世界の富の99%はハプスブルク家と英国王室が握っている (宝島社新書)

  • 作者: 真田 幸光
  • 出版社/メーカー: 宝島社
  • 発売日: 2012/03/10
  • メディア: 新書


【世界の富の99%はハプスブルク家と英国王室が握っている/真田幸光/12年3月初版】
曽祖父が真田家当主。東京銀行、ドレスナー銀行融資部長をへて愛知淑徳大の助教授。
近世以降(大航海時代以降)の世界史がす~っと頭に入る1冊です。

ロスチャイルドとロックフェラーじゃないの?と読んでみた本。
英国王室とハプスブルク家が収奪できるシステムがカバーできる範囲が、99%という意味です。
ロスチャイルドやロックフェラーは下僕だそうです。ただ二大王家とその執事たる各財閥の資産を、
所有と言う概念で計算すれば世界の富の60%程度。
(ロスチャイルドに関する過去記事;http://donhenley.blog.so-net.ne.jp/2011-06-25

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欧州随一の名門王家といわれるハプスブルク家。大航海時代より輝く英国王室。
彼らは現実に世界を支配した経験があります。
彼らは地球を支配し富を作りだすシステムを構築したのです。
その後はシステムの維持を貴族や財閥にまかせます。
ロスチャイルドがいくら財を成したといっても、所詮王の財を運用したにすぎません。

また、いったん貴族に任命されると、王室には頭が上がりません。英国であれば、
英国王室が倒産することはあってはならないことなので、ソロスなんかに託された資産運用には、
無限大の担保がついています。また女王より資産が多い貴族は存在してはならないから、
大英帝国では常に資産一位にランクされています。

いや~日本の象徴天皇とえらい違いですね。戦争に勝ち続けて歴史が連綿とつながり、
価値観が継続してると、王室に対する尊敬と畏怖の感情は日本人からは想像もつきません。

以下に著者の近未来予測と、今後の日本の進むべき道を記します。




<近未来予測>
ドル基軸通貨のシステムが崩れると、1ドル50円まで円高になる可能性があると。
日本の輸出は一旦はほとんどダメになり、ユーロ安、ドル安の欧州&米国は、
逆に輸出が伸び、経済が回復していきます。

その時点で、日本は債権国から失墜します。
そして債権国からの脱落と日米欧の金利差の拡大が背景となって、今度は円が売られます。
日本経済はどん底ですから、ユーロやドルに資金は逃げていきます。
著者の最悪のシナリオでは、50円をつけた時点から、たぶん6ヶ月の間に急激な円安が起こり、
1ドル150円まで円安になります。

一方、基軸通貨=ドルのシステムが維持されれば、市場は落ち着き、
緩やかなドルの価格調整のみで、世界は安定に向かうと。

マクロ経済本の真打である、吉田繁治氏の国家破産でも、ほぼ同様の数字でした。
吉田氏の場合は、ドルの基軸通貨は維持できないとし、
従属通貨となったドルは、1ドル60円に収斂するとみていました。
また国家(公務員)破産の場合は、円は暴落し1ドル150円~200円になると。

そうなると、国債破綻かドル基軸通貨終焉のどちらのシナリオでも、
1ドル150円になるということですね。
なんでもいいから早く円安になって欲しい(笑)。
夏以降のQE3観測で再び円高基調になってるし(泣) 。
いまの為替だと、韓国、中国と「ものづくり」で戦えない。。

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<日本の進むべき道>
著者はアメリカに振り回されない国に日本はなるべきだと言います。
反米、嫌米ではなくて離米です。
米だけでなく、中国、ロシアなど世界のどの国に対しても自立できる国になるべきだと。

そのためにはまず外交政策です。スイス、シンガポール、イスラエルと連携を強めるべきであると。
なぜか、第二次大戦後の世界の支配のルールをつくった人や国に近いから。
もちろん米とは協調していくけど、情報が米国からしか来なかったら、情報操作が見抜けません。
上記3カ国は西側だけど、米国からは自立してきました。


各国の特徴は以下。

・スイス:大航海時代からの世界の金庫。金庫だから人も物も情報も集まってくる。
ロスチャイルドやロックフェラーの金融資産もここにある。
もちろん金庫だから世界各国の王たちの資産もある。
またスイスには多くの国際機関がある。ちなみになぜスイスは永世中立国になれたか。
スイス人が戦争に強かったから。その実力は欧州全土に知れ渡り、各国に傭兵を出したりしていた。
また金庫になれたのは、17世紀の欧州全土を巻き込んだ30年戦争時に、
不戦地域のスイスに各国の王が資産を預けたのが始まり。
いつ自らの国が蹂躙されるかわからなかったから。

・シンガポール:華僑だけでなく、印僑もいる。中国、インドと伸びている国の情報がここに集まる。
またスイスの資産がシンガポールに流れている。
スイスに対する各国の公安当局のデスクローズ要請が主因。

・イスラエル:ユダヤ人の国で、アメリカに対する影響力やロスチャイルドと対等に話せる。
また軍事大国でもある。核兵器のあるなしではなく、最大の情報国家であること。
極力戦争になるまえに抑えている。武器を使わない軍事国家。情報戦で勝つ軍事国家。
戦後60年もイスラムの国に囲まれて、数度の戦争ですんでるのは情報戦の強さ。


そしてやっぱり経済力。日本の特性である「ものづくり」これしかない。
人間が生きていくには、また世界の覇権国になるには、
「水、食料、エネルギー、原材料」の4つが必要だけど日本にはひとつしかない。
それも外資に日本の山林を買い漁られている状態。
原材料とエネルギーは言うまでもない。
鉄鉱石の自給率はほぼゼロ。
エネルギー自給率は原子力を入れても18%。除くとわずか4%(IEA2008年)
(農業に関する過去記事;http://donhenley.blog.so-net.ne.jp/2010-03-22
(海洋資源に関する過去記事;http://donhenley.blog.so-net.ne.jp/2011-04-16

日本には生活に必要な資源の4つのうち3つがありません。
これは円が基軸通貨にならないかぎり、輸入のための外貨(長らくドル)を獲得せざるをえない。
これをなにで稼ぐかといえば、勤勉な日本人の特性にあった「ものづくり」大国しかない。

スティービーワンダーでSIR DUKE#59126;
Sirは卿(ナイト)、Dukeは公爵(大公)なんですが、この場合はジャズのデュークエリントンのことです。
別に彼が爵位を受けたわけではありません。SirミックやSirポールとは違います。
なんかよくわかりませんが騎士の場合は、姓ではなく名につくらしいですね^^

音楽は素晴らしい。そしてミュージックのパイオニアをドントフォーゲット。
ベイシー、ミラー、サッチモ、デューク、エラ♪偉大なる音楽と先人たちへの賛歌です。
(ミラーって誰?と思ったら、グレンミラーのことだったんですね^^)
スティービー、あなたも十分素晴らしい#59130;





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