歌舞伎はなぜ男ばかりなのか?~「歌舞伎の名作名啖呵」まとめ [本/文学芸術]
【歌舞伎の名作名啖呵/いまいかおる/16年11月初版】
歌舞伎、お好きですか?
日本の文化なので、少しは語れるようになったほうがいいかも。
まずお値段。
東京歌舞伎座だと以下。
1等席 18,000円
2等席 14,000円
3階A席 6,000円
3階B席 4,000円
1階桟敷席 20,000円
大阪松竹座は以下。
1等席 12,000円
2等席 7,000円
3等席 4,000円
ふむふむ、ストーンズのコンサートより安いやん。
安い席があるのはいい。外タレのコンサートより良心的です。
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歌舞伎はなぜ男ばかりなのか?
教えてgooによると以下。
もともと出雲阿国(いずものおくに)という女性が始めた。
今とは反対に女芸人が男装して男役をしていた。
遊女が客引きのために、流行りだした歌舞伎をまねたので、
幕府によって風紀上好ましくない、と全面的に禁止された。
「では、男なら文句はないだろう」ということで美男子が始めた。
男色が増えたので、これも禁止。
そして成人男性(前髪をそり落とした)の役者が、歌舞伎をするようになった。
なんていうか、昔の政府は立派です。
AVやパチンコを放置する、今の政府に聞かせてやりたい。
パチンコは人間を壊すし、AVは世界から「HENTAI」と日本人が言われる。
いや、まあAVはいいか・・
本書は歌舞伎の名作23作品を、マンガで描いてる。
マンガなので、あらすじが頭に入りやすい。
たまに外人の相手をしないといけない、エリートサラリーマンのあなた。
たった一冊で日本文化通。上司の覚えがめでたくなるかも。
23作品、助六からはじまり、四谷怪談、勧進帳、などなど。大トリは忠臣蔵です。
勧進帳はこんなかんじ。
クリックで拡大して読めます。
寿司に「助六」ってあるじゃないですか。
いなり(揚げ)と巻き寿司(巻き)が入ってるやつ。
あれって歌舞伎の助六が語源みたいですね。
吉原一の花魁「揚巻(あげまき)」、揚巻の彼氏が「助六」です。
たとえばモモの缶詰を、トモカズって呼ぶようなものかと。
ざっとしたあらすじは以下。
助六はイケメン。吉原を歩いてると遊女たちから吸いつけたばこのアメアラレ。
助六は訳あって、スパイのように人の集まる吉原を歩いてます。
そして揚巻に惚れる金持ちの老人「意休」といさかいを起こす。
その金持ちの老人が、じつは助六の探していた悪いヤツだった。
みごと意休を打倒す助六。しかし追手が迫る。
追い詰められた助六、そこを揚巻が救う。一世一代の名たんか!
「その棒の端の わしが身へ ちょっとでもさわってみや 五丁町(吉原)は暗闇じゃぞ」
助六は揚巻にかばわれ、見事に目的を果たし逃げのびていく。
かっこいいなあ、ぼくも言ってみたい。
その他の語源。
大阪で手に負えない腕白のことを「権太」と呼ぶのは、
「義経千本桜」の「鮓屋」からきてる。
権太は札つきのならず者でしたが、さいごはモドリ※。
(※悪人だと思われてたのが、本心をあかすと実は善人(味方))
以下に3点の読書メモを。
・江戸時代の火消とはどんな仕事だったのか?
・鬼の指はなぜ3本なのか?
・なぜ上方の歌舞伎は心中ものが多いのか?
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江戸時代の火消とはどんな仕事だったのか?
当時の消化方法は火を消すというより、火のまわりの建物をたたきこわし、
それ以上火の勢いが広がらないようにするという、荒っぽいもの。
必然的に腕っぷしが強く身が軽く、度胸がよくないと勤まらない。
「町火消」は火事の多かった江戸時代の、庶民のあこがれのスーパースター。
火消は種類があり、鳶の物と呼ばれ時代劇でおなじみの「町火消」以外に、
幕府が管理する、定火消、大名火消、方角火消があった。
定火消は乱暴者ぞろいで、オドシやユスリまがいのことをする者も多く、
庶民に恐れ嫌われていた。
火消と人気を二分してたのが相撲取り。
「一年を二十日で暮らすいい男」
当時の相撲は一場所十日間で一年に二場所しかなかった。
それでも十分やっていけるほど人気があった。
特に武勇をホマレとする大名たちは競って相撲取りのスポンサーになり、
やがて抱力士として家来なみに扶持を受け刀を差すことまで許可される。
相撲取りと町火消、この2大アイドルは、あまり仲が良くなかった。
鬼の指はなぜ3本なのか?
