【なんとなく会社に行くだけの人生を送りたくないあなたへ】の感想 [本/Biz経済]
【なんとなく会社に行くだけの人生を送りたくないあなたへ/渡邉賢太郎/16年10月初版】
会社行くの好きですか?
まあ、そんな面白いもんじゃないですよね^^
なんていうか、使命感と生活のために通ってます。
サラリーマンは上の意見と合わないとき、会社に行くのが苦痛になる。
上司というか、やっぱり同僚含めた人間関係がすべてかな。
著者の経歴。
立命館アジア太平洋大学卒。
三菱UFJモルガン・スタンレー証券を退職後、2年間の世界一周旅へ。
帰国後、2013年8月よりNPO法人ETIC.に参画。だそうです。
この手のサラリーマンハウツー本、自分探し本は、結論や対応策はどれも似たようなものです。
おもしろいかどうかは、著者の経験が他の人とどう違うか。
なるほどとうならせる、経験から出るウンチクを語れるかどうか。
本書の場合は、2年間の世界旅行経験談が面白い。
ぼくは海外駐在経験がないので、海外話を聞くのが好きです。
今自分の部署に業務委託で来てる子が、3年間海外放浪してた。
彼とは月に2回ぐらい飲み行って、いろんな話しています。
酒量が同じというのも、よく飲みに行く理由ですが。
ちゃんと学校を出て、名のある会社に入った。でも何かが違う。
自分探しでそこをやめて海外に出る。そこまではいいんです。
だけど戻ってくると、正社員にはなりにくい。派遣か請負(業務委託)になってしまう。
そういう世代(氷河期)でした。もちろんうまく転職できた人もいる。
彼は人として素晴らしいし、本人も満足してるとは思いますが、業務委託なので給料が増えない。
お金のことを考えると、先のことを考えると、確率論としては会社にしがみついていたほうがいい。
冒険はその後の保証がない。ぼくはそう思います。
たまに少数の成功した人たちが、いろんな媒体で冒険を誘うのですが、
おおかたの凡人(僕をふくめた)は、あとで苦労すると思う。
人間はそんなに高いテンションを維持できない。
酒飲んだ時とか、夜中とかは万能感にあふれてますが。
そんなものは四六時中維持できない。すぐにシンドイってなります。
本書の概要を目次から。
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序章 世界のルールは変わった、僕たちはどう適応するのか
第1章 今、起きている4つの変化―世界はつながり、はやまり、崩れ、分け合うようになった
①つながる世界
②速度を増す世界
③これまでの価値基準が崩れる世界
④分け合う世界
第2章 世界各地で生まれている歪み
①機械に置き換えられる人々
②打たれ弱い大都市と予測不能な自然
③一次産業から失われる多様性
④お金が目的にすり替わる資本主義
第3章 しなやかに適応している世界各地の人や街
①ここにしかないもの、で世界を惹きつける
②積極的に関係しあう人々
③LGBT、麻薬、アートを受け入れるしなやかな街
第4章 働き方、お金の使い方、学び方をどう変えていくか
①企業のあり方と働き方の変化
②お金の使い方と意識の変化
③学び方と教え方の変化
第5章 自分らしく生きるために必要な7つの力
①ゼロから価値を創りだす力
②自分を変える力
③違いを認め、楽しむ力
④表現し、伝える力
⑤意外なものを組み合わせる力
⑥見えないものを感じ、扱う力
⑦自分らしくいる力
第6章 自分らしさを最大化する2つの方法
①自らのルーツを知る
②異次元に飛び出す
終章 日本人として挑戦することの意義
いかがでしょうか?
