恋しくて - TEN SELECTED LOVE STORIES

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 中央公論新社
  • 発売日: 2013/09/07
  • メディア: ハードカバー


【恋しくて/村上春樹編訳/13年9月初版】
今日は短編集なので、軽めで。表紙は竹久夢二の「黒船屋」とのこと。


文庫本が出たら手元において、たまに読みたい一冊です。短編集は好きで結構読んでるのですが、すぐにストーリーを忘れてしまいます。例外的に覚えているのは、高校時代に何度も読んだ作品です。オーヘンリーの短編集はオチがあって面白い。「水車のある教会」「よみがえった改心」あたりは最高に好きです。ピートハミルの「ニューヨークスケッチブック」も何度も読んだなぁ。幸せの黄色いハンカチの原作が入ってる短編集です。

本書は村上春樹が選んだ9編と自作1編の全10作の恋愛短編集です。正確にはアリス・マンロー 「ジャック・ランダ・ホテル」だけは、柴田元幸氏(米文学研究者)に電話して「柴田さん、何か面白い恋愛小説を知りませんか?」「う~ん、困ったなあ。僕は恋愛ものみたいなのにはとんと縁がない人間なんですが、そうだなあ、これなんかどうでしょう?」と推薦された作品だそうです。

まさかそれが13年のノーベル文学賞受賞者の作品になるとは、なにかの因縁があるのかもしれません。

10篇の作品は以下です。各編の終わりに村上春樹の寸評があります。あとがきも面白い。

マイリー・メロイ 「愛し合う二人に代わって」
⇒高校時代に知り合ったピアノが得意な内気な男の子と、ダンサーを夢見る女の子の恋の行方

デヴィッド・クレーンズ 「テレサ」
⇒大柄な14才の少年が、同じクラスの女の子に恋して彼女の帰宅の後をつけ、彼女の秘密を知る

トバイアス・ウルフ 「二人の少年と、一人の少女」
⇒高校生の男2人と女の子1人の三角関係

ぺーター・シュタム 「甘い夢を」
⇒24歳の青年と21歳の女の子が同棲をはじめ、何をしても楽しい時期の話

ローレン・グロフ 「L・デバードとアリエット」
⇒16歳の少女と43歳の元オリンピック水泳選手の恋の話。大河ドラマを思わせる壮大な展開

リュドミラ・ぺトルシェフスカヤ 「薄暗い運命」
⇒30代の未婚の女性と42歳の男の不倫の話。わずか4ページ

アリス・マンロー 「ジャック・ランダ・ホテル」
⇒若い娘と駆け落ちした亭主を、オーストラリアまで追いかけて

ジム・シェパード 「恋と水素」
⇒ナチ党員のゲイのカップルの恋。1937年のヒンデンブルグ号爆発事故に絡む

リチャード・フォード 「モントリオールの恋人」
⇒49歳の弁護士男と33歳の公認会計士女の不倫話。

村上春樹 「恋するザムザ」(書き下ろし)
⇒カフカの「変身」後日譚


ビギンの「恋しくて」♪ 10年ぐらい前によく歌いました。当時の上司がチークが好きで、スローなこの曲を入れるとよく踊ってました。だいたいは韓国バーか中国バーですが^^;日本人のラウンジ系と比べると3割ほど価格が安くて、密着度が高いという。あれも一種の束の間の恋なんでしょうか。皆さんもたまには恋してますか?


恋といえば、やっぱり松山千春の「恋」かなぁ。昭和の女の歌なんでしょうね。よくみんなカラオケで歌います^^



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