上流階級 富久丸百貨店外商部~竹内結子主演でドラマ化 [本/文学芸術]
【上流階級 富久丸百貨店外商部/高殿円/13年11月初版】
めっちゃ面白い一冊。読んで損はありません。ノンストップで読める小説をお探しの方、お勧めします。なんせマンガ並に面白くて、主人公が活躍するシーンは何度も読み返したりして^^
小説の面白さからいうと、そうですね。「海賊とよばれた男」「舟を編む」「下町ロケット」クラスです。いわゆる職業エンタメ小説。マンガでいうと「サラリーマン金太郎」や「女帝」レベルかも。いや「女帝」は別格か。あれはあらゆるマンガの中で、最高のラストだと思っています。涙で読めなかった。何度も読んだけど。
『バイトからのたたき上げである鮫島静緒は、百貨店の洋菓子部門でキャリアを積み重ねてきた30代半ばの苦労人だ。洋菓子以外にも手がけたフロアリニューアルが成功し、契約社員から晴れて正社員になったはいいが、突然の人事異動で男性ばかりの外商部に唯一の女性として配属される。実はカリスマ外商員・葉鳥の退職を控え、それまでに彼の顧客との太いパイプを繫げるべく、さまざまなメンバーが集められたのだった。これまで仕事では成功を収めてきた静緒だが、プライベートでは同僚・神野と別れたバツイチの身。勝手が違う外商の世界に戸惑いつつ、交渉成立を目指してお客様のところに足を運ぶが――。 』
なんでこんな本を読んだのか。記憶は定かではないのですが、なんかの本に紹介されてました。たぶん「ほろ酔い文学事典」だったような。そこでの書評を読んで面白そうだったので、図書館に予約しました。5か月ぐらい待たされた。みんな面白い本はよく知ってますよね。ノンフィクションはわりと早く回ってきますが、エンタメ小説は待たされることが多い。
こんど来年の1月16日(金)21:00に竹内結子主演でフジテレビのスペシャルドラマにもなるようです。主人公はバツイチの37歳。竹内結子もバツイチの34歳。わりとハマリ役かも。ドラマなんかしばらく見てないですが、これは見たい。
舞台は大丸神戸元町店、芦屋店、梅田店など。長田店の事もでてましたが、あそこは閉店したんですよね。昔芦屋に4年ほど住んだり、長田あたりでバイトしたり、基本的に夜は元町で飲むことが多かったので、すごい親近感があります。なじみのショットバーには大丸の人がよく来てたし。それと主人公は三木市の出身という設定。垂水に住んでた時、よく息子らを連れて三木山公園に行くのが好きでした。情景が目に浮かぶので、地元の事が書かれてる小説は好きです。なんて言うんだろ、ほっとします。
百貨店の外商といえば、思い出すことがひとつだけあります。90年代の後半に取引先の社長と商社と一緒に会食をしました。そのとき業界は、韓国製品が日本市場に流入してきて価格競争が激しくなって、しんどい時期でした。もうこの業界はダメかも、そんな話題のとき、昔はものすごい儲かった。という話を社長が始めました。
「一番儲かった時期は、そうやね、大丸の外商が家にやってきて、自分が寝てるときに足のサイズを測って、靴を20足ほど届けてくれた」
彼の中の成功体験は、大丸の外商が家に来てくれて、自分のためにスペシャルなサービスをしてくれた、という事につながっていました。絶頂期をあらわす象徴的な出来事だったのでしょう。聞いたぼくらも、「それは凄いですねぇ」と、その王侯貴族のような、イメルダ婦人のような逸話に、素直に感心しました。まぁちょっと、話がデカめの社長さんでしたが^^
以下に読書メモを。
<外商部とは>
外商とは百貨店の柱だ。外からは見えないが、その経営を支えている母体といっても過言ではない。年間売上の3割から4割を、たった百名ほどの外商部が叩きだす。
百貨店カードの使用額が50万円以上になると、その情報が外商部の事務デスクへ流され、担当から電話がかかってくる。「お得意様カードにお切り替えされませんか」
このお得意様カードこそ、ある一定の年収を得るものしか入会できない、いわゆる外商カードのことだ。外商に入ると様々なメリットがある。まずほとんどの商品が1割引きになる。その代り、年間70万円以上というノルマがあり、これを下回ると外商カードを取り消されてしまう。
リーマンショック後は外商の売上が、百貨店の年商の4割から3割に落ちた。
<お金持ちという表現はよくない>
お金持ちという言い方は、この業界では成金を意味する。「上流の方々」と表現するのがよい。会社を経営されている方は「成功者」と。そうでなく財産を受け継がれている方は、「財産をお持ちの方」。総じて「上流の方」というのが無難。
