怖がっているのではないかという気もします。
それを怖がらないでやり切るような人材の多くは、もはや日本に留まる
ことなく、かなりが海外に流失してしまっている感があります。
そういう意味においても、現在35歳から5歳の世代が、我が日本に
どういうスタンスを持つのか、それに尽きるのではないかと思います。
by song4u (2012-06-30 16:54)
こっちゃんさんこんばんは！
２２０ｐで字がでかい、グラフが多い、ぎっしり下まで書いてない、
のでスラスラ読みやすいです。文体も平易ですし。
ぼくもファンダメンタル重視派なんですが、こういう見方もあって
いいと思っています＾＾
こちらこそよろしくお願いしますг○
by don (2012-06-30 20:25)
ｒｔｆｋさんこんばんは！
今の為替では絶望的ですよね。これが続くようだと
体力勝負になります。しかもデフレなので負債の価値は
目減りしませんし[__もうやだ～]
明日への希望のためにも、たまにはこういう本を読んで、
自分のモチベーションを上げようと考えています。
ぼくもまだまだ先が長いので。しかも坂の上には坂がありますし[__ふらふら]
by don (2012-06-30 20:28)
hanamura さんこんばんは！
おぉ。一攫千金ですか。日本にもサウジみたいに
石油や海底資源なんかのお宝がザクザクあれば、
税金も不要で、政府からお小遣いまでもらえたりして＾＾
そんな時代がこないかな～[__るんるん]
by don (2012-06-30 20:33)
song4u さんこんばんは！
おっしゃられている次の世代の変革の一手も含めて、
波動理論なんでしょうね。
ながくデフレが続けばみんな辟易しています。
そろそろデフレの弊害にみんなが気付いて、
インフレへ転換しようという機運になるでしょう。
そういうみんなの気持の動きも含めての４０年サイクルだったり
１６２ヶ月サイクルだったりするのかな。
それにしても恐るべきはデフレです。負債の価値が大きくなって
しまうので、誰も設備投資は消極的になりますし、世界のほかの
国はインフレなので、円の通貨価値は上がり円高になりますし、
最悪です。
はっきりいって韓国産の工業製品が、数年前の４割為替安の
影響で相当数日本に入ってきてます。
これらと競合して価格で受注をとろうと思うと、限界利益がわずか
しかでません。シェアを維持していればいずれ為替が戻るという
希望がないと、体力勝負の安値受注にも踏み切れません。
日銀の量的緩和、政府の財政出動による需要の増大、
このパッケージでインフレ、為替安にもっていかないと
製造業はどこの業界もしんどくなっていきます。
ここまで追い詰められていると、チーズは勇気を出して新しい
部屋を探してもありません。チーズを自分たちで作る必要が
出てきたのだと思います。（ルールを変える必要性）[__犬]
by don (2012-06-30 20:59)
donさん、おばんです＾＾
song4u殿曰くの、若い諸君ギリギリにランクインしている
みかんです（笑）。。。
経済等にはめっぽう疎いワタクシなのですが、分からな過ぎるがゆえに
斬新なアイデアでも出して、盛り上げていきたいですなぁ？！
基本的にはポジティブ思考なので、なにか貢献できるように
がんばりまーす[__猫][__るんるん]
by みかん (2012-07-01 02:58)
日本の再浮上は海上資源の活用にかかっていると思います。
なかなか先の見えない現状は厳しいですね…
by せいじ (2012-07-01 09:05)
この方の予想通りになって欲しいものですねえ。
by heroherosr (2012-07-01 16:18)
みかんさんこんばんは！
いいですね、若い諸君で＾＾
みかんさんは文才もあるし、海外駐在という貴重な経験
もされてるので、将来は文筆業なんかされたらいいと
思いますよ。海外駐在員妻の愛憎劇ミステリーとか
いかがでしょうか[__犬]
で、発言権を得た上で、次の世代の代表として、日本を救うべく
誰もが「ほほう」と唸る提案をする。
いかがでしょうか[__猫]
そのときは、サインくださいね[__るんるん]
by don (2012-07-01 19:57)
せいじさんこんばんは！
メタンハイドレードとかレアアースとか時間がかかりそうですよね。
なんかもっと即効性が欲しいですよね。
あと２～３年このままだったら、キツイものがあります。
ぼくの家の裏庭から、石油でも噴出してこないかなぁ。
北海油田クラスの[__犬]
by don (2012-07-01 20:06)
