危機の大学論 日本の大学に未来はあるか? (角川oneテーマ21)

  • 作者: 尾木 直樹
  • 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
  • 発売日: 2011/11/10
  • メディア: 新書


<危機の大学論/尾木ママ&諸星裕/11年11月初版>
シダックスの飲み放題ワイン、うまかったです。酔っ払いの安もんの舌ですが。。

自分のことは棚に上げて(笑)、大学のレベル低下について考えてみます。


日本の出生数を調べてみると、昭和40年代生まれは200万人/年いたのが、
2010年では107万人です。半分になってしまいました。厚労省データ↓
http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/suikei09/index.html

この本によると大学生は1学年だいたい50~60万人で、
大学進学者全入時代となり、なんと私立大学の4割は定員割れだそうです(驚)

少し前の文科省の学生数データです。↓
http://www.mext.go.jp/b_menu/toukei/001/05011201/002/001.htm

たしかに40年代生まれはクラスにたくさんの人数がいて、
クラスの上位10%が国公立&MARCH以上私大というイメージでした。
(国公立10万人+MARCH以上10万人=合計20万人/1学年)

それが今では上位20%以上がそのレベルに行けちゃいます。
そりゃ~レベルの低下は起こるでしょう。学生数が半分になるので、
大学の定員も半分にしないとレベルの低下が起こるのは当たり前の話です。
夏目漱石の時代とは月とスッポンです。

「便所飯」ってご存知でしょうか?大学での各種アンケートによると、
バラつきはありますが、大学生の10~50人に1人は便所飯の経験者だそうです。
1人で飯を食うのがカッコ悪くて、そんな姿を見られたくないので、便所で飯を食うらしい。

クラス制の採用も増えており、クラスがあればいじめも起こります。
大学生でいじめなんて。。

入学式の前にはMIXIで既に仲間ができあがってて、
やってなければ最初から友達ができず浮くそうです。

AO入試(推薦)の導入が学力低下の元凶のように言われてますが、
定員割れするので、囲い込まざるをえないんでしょうね。

この本には大学の側から、何点か改善案がでてますがあまりピンとくるものはありません。
(大学3年卒業制度、秋入学、高校4年制度で基礎学力UP等)
大学の構造不況みたいなもんでしょう。

2つだけそうしたほうが良いと思ったのは、
①教授の教育力UP
②センター試験のみにする

①は教授は専門分野だけで蛸壺の住人。中学高校の先生とは指導力がまったくちがう。
専門部屋にこもりっきりで教員どうしの交流もあまりない。
専門分野の講義を天井を向いてやってるだけでは、レベルの落ちた学生はフォローできない。
学生という人間を伸ばすことを意識した本当の教育力が必要。

②試験が終わりなんと4月から翌年の入試の準備。
米のSATやACTといった年に6回ほど受けれるセンター試験のような資格試験の点数で、
大学ごとに面接してマッチする大学に入る方式にすればよい。
もちろん面接官は人間観察力のない専門馬鹿教授ではなく、面接のプロを置く。

個人的な代案としては、大学の構造不況なので半分とは言いませんが、
3分の2に大学の定員を減らす。
就職率を高めるには雇用数の多い製造業の復活が必要なので、円安にもっていく。

為替介入ではなく、日銀の国債買取等で円の希薄化にもっていく。
参考に総務省の就業者数調査です↓
http://www.stat.go.jp/data/roudou/sokuhou/tsuki/pdf/05400.pdf

大学をリストラして入りを調整しブランド力を高める。
そして学生の企業からの求人という需要、いわゆる出を高める、しかないでしょうね。

大学問題は、結局日本の問題が凝縮されてるのだと思います。
・デフレ
・円高
デフレをやめてインフレ路線にすれば、借金の負担は減るので企業の設備投資は活発になります。
G7並みのインフレ率3%で20年たてば複利で借金は半分の負担です。
デフレならそのままを返さないといけない。

円高は国際競争力がなくなるので、円安にする。
国際競争力を取り戻した企業がインフレ下で積極投資し人材雇用を増やす、
日本が再び成長路線になり子供も増える。
放置すると第二、第三の液晶やパネル工場撤退悲劇のようなことが起こります。

予想される抵抗勢力はインフレを嫌う公務員と、持ってるお金が一定の老人です。
現役世代の意見を汲む政治家を選び、公務員や既得権者の意見を抑えてほしい。



そろそろクリスマス。ぼくにはあまり関係がないイベントですが(苦笑)。
4分の1個のケーキ食べて、ファミマのチキン食べるだけです。

せっかくなので気分だけでもクリスマスソングを。
むかしソニーのCHFのテープに録音してよく聴いてたプリテンダーズの2000milesです。

とても遠く(2000miles,天国か)に行ってしまった父親がクリスマスには帰ってくると歌う子供たち。
母親も彼を夢見て会いたく思う。だけど今日はクリスマス、彼は帰ってこない。。



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