君に真珠を買えないけど♪
いつか金持ちになったら♪
ぼくの事 認めてくれるかな♪
ぼくはやるよ♪
ビリージョエルでアップタウンガール♪
関連図書:
【海賊とよばれた男・上/百田尚樹/12年7月初版】
http://donhenley.blog.so-net.ne.jp/2013-10-29
【舟を編む/三浦しをん/11年9月初版】
http://donhenley.blog.so-net.ne.jp/2013-10-02
【下町ロケット/池井戸潤/10年11月初版】
http://donhenley.blog.so-net.ne.jp/2012-07-10
【ほろ酔い文学事典/重金敦之/14年3月初版】
http://donhenley.blog.so-net.ne.jp/2014-06-21
アップタウンガール大好きです♪
ビリーの当時の恋人、
クリスティ・ブリンクリーを
出演させるあからさまな
分かり易さに笑えます(^_^)。
このアルバムは全体的に
明るくていいですね。
by 青山実花 (2014-12-06 17:06)
確かに百貨店て面白くなくなってますよね。
私も百貨店さんのお話聞いたことありますが、
一家で年収が800万円より上でないと常連にはならないと
おっしゃってましたね。
その上に外商という上流階級を相手にしてるんですね。
もうそんなに魅力ある場所ではないと思います。
って言って私には縁遠いからかもしれません。
by mignon (2014-12-06 22:02)
僕もドラマはほとんど見ません^^;
『イノセント・マン』は楽しいアルバムですね♪
by DEBDYLAN (2014-12-06 23:21)
こんにちは^^)
ノンストップで読めるのですか~
大学の時の仲良し同級生が
百貨店業界に踏みとどまって頑張っているので
読んでみたいです☆☆☆
by 獏 (2014-12-07 13:38)
青山実花 さんこんにちは~
え、この美女は当時の恋人ですか。
スーパーモデル並みですね。
さすがビリージョエル。
ただその美は彼女だけのものではなくて、
通り過ぎてゆくのでしょうけど[__犬]
by don (2014-12-07 15:59)
mignonさんこんにちは~
そういえば百貨店行かなくなりました。
たまに阪神百貨店の地下で、ガトーハラダのホワイトチョコ
買うぐらいです。
むかしは、DCブランドのスーツを買いに通ったものでしたが、
今は、青山で安物のスーツで十分です[__犬]
by don (2014-12-07 16:01)
DEBDYLANさんこんにちは~
イノセントマンは確かに明るいアルバムですよね。
じつはこのアルバム以降のビリージョエルは聴いてません[__犬]
by don (2014-12-07 16:03)
獏さんこんにちは~
外商におられたりして。
読んでると話が盛り上がると思います[__犬]
by don (2014-12-07 16:05)
私が呉服屋をしていたときに(別に今もやめてませんが)よくお客さん先で百貨店の外商の方とバッティングしてました
by heroherosr (2014-12-07 16:21)
donさん、おはようございます^^
舟を編む、的なノンストップ小説、読みたいな!
竹内結子自体はそんなに好きじゃないですが、37歳という設定が
同い年ですので(笑)ドラマのほうも見たいです。
「ほろ酔い文学事典」のほうも、併せて惹かれてます(●^o^●)
by みかん (2014-12-07 23:46)
heroherosr さんこんばんは~
あ~、高級品はバッティングしますよね。
宝石商とか、高級時計とか[__犬]
by don (2014-12-09 21:42)
みかんさんこんばんは~
お好きじゃないですか^^
けっこう昔人気がありましたよね。
ほろ酔いは~は、酒のシーンが紹介されてて、
この本も、たくさん酒のシーンが出てきました。
あんまりハードボイルドじゃなくて、家のみ系でしたが。
家のみは、それはそれでありですよね[__犬]
by don (2014-12-09 21:47)
女帝・・・donさんのお蔭で興味でました♪
レンタルコミックにおいてありますように。
by 川島 (2014-12-12 15:15)
川島さんこんにちは~
読みだしたら、はまると思います^^
とにかく、ラストに向かっての盛り上がりが凄いです[__犬]
by don (2014-12-13 13:33)