【ピアノの森24巻限定版/一色まこと/14年5月23日初版】
マンガって何度も読み返しちゃうんですよね。面白いマンガはとくに。今回も昨日から3回以上読み返してます。アホやなぁ^^

マンガに救われた人生です。20代、30代はハードな人生でした。とにかく自分の時間がない。30代はきつかった。子育て、老親の介護、仕事は毎晩深夜帰宅。奥さんはいつも怒ってる。すべてが自分の小さな肩に乗っかってきました。つらくて何か癒しが欲しい。

本を読んだり映画を見たりゲームをしたりするのは、パワーがいります。まとめて時間を確保しないといけない。その点マンガは読むのにパワーはいらないし、時間も細切れでOKです。娯楽の帝王。キングオブレジャー。究極の癒し。誰にも気を使わなくていいし。

仕事やら自分の人生は思い通りにならなくても、マンガの世界は胸のすくことばかりです。サラリーマン金太郎なんか、でっかい仕事をバンバン決めちゃうしモテモテだし。読んでる間は自分が達成したような気になったりして。マンガの世界で自己実現。ていうか逃避ですね^^

10年ほどマンガを毎週8~10冊読んでました。幹線道路沿いにマンガ10万冊、1冊30円レンタルの店があって、週末になると通ってました。図書館でも本を毎週数冊借りてましたが、マンガと本が並んでるとどうしてもマンガのほうを読んでしまうのが人情というもの^^

そんなわけで、その10年間だけでも4000冊ほどのコミックを読んじゃいました。そんだけ読むといっぱしのマンガ評論家になってしまいます。あのときにコミック紹介系のブログでもやってたらよかった。何のメモも残してないので、何を読んで自分がその時どう感じたか、きれいさっぱり抜けてます。

自称マンガ評論家の僕が、今でも唯一自分でわざわざ購入してるのは、ワンピースとピアノの森だけです。この2作品は鉄板です。

(限定版に付属してるCD。クリックで拡大)


4年前にピアノの森について書いてたので、再掲を。

『ピアノの森を読まれたことがない方に、簡単なご紹介を。

「森の端」と呼ばれる風俗街の、娼婦の息子に生まれたカイ。ひとが蔑むこの街から、足抜けできない状況の中で、母子ともに明るく生きていきます。(ブルージーやなあ)

そんなカイは、森にすてられたピアノがたったひとつのおもちゃでした。カイの子供から青年への成長を描いた作品です。

小学校編もおもしろいのですが、その後様々な人との出会いにも恵まれて、いま19巻では、ショパンコンクールの2次予選の舞台に立っています。かれは12人のファイナリストに残れるのでしょうか。。

このピアノの森は不定期連載なので、次巻がでるのに1年ほど待つ時もあります。今回ははやくて4ヶ月でした。

ピアノの森の作中の演奏を読みながら、アルゲリッチやポリーニやルービンシュタイン、アシュケナージ、ホロビッツなんかの演奏をあわせて聴いてると、なんだか幸せを感じます。

フィクションを読む場合、僕の場合は、小説よりマンガに優位性を感じます。

その世界に入るのに、小説は時間がかかりますが、マンガは一瞬で入れるからです。

同じようなスタイルのマンガ(日本人が世界に挑むまでの道のりを描く)では、

・バイクレースGP500を舞台にしたしげの秀一「バリバリ伝説」









・ゴルフのセントアンドリュースで二クラウスと死闘を演じるちばてつや「あした天気になれ」









・テニスのウインブルドンセンターコートの感動のラストがこころに残る浦沢直樹の「HAPPY」
(YAWARAより、つよく惹かれる部分がある)











・世界的なロックバンドに成長するハロルド作石「BECK」








なんかが、名作としてこころに残っています。 』




(限定版に付属してるCD。クリックで拡大)



このマンガの唯一の難点は、ハンターハンター並に寡作だと言うこと。手元のマンガを見てみると、
21巻:11年11月初版
22巻:12年8月初版
23巻:13年5月初版
24巻:14年5月23日初版

まあ見事に1年1冊です。だからずっといつ出るか検索する必要がある。

本作はいよいよ集大成。ショパンコンクールのファイナリストとして、カイが演奏します。まるまる一冊カイの演奏です。他の演者なんかを読んでる時は、じらされてるんですよ。はやくカイの演奏が読みたい。なんせ4年も待たされた。長かった~。

釈迦に説法ですがショパンコンクールは5年に一度です。しかも1位なしがある。85年にブーニンが1位で、90、95年は1位なしです。2000年にユンディリが1位になったときはすごいインパクトがあった。

ショパンファンには申し訳ないのですが、ショパンのピアノコンチェルトってあんまりいい曲だと思わなかった。個人的な好みはミーハーなので、ラフマニノフ#2(アシュケナージの演奏が好き)とか、モーツアルト#20(ぱぱゼルキンの演奏が好き)がいいと思ってる。コンチェルトだけラフマニノフとかにして欲しい。でもそれだとショパンコンクールにならない^^

で、今回限定版(1600円)を買いました。限定版は2005年ショパンコンクール1位のブレハッチの演奏したファイナルのピアノコンチェルト#1がCDで付いてます。これがいい。

ぼくはアルゲリッチファンだったので、アバドとアルゲリッチのCDを聴いてました。じつはこの演奏はあまりインパクトがない。いちおうクラシック本では名演とされてるものです。これより聴きやすい。この曲こんなに良かったっけと思わされます。オケもピアノも両方素晴らしい♪ほんとに。

限定版かどうか迷ったら、1000円高いだけなので、こちらを強くおすすめします。CDには全29pの解説冊子もついてます。


えらそうに書きましたが、子供の頃バイエルで挫折した軟弱モノで、今では単なるカラオケ好きなおっさんですので、深い突っ込みはご勘弁を<_ _>

探してみると、同じ音源の2005年ショパンコンクール時の動画がありました。



CD付き ピアノの森(24)限定版 (モーニングKC)

  • 作者: 一色 まこと
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2014/05/23
  • メディア: コミック



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