舞踏劇にしろ松羽目物にしろ、能がかりの舞台には鬼の出てくるものが多い。
あの鬼サンたちは、時々こういう手つきをする。これには意味がある。
仏教では鬼の指は3本である。
5本の指には、慈悲、知恵、貪欲、嫉妬、愚痴の意味があり、
鬼には慈悲と知恵がかけている。
なぜ上方歌舞伎は心中ものが多いのか?
上方(関西)の歌舞伎には「心中もの」が多い。これはなぜか?
ほとんどは日本のシェイクスピアといわれている、
近松門左衛門(1653~1725年)の作品で、彼が関西で活躍したので。
上方ではその芝居を見て影響された男女が心中する事件が相次ぎ、
ついに「心中ものは上演まかりならん」という条例まで出た。
遊女と情人の芝居は江戸にもあるが、江戸は男の対面中心に展開する話が多い。
いっぽう上方は恋愛問題を中心にした筋立てがほとんど。
商人中心に栄えた関西と、侍がハバをきかせた関東とのお国柄の違い。
海老蔵の弁慶役はカッコイイ。
相続した父・團十郎の借金(親族の連帯保証人)は19億円。
成田屋350年の伝統も背負って、夫婦でよく耐えてると思う。
夜の酒で発散して暴走した時もあるけど、今は日本中が応援してる。がんばれ。
パック中の顔は不気味だけど、歌舞伎フェイスならいいかも。
パーティグッズとしてもいけるかも。
(関連記事)
お岩さんは実話なのか~「円楽の大江戸なんでも番付」より
http://donhenley.blog.so-net.ne.jp/2016-05-24
【お盛んすぎる江戸の男と女/永井義男/12年10月初版】
http://donhenley.blog.so-net.ne.jp/2012-12-15
【居酒屋の誕生~江戸の呑みだおれ文化/飯野亮一/14年8月初版】
http://donhenley.blog.so-net.ne.jp/2015-01-24
吉原手引草&吉原の落語
http://donhenley.blog.so-net.ne.jp/2011-11-20
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なるほど、そういう経緯で歌舞伎は男性だけになったのでやすね。
始めたのが女性だったというのは 昔何かで読んだ記憶がありやす(◎o◎)b
by ぼんぼちぼちぼち (2017-03-11 19:41)
もう少し、お値段がお手頃になると行きやすいのですが。。。。
by seawind335 (2017-03-12 22:28)
donさん、おはようございます^^
東京歌舞伎座、前を通ったことはあるのですが
見に行ったことはない!ので、今度4千円の席で
体験してみたいな~と思いました☆
漫画はいいですよね。
日本は、漫画文化が素晴らしいので、
こちらでも人気ありますよ!(^^)!
日本へ帰ったら、これまで知っているようで知らなかった、
日本橋とか、大人の散歩をしたいな~と思います[__猫]
繁華街は、疲れます(;^ω^)
by みかん (2017-03-12 23:12)
ぼんぼちぼちぼちさん、こんにちは~
時代は変わったので、女歌舞伎見てみたいですけどね。
あ、宝塚がそうなのかな[__犬]
by don (2017-03-13 12:44)
seawind335さん、こんにちは~
そうですよね。この値段だと一生に一回とか。
安くするとリピーターが増えると思います[__犬]
by don (2017-03-13 12:45)
みかんさん、こんにちは~
繁華街は疲れますか。そうですよね。
とはいえたまにはオシャレして、街中を闊歩するのもいいかも。
おしゃれなもの買ったり、おしゃれな所でメシ食ったり。
ぼくも人生で一度は、相撲と歌舞伎は体験してみたいです。
[__犬]
by don (2017-03-13 12:47)
donさん こんばんは♬
この度 息子のお陰で京都にご縁ができたので
これから改めて日本文化に目を向けようなどと
不遜なことを考えている獏です(@w@;))
彼が6年は在京するので、その間にさんざん上洛しようと
虎視眈々と思っています(^m^)♬
by 獏 (2017-03-14 19:24)
獏さん、こんばんは~
おめでとうございます!
これから、息子さんと飲めますね。
京都の美味い酒、たくさん飲んでください。
あ、いちおう20歳からですが^^
[__犬]
by don (2017-03-14 20:57)