heroherosrさんこんばんは！
切にそうなって欲しいと願います。
そうならないと、どこの製造業もしんどいと思ってます。[__犬]
by don (2012-07-01 20:09)
これだけ株安で、円高でいる理由が全然分からなかったのですけど、
やはり円安まっしぐらですよね・・・ その時にもう一度モノを作れるように
なっているのでしょうか？ そうでなければ、インフレが起きるような
気がするのですけど・・・・・
あ、ユーロ圏の「質実剛健なドイツ国民が、酒ばっかり飲んで働かない南欧国家のためになんで俺たちの税金を払わないといけないんだと思ってる間は、統合は不可能。」はあまりに的を得すぎていて笑っちゃいました（笑）
by ヒサ (2012-07-01 20:53)
ヒサさんこんばんは！コメントありがとうございますг○
円高株高（円需要）と、円安好感株高と２ケースありますからねぇ。
最近は円ドルより、円ウォン相場と株価がぴったりリンクしてます。
http://ameblo.jp/23763794/entry-11231813417.html
一応ご参考までに、円ドルと株価もなんとなく（笑）相関してます。
http://kabuzen.com/soubakan/201203/20120330.html
諸悪の根源の円高デフレを終わらせて、もう一度海外勢と価格で
戦えるようになりたいです。とくに韓国勢。あのウォン安はひどすぎます。
国内市場もだいぶ荒らされてます。顧客もしんどいので韓国価格に
合わせろとか平気で言いますしね。。
非製造業や内需関連の人たちは危機感薄いですけど、普通に
海外マーケットでも受注活動してる会社は、現状が続くと相当に
ヤバイと実感してるはずです。ぜひ潮目が変わってほしいと祈るような
気持です。
ドイツ人も大変ですけど、ユーロ安で相当にシェアあげています。
商売繁盛してるから、心の底では案外喜んでるかもしれません。[__犬]
by don (2012-07-01 21:52)
思えば、「今日より素敵な明日がある」「来年はもっと良くなる」という成長が当たり前の時代に育った私達が子供たちに、将来への夢や希望が持てるように、考え、行動していきたいですね。
by seawind335 (2012-07-01 22:59)
難しい事は分からないのですが、
あと2年で日本が浮上するなら、
それに賭けたいですね。
20歳前後の人たちと話をすると、
「この先、良い事があるとは思えない」と
悲しい事を言う人が多いです。
なんでそんな日本になってしまったのか。
「とりあえずあと2年頑張ろう」と言ってあげたいですね。
by 青山実花 (2012-07-02 22:56)
seawind335 さんこんばんは！
そうなんですよね。ぼくらの子供時代はずっとインフレでしたしね。
家なんか、だんだん大きくステップアップしてる人もいました。
借金の価値が減るというのは、お金を使いやすい＝経済の活性化
なんですよね。デフレも物の値段が下がってうれしいとか思ってましたが、
世界各国がデフレを忌み嫌う気持が、最近やっとわかってきました。
もとの日本に戻したいですね。[__犬]
by don (2012-07-02 22:56)
青山実花さんこんばんは！
ぼくの経験では、ちょうど２０００年の頃に景気の潮目が
かわりました。そのあと２００２年にもう一度落込みましたが、
その後は右上がりでした。
９０年代悪いときに感じたのは、それが永遠に続くということです。
だけどそんなことは無いんですよね。下がった株は、必ず上がる。
この本の予想が当たるかどうか、わからないけど、明るい未来を
信じて待ってるほうが、心安らかだと思います。[__犬]
by don (2012-07-02 23:07)
浮上してくれるといいなぁ～♪
消費税が上がると聞いただけで、気が滅入ってきます(>_<)
by TAMA (2012-07-03 00:53)
ＴＡＭＡさんこんばんは！
消費税、景気のいい時代ならともかく、今あげられると
すんごいつらい。次の政府が景気悪いのに上げようとしたら、
解散に追い込みたいです[__犬]
by don (2012-07-03 21:33)
再浮上? 民主党がやってる限り、それは無理でしょうなぁ^^;
by yukky_z (2012-07-04 01:50)
yukky_zさんこんばんは！
そろそろ政権交代でしょう。それにしても最悪のタイミングで
最悪の人が総理をしていましたね[__もうやだ～]
by don (2012-07-05 20:28)