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深読み読書術/白取晴彦~何を読むかで人生が決まる [本/ハウツー]



「深読み」読書術: 人生の鉱脈は本の中にある (単行本)

「深読み」読書術: 人生の鉱脈は本の中にある (単行本)

  • 作者: 白取 春彦
  • 出版社/メーカー: 三笠書房
  • 発売日: 2015/01/23
  • メディア: 単行本



【深読み読書術/白取晴彦/15年2月初版】
白取晴彦が読書術の本を出してたので読んでみました。
この人の本は超訳シリーズが素晴らしかった。
ニーチェの言葉、ショーペンハウアの言葉、ヴィトゲンシュタインの言葉。
他の著者も超訳本があったりするのですが、白取晴彦フィルターには及ばない。

今回調べてみると、仏陀の言葉や聖書の言葉もあり、未読なので今度読んでみます。

本書は古典を読みましょう、との本でした。

・新しいことを知りたければ古典を読みなさい。
・クリエイティブな人ほど古典をよく読んでいる。
・本当の教師とは、地球上を何百年にもわたって生き続けてきた古典だ。
・古典さえもカバーできなかったようなことこそ、真に新しい考えだ。
等々。

ちなみに白取氏がくり返し読んでる古典は、聖書だそうです。
世界各国の倫理全般、さまざまな思想に強い影響を与えていて、
多くの書物を理解するための、もっとも大きなバックボーンになっているのが聖書であると。

以下に読書メモを。

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<書物に真理を求めてはいけない>
書物に真理や究極の教えなどを求めるのは、
一種のバーチャルな宝探しの旅にでるようなものだ。
探しあてたと思っても、そこにあるのは一つの仮説にすぎない。



<ゲーテのファウスト> 文庫本で2冊、1000pほど。
どんな人生論を読むよりも、ゲーテのファウストを読んだほうが、
男の一生というものがよくわかるのではないか。

なぜかというと、男が人生のうちでやりたがるほとんどのことを、
主人公ファウストがやってみせてくれているからだ。

若返り、少女との恋愛、冒険、政治、国土の開発などに彼は果敢に挑み、
そして手痛い矛盾にがく然とし、最後に彼は、
自分が本当にすべきことだった希望の光を見て死んでいく。

悪魔に魂を売った中世の学者ファウストが若返り、男の人生冒険をくり返し、
すべてのことに失敗して死んでしまう話だ。

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ファウスト〈1〉 (新潮文庫)

ファウスト〈1〉 (新潮文庫)

  • 作者: ゲーテ
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 1967/11/28
  • メディア: 文庫





<人間関係で悩んだら本を読め>
本を読む習慣ができると、書かれてることはもちろん、
誰かが言ったことについても、その論理構造が自然とつかめるようになる。

それは自分自身のことについても応用できる。
自分が思い悩んでいることについて、整理整頓がしやすくなる。

自分の内面にある瑣末なものについて整理整頓や掃除ができれば、
くだらない考えをできるだけ排除することができる。

くだらない考えとは実は「考え」といったものではなく、
その中身は妄想や不快な記憶やいっときの強い感情だ。

それらは自分の中から自然に生まれてくるものではない。
他人が言ったことや他人の態度等を、
必要以上に気にし続けることから醗酵してくる不快な匂いだ。
本を読むことで、それらをつまみ出して棄てることができるようになる。



<何を読むかで人生が決まる>
読書の大きな効用の一つに、「言葉を知ること」がある。
誰かが言葉を使っているのを経験することでのみ、その使い方を知る。
書物にそのように言葉が並んでいるのを見て、言葉の並べ方を知るのだ。

不良少年やカルト信者が他の価値観に気づかず、
彼らの狭い生活環境から抜け出せないのは、
頭の中が偏向した言葉と論理で満ちているからだ。

習慣的な読書がしばしば少年少女たちの素行や考え方を矯正する効果をもつのは、
正常な言葉づかいと論理で構成された本を読むことによって、
頭の中で言葉の入れ替えが自然に行われるからだ。
あたかも新しい血液に入れ替えるかのように。








<本書で薦められた図書等>
・善悪とか自由とか精神とかいった哲学的な事柄について知りたいと思っていて、
わかりやすい道標になっているようなものを探しているのならば、
フロスト・ジュニア著「哲学の森」(岩垣守彦訳)がある。
どの時代にどの哲学者がどのような見解を述べているかが簡単に書かれているので、
本を選ぶときの参考になる。

・同じようなもので、もっと突っ込んだ解説があるのは、
ヴェルジェス/ユイスマン共著の「哲学教程」(白井成雄他訳)である。
これはフランスの高等師範学校の教科書であるが、
疑問の歴史辞典として使うこともできるし、自分の考えを深める触発剤ともなる。



<読書を妨げるもの>
読書を妨げるのは環境の条件ではない。
それよりもむしろ自分の心のあり方でしかない。
自分の心に静けさがなければ読めない。
何かに強く執着していたり、深い悔恨や、荒ぶる感情をたずさえているならば、
本を読んだところで何も頭に入らないからだ。

もっとも効率のいい読書をしたいなら、
まずしなければならないことは時間のねん出などではなく、
心を穏やかにすることだ。それは読書だけでなく、多くの事に通じる。




心穏やかにお過ごしでしょうか?
そうなるような音楽を好んで聴いてるのですが、
さいきんわりとよく聴く、S.Careyの2作目「レンジオブライト」

S.Careyはウィスコンシン大学でクラシックを学び、ジャズにも造詣が深く、
ドラム、ピアノ、ギター、ベースとなんでも演奏するマルチプレイヤーです。
両親が歌手と音楽教師で、小さいころから音楽に没頭してきたそうです。

