コレキヨの恋文 (PHP文庫)

  • 作者: さかき 漣
  • 出版社/メーカー: PHP研究所
  • 発売日: 2015/02/04
  • メディア: 文庫


<コレキヨの恋文/三橋貴明/12年4月初版>
おもしろいですよ♪いわゆる読み出したら止まらないノンストップ小説です。
泣きそうになった所も数箇所あったし、噴き出すところもあります。
なんてゆうか、ハリウッド映画みたいです。

著者の三橋氏(たぶんもう説明不要の人になってるでしょうけど)が、小学館の編集者に、
「三橋さん、もしドラみたいな本書いてくださいよ」と頼まれて書いた本です。

「青天の霹靂で日本初の女性首相になってしまった霧島さくら子。
稀代の財政家・高橋是清に学び、経済政策を成長路線へと大転換。次々と大胆な政策を打ち出す…。
果たして日本は復活できるのか。泣いて笑って、日本と世界の経済の仕組みがストンと分かる、
人気エコノミストによる傑作小説。」

たぶん民意はこの本の中に詰まってます。多くの政治家に読んでもらって、
主人公みたいに日本を復活させてください。この本に書かれてるマクロ経済政策や、
外交政策を、そのまま実行すれば、かなりの確率で日本は再生できると思われます。

ちなみに主人公の女性のモデルは弔い選挙で衆議院議員になった小渕さんぽい。
麻生さんに頼まれて34歳独身で内閣総理大臣になります。さすがにこのへんは名前を変えてます。

だけど鳩山、管、小沢、野田総理あたりは実名で悪行を書かれてます(笑)。
まぁほんとの事だからしょうがないか。#59124;

201X年ということですが、
第97代総理大臣ということは、野田総理が95代なので、1~2年先のイメージです(笑)

増税に走る官僚との対決、TPP、対中国の防衛問題(シーレーン)、円高、外国人参政権、
人権擁護法案etc、積み上がる難題を彼女はどのように解決していくのか。

エンターテーメント小説なので、ストーリーは伏せますが、彼女が手がけた2つの大きな法案を記します。
よく飲んだときに政治好きな同僚とウワウワ言ってる話なんですが、
公務員給料はGDP連動型にすべきで(ぼくらの業績連動型ボーナスといっしょ)、
日銀にはインフレ率、財務省&経産省にはGDP成長率の目標値を設定させて、
達成できなければ、減給やTOPに責任を取らせるべきであると。彼らは基本的に優秀なんで、
必死になって達成させてくるはずです。そういう方向に持っていこうとすると弊害になるのが、
以下の二つだと思います。

<日銀法再改正>
まず日銀法には大きな欠陥が2つある。
・日銀総裁の任命権は国会がもつが、その罷免権はこの世の誰ももたない。
・日銀はインフレ率の目標を日銀のみの判断で決定できる。

これを以下のように改正します。
・インフレ率の目標は政府が定め、日銀は独立した手段をもってその目標を達成する。
定められた期限内に達成できなかった場合、日銀総裁は説明責任をもつ。
説明が不十分な場合、国会は日銀総裁を罷免できる。

この「手段の独立」「総裁罷免権を政府がもつ」はグローバルスタンダードで、
世界主要国の中央銀行と同じにするだけ。


<歳入庁の設置>
財務省にだれも逆らえない元凶となっている、国税庁(=査察権、警察力)を切り離し、
厚労省傘下の日本年金機構など、社会保障関連の特殊法人と統合した「歳入庁」を、
内閣府の外局として設立するという法案。

そも徴税という行為は裁量範囲が広い。
裁量をフル活用すると企業や政治家は確実に脱税として処分されてしまう。
予算配分で大きな影響力をもつ財務省が、国税庁の警察力まで振りかざした日には、
日本の政治家や国民は全く逆らえなくなる。財務省への極端な権力集中が、
20年にもおよぶデフレの長期化という形で顕在化したのは間違いない。



歳入庁設置にはマスコミがいっせいに反対します。財務省と大手紙は長年にわたり癒着しているから。
元財務官僚は、天下り先のひとつとして大手新聞社の取締役というのが常態化してるそうです。
かれらは一体化し、新聞社とテレビはクロスオーナーシップ(新聞社がテレビ局を系列化すること)により、
同調します。ちなみに欧米はクロスオーナーシップは禁止されています。
メディアの相互チェック機能のために。

彼女と彼女のブレーンは、
マスコミや野党などの抵抗勢力とどうやって戦いこの法案を通していくのでしょうか?
前時代的なシャーベット色のスーツを着た社民党党首の総理!総理!とせまるアホ丸出しの質問には、
思わずニヤリとします。


この本映画化を目指してるようです。コレキヨには著者と親交のある津川雅彦氏や、
コレキヨに似てる西田敏行氏あたりが推されてます。ヒロインは30代半ばの美女ですね。
だれがいいのだろう^^
麻生元総理の役はそのまま本人でいいじゃないかとの意見もあります(笑)


さいごに小説なので文体に関して。三橋氏の文章は経済本としては、非常に読みやすく、
わかりやすい文章を書くのですが、小説には風景描写が必要です。ストーリーを追うタイプの読み手は、
そういう部分は読み飛ばすのでしょうけど、背景を目に浮かぶように流麗に描写されると、
小説の輪郭がはっきりして味わいが深まります。

そこの部分を執筆協力を頼んでいます。
そういう意味では文章をひり出すような航跡が感じられないので、
小説家の書いたものと比べると軽い感じがします。
が、補ってあまりあるストーリーの面白さと知見が、読むものをノンストップの世界に引きずり込みます。#58973;

Time, flowing like a river
Time, beckoning me
Who knows when we shall meet again
If ever
But time
Keeps flowing like a river
To the sea
Goodbye my love,
Maybe for forever

時は川のように流れ
時はわたしをも招く
二人が再び会うことはないとおもう
時は川のように流れつづけ 海へ
さようなら大切な人 永遠に 
(一部抜粋訳、don)

この本の内容とぴったりだったので。アランパーソンズプロジェクトでタイム♪
ロック史上最も有名なエンジニアですよね。ボブクリアマウンテンやグリンジョンズをも凌ぐくらい。
ミュージックエアで「狂気」を1時間特集しててボケーっとみてると、
アランパーソンズのミキシング能力は凄まじいです。
あの上下に動かすタイプのミキサーをサッサと動かすと、欲しい音がピタリ。神業でした。
これは2004年のライブなんで81年当時のボーカルのエリックではないです。
が、プロジェクトバンド、さすがにうまいです。もうスタンダードですね#59126;


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