この本で著者が伝えたかったことは2つだと思う。
①自分らしく生きる。
②英語じゃなくて、伝える中身。
②を補足すると、どれだけ流暢に英語が話せても、メッセージの中身がなければ、相手の心に響かない。
世界がつながり、翻訳技術が進化してるいま、より重要なのは圧倒的に話の中身。
僕たちは、自分の生まれた国、土地、自分自身のことをよくわかってない。
まずは自分や日本のことを見つめ、メッセージの中身を充実させていくべき。
高尚な話じゃなくていい。アニメや漫画、スポーツ、なんだっていい。
伝え方は、絵をかいたり、踊ったり、音楽だったり、そのほうが現地の人とあっという間に仲良くなれる。
以下にその他の読書メモ4つ。
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<つながる世界、倍増したネット利用者数>
2008年のインターネット利用者数は世界で16億人だったが、2015年には32億人に増えた。
日本での普及率が9割なのに対し、インドでは3割など、まだ国によって差がある。
<変化の速度が速くなった>
ある技術が発明されてから5000万人に使われるようになるまでかかった時間。
電話は75年、ラジオは38年、テレビは13年、インターネットは4年、ipodは3年。
情報通信技術の発達により、時間・空間の隔たりは急速に縮まった。
ポケモンGOは1か月で1億3000万ダウンロード。
<イランの平和博物館>
イランは恐ろしい国ではなかった。おしんや一休さんが人気で、親日国。
テヘランの平和博物館、展示の半分はイランイラク戦争時の毒ガス兵器の悲惨さを伝えるもの。
残りの半分は、「広島、長崎の原爆の記録」
不思議に思いながら原爆のドキュメンタリー映像を眺めていると、
博物館のスタッフのおじさんが僕の横に立った。
「日本人?」
「そうです」
しばらく無言で映像を並んで見つめる。
すると、「本当にむごいことだ」とおじさんがつぶやいた。
「きみたちの国は、こんなにひどいことがあったのに再び立ち上がった。本当にすごい国だよ」
この方は日本の歴史について、少なくとも大学時代の僕以上に知り、敬意を抱いていた。
僕たち日本人の多くが、イランをテロリストの国だと思っているなんて、口が裂けても言えなかった。
<カウチサーフィンとは何か>
バックパッカーならたいてい知ってるウェブサービス。
世界中の旅人と、「泊まっていきなよ」というホストをつなぐもので、
欧米を中心に世界中で広まっている。
Airbnbとの大きな違いは、カウチサーフィンは原則としてお金を払うことがない。
もちろん泊めてもらうお礼におみやげをもっていったり、ご飯をごちそうしたりする。
しかし宿泊料を請求されることはない。
少なくとも僕は世界で30人以上のホストにお世話になったが、一度もお金を請求されたことはない。
それどころか彼らはみんな朝晩の食事をごちそうしてくれたし、休日には町をガイドしてくれたりした。
ギリシャのテッサロニキを訪れたとき、
年金運用ファンドで働いているというホストのエミリオスと、こんな会話になった。
「日本は戦争のとき神風をやったんだろ?日本万歳、ドーンって。クレイジーだな」
彼は悪気はなく、南欧の人らしく陽気な感じで語っただけだった。
ただ思うところのあった僕は、たどたどしい英語でこう伝えた。
「そうだね。クレイジーかもしれない。ただ知っておいてほしいのは、彼らは国や神とか、
そういうもののために自爆した狂信者じゃないんだ。日本には彼らが飛び立つ前の手紙が残っていてね。
そこには父さん、母さん、ありがとう。妹のことをよろしく頼む。そんなことが書いてあったんだ。
彼らは家族を守りたいと思って、自分の生命を懸けたんだよ」
それを聞いたエミリオスは神妙な顔で、
「そうだったのか。それは知らなかったよ。話してくれてありがとう」と納得していた。
今日の1曲は1月28日付のビルボードアルバムチャートから。
2位に急浮上した「ラ・ラ・ランド」のサントラ盤。
なんやこれは?と調べてみると、1月8日のゴールデングローブで7部門受賞した映画でした。
2月26日のアカデミーでも、何部門か受賞するでしょう。日本公開は2月24日。
監督は2年前アカデミーで3部門受賞した、「セッション」のデイミアン・チャゼル!
またこの人かぁ。85年生まれ31歳と若いんですが。
どんな分野でも一度極限に追い込まれた人間は強い。
ちな音楽担当はハーバード時代のルームメイトでバンド仲間、ジャスティン・ハーウィッツ。
デイミアンはほんとに音楽好きなんでしょうね。音楽離れた映画を今後撮るのでしょうか。
いや必要ないか。
(関連記事)
映画『セッション』~デイミアン・チャゼル監督のインタビューが興味深い
http://donhenley.blog.so-net.ne.jp/2015-05-02
【超入門 失敗の本質/鈴木博毅/12年4月初版】
http://donhenley.blog.so-net.ne.jp/2012-09-08
【負けるはずがなかった大東亜戦争/倉山満/14年8月初版】
http://donhenley.blog.so-net.ne.jp/2014-10-07
【チョムスキーが語る戦争のからくり/ノーム・チョムスキー、アンドレ・ヴェルチェク/15年6月初版】
http://donhenley.blog.so-net.ne.jp/2015-08-15
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『セッション』は非常に面白い映画でしたね!