ふと頭に浮かんだのは、コロラドの山奥で一人で音楽つくってた、ダンフォーゲルバーグ。
かれもマルチプレイヤーですべての楽器が演奏できて、両親が音楽家でした。
都会じゃなく、田舎町で音楽活動を続けてるというのも共通点です。

時代が違うので、サウンドは違いますが、流れてる空気は同じです。
ジャケットからして山水画みたいで、音を期待させます。

S.Careyによると「レンジオブライト」は、
「人間の幸せや悲しみといった感情の領域」を表したもので、
「小さい頃に両親が離婚したんだけど、
毎年夏になるとアリゾナに住む父さんの元を訪ねていっては、
キャンプとか釣りとかハイキングをしてアリゾナやカリフォルニアを探検していた。
このアルバムの幾つかの曲では、その頃の思い出が歌われているんだ」

ネヴァーエンディングファウンテンは、つきない泉のような音がするし、
以下のファイアシーンは、火がチラチラ揺れる雰囲気が醸し出されたサウンドです♪




Range of Light

Range of Light

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Jagjaguwar
  • 発売日: 2014/04/01
  • メディア: CD



関連図書:

【大人のための読書の全技術/斎藤孝/14年7月初版】
http://donhenley.blog.so-net.ne.jp/2014-10-21

【超訳ショーペンハウアーの言葉/白取晴彦/13年3月初版】
http://donhenley.blog.so-net.ne.jp/2013-04-06

【超訳ニーチェの言葉Ⅱ/フリードリヒニーチェ・白取晴彦/12年8月初版】
http://donhenley.blog.so-net.ne.jp/2012-10-13

【超訳ニーチェの言葉/白鳥春彦/10年1月初版】
http://donhenley.blog.so-net.ne.jp/2010-05-29

【超訳ヴィトゲンシュタインの言葉/ヴィトゲンシュタイン、白取春彦編訳/14年8月初版】
http://donhenley.blog.so-net.ne.jp/2014-11-01

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コメント 14

NovelKalevala

共感できる話がいっぱいですねぇ。
私も一旦中断していた、読書を始めた事によって、人生っていうか、生き方が変わったような感じがします。
私も人間関係に悩んだ時は、本を読んだりします。

そういえばゲーテもいろんな名言を遺していますね。
by NovelKalevala (2015-06-27 13:32) 

獏

こんにちは^^)
ファウスト ずいぶんご無沙汰しているので
再読してみようと思いました☆
古典こそ!という意見には獏も共感します☆
昔昔に読んだ古典文学をいくつか読み返してみようと
思いました(^m^)


by 獏 (2015-06-27 15:27) 

heroherosr

もう、おっさんで今さら人生設計もないですから、好きなものをすきに読みたいです。
by heroherosr (2015-06-27 16:12) 

seawind335

確かに読書は大切ですね!
もっと本を読まねば・・・・

あと、とても心に沁み渡るサウンドですね、これ。(^^♪
by seawind335 (2015-06-28 20:22) 

hanamura

人の世は、出会いと別れ・・・、でも、
本には、出会いはあっても、別れ無し!
by hanamura (2015-06-28 21:16) 

みかん

興味深い内容でした! ムーミン手帳の巻末に気になることを
書き留めておるのですが、メモさせていただきました。

たしかに心が荒れているときは読書できなくて、
音楽が寄り添ってくれますね。。。

レンジオブ・ライト、
お父さんとの夏の思い出が詰まっている曲なんですね。

by みかん (2015-06-29 00:50) 

don

NovelKalevalaさん共感ありがとうございます。
ゲーテの名言ですか。
ノーマークだったので、検索して読んでみました。
ファウスト読んでないので、時間ができたら
ゆっくり読んでみようかな。
by don (2015-06-29 12:43) 

don

さすが獏さん。
ファウスト読まれたことがあるんですね。
こんどじっくり読んでみようかなと思ってます。

夏休みに読もうかな。
by don (2015-06-29 12:45) 

don

heroherosrさんこんにちは~
たしかに、おっしゃるとおりです^^
by don (2015-06-29 12:46) 

don

seawind335さんこんにちは~
いい音だったでしょうか。
じっくり考えて作られた作品なんでしょうね。
by don (2015-06-29 12:47) 

don

hanamuraさんこんにちは~
たしかに。おっしゃるとおり。
by don (2015-06-29 12:48) 

don

みかんさんこんにちは~
メモありがとうございます。
ムーミン手帳ですか。
「ねえムーミン、こっちむいて♪」
という歌が思い出されます。

ムーミンってカバなんでしょうかね。
うん、カバっぽい。
by don (2015-06-29 12:53) 

DEBDYLAN

こんばんは。
古典は、ってか真面目な本はあまり読まないけど^^;
たしかに言ってるコトは真理だなぁと思います。
読んでみないとっすね^^;

by DEBDYLAN (2015-06-29 23:19) 

don

DEBDYLANさんこんにちは~
たくさん読んだからって、
何かが変わるわけじゃないんですけどね^^
いい作品を繰り返し読むのがいいのだと思います。[__犬]

by don (2015-06-30 12:30) 

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