ラストは唸りました(笑)
ミュージカルは少し苦手なので『ラ・ラ・ランド』は観に行くか分かりませんが・・・
by Speakeasy (2017-01-17 23:41)
>業務委託で来てる子
「何かが違う」…よくある話ですねえ。
何がどう違ったのか、一度じっくり聞いてみたいものです。
で、今の彼の仕事には「何かが違う」ってこと、ないのかなあ?
ぼくはね、ちょっと厳しい言い方になるかもしれないけど、
「自分探し」というのが、そもそもよく分かりません。
一体何なんでしょうか、「自分探し」って?
それは働いていた会社を辞めて、海外に放浪しないと分からない
ような類のものなんでしょうか?
物心ついてから就職して社会人になるまで、相応に長い時間が
それこそ「自分探し」のためにあったのではないでしょうか?
遊び半分のモラトリアム期間まで与えてもらっておきながら、
その間で見つからなかったものが、たった3年の海外放浪で
簡単に見つかるものなのでしょうか?
もっと言えば、非常に重要な時期の3年間を犠牲にしてまで
強行した「自分探し」の結果が、今の派遣の仕事なのでしょうか?
一体彼は何を探そうとして、何を探しあてたのか?
その結果たる今を、彼はどのように考えているのでしょうか?
ま、すべては彼の人生だと言ってしまえばそれまでなんですが。
でもなあ、donさんが「人として素晴らしい」と感じる人なのに
こんなフワフワしたことで良いのか?
・・・と、つい大きなお世話を言いたくなってしまいます。
ごめんなさいね。
いつものように本論から逸れた話ばっかりで。(反省!)
by song4u (2017-01-18 11:57)
Speakeasyさん、こんにちは~
唸りましたか^^ぼくは手に汗握りました!
ぼくもミュージカルは?なので、どうしようかなぁ
[__犬]
by don (2017-01-18 12:38)
song4uさん、こんにちは~
仕事力と、一緒にいて楽しい人とは違うと思います。
やさしくて、一緒に飲んで楽しくて。
まわりもみんな、「彼はいい人だ」という。
彼がその決断した時は、親父さんからおもいきり殴られたそうです。
そりゃそうですよね。ぼくでもそうするかもしれない。
いや、できないか^^; 甘いんで。
いまの30代の子は、けっこう自分探しで海外に行く人多かったですよ。
ぼくらの時代はそうでもないですが。猿岩石とかの影響かな。
さて、ボチボチ仕事します。
[__犬]
by don (2017-01-18 12:46)
donさん、おはようございます^^
この本、読んでみたいです[__目]
流暢な英語よりも中身、ほんとにそう思います~。
楽器を弾いたり、テニスをしたり、そういう中身があれば、
あとは簡単な会話で十分にコミュニケーションが取れる。
人間も街も、「しなやかに適応」っていうのもテーマでしょうか。
面白そうです! 日本に帰ったら入手しようと思います。
自分探し、いろいろと意見ありますよね。
星野源の「そして生活はつづく」というエッセイを
再読していたのですが、「自分なくし」というのがありました。
星野源、ドラマでブレイクしたようですが、
実は私はかなり前から文体に惹かれていたのです~[__猫]
もともと本上まなみが紹介していて、
どんな有名な人でも、生活から逃れることができない、
生活を面白がって生きる、みたいなエッセイなんですが~。
そして、2年程前に受けていたESLのクラスに、
イラン人のイマン君という男の子がいて、
まだ二十歳前の子だったのですが、すごく親日で、
いつも私の宿題を写しており、弟のようで可愛かったです。
まだまだ、色眼鏡でものを見ているな~って思うので、
今年もいろんな本を読みたいです。
ものすごくダラダラと雑文すみません[__ふらふら]
donさんのブログ、これからも楽しみにしております>^_^<
by みかん (2017-01-19 00:27)
みかんさん、こんにちは~
海外で生きてる人からしたら、参考になる部分が多いかもしれませんね。
楽器やテニスとかじゃなくても、折り紙とか、料理とか、
そんなのもいいかもしれません。
なんと星野源はエッセイ書いてたんですか。
知らなかったです。才能豊かなんですね。
MTVでよく曲がかかって、個人的には何で売れるのか、
よくわからない人でした。
しかし大人気です。
会社の女の子も大好きだといってました。
20歳のイラン人は親日ですか。
親日の人がいたら、ちょっとうれしいですよね。
しかし宿題は写したらあかんでしょ^^
まあぼくも学生時代は、まじめな女の子のノートをよくコピーしてましたが。
自分の事は棚にあげときます。
[__犬]
by don (2017-01-19 12:29)