自称霊能者に支配された561日 (廣済堂新書)

  • 作者: 千主 ひかる
  • 出版社/メーカー: 廣済堂出版
  • 発売日: 2012/04/26
  • メディア: 新書


【自称霊能者に支配された561日中島知子もかかった罠/千主ひかる/12年5月初版】

オセロ中島への便乗商売と言えば、それまでですけど。。
中島知子を取り込んだ自称霊能者というのが、どんなものか知りたくて読んでみました。

霊能者は偽者ですね。個人カルトの単なる我侭の寄生虫です。


まず支配されたほうの千主ひかるは、夫婦で霊能者に支配されました。
ひかるは元々占いやらスピリチュアルが好きな女性です。占い好きの親友から、この人は本物だ、
いろんな芸能人などの有名人を高額で鑑定しているらしい、それが格安で鑑定してくれるよ、
と紹介されます。

ダンナは自営業の普通の人で、占いとかに興味がありません。
ひかるがあんまり占いとかにのめり込んで外出ばかりするので、占い禁止令を出すほどです。
ただ映画監督になりたいという夢がある、ミーハーなところがあります。

夫婦で鑑定を受けて、自分たちが言ってほしかった言葉を言われます。
「赤ちゃんができる」とか、「将来映画監督になれる」とかです。少しの偶然も重なったようです。
偶然は思いこみだったり、カルト側のリサーチだったりします。
二人はこれは本物だ~と舞い上がります。

神のお告げとして、いろいろなミッションが日々出されます。
ヨモギ風呂に入れとか、赤い下着を着ろとか、レタスを食うなとか、
夫婦でふかひれスープを食べに行けとか。
夫婦は善良な信じやすい人間なので、与えられたミッションをすべてまじめにこなします。

やがて神のお告げで、二人の家に個人カルトが転がり込みます。
カルトはリビングでひかると一緒に寝ます。ダンナは別の部屋です。
夜はずっとマッサージをさせられたり、次々とミッションが出るので、
睡眠不足となり判断能力が低下します。
さらにひかるのメールをすべてチェックされて、友人たちとの分断工作をされます。
親類や友人との接触は、正気に戻る可能性が高いので、
私達の神の計画の邪魔をしてるので会うなと命令します。

このころには、個人カルトはダンナとひかるの分断工作も行います。
浮気してるとか、あなたには本当のベストパートナーが現れるとか、
神の言葉としてひかるに伝えます。
ダンナもある程度カルトの事を信じてるし、
なによりひかるが心酔しきってるため人質にとられたようなものです。

夫婦で次々とカルトの要求を呑んでいきます。
ただ組織じゃないので、神のお告げは壺を高額で売りつけるのじゃなくて、
歌舞伎や高価な食事や旅行に同行させられて、支払いをさせられるというだけです。

夫婦は借金までしてカルトの言いつけ(神のお告げ)に従います。
オセロ中島の場合は、億の貯金がなくなるほどなので、かなり高額な贅沢を要求されたのでしょう。。

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霊能者のIさんと、この本では呼ばれてますが、個人カルトはいったいどんな人だったのか。
両親は若いころに離婚している。母と祖母でボロボロのアパートに住んでる。
父親の愛が無いので、自分自身が強く輝こうという意識が強い。顔は美人ではない、ぽっちゃり。
相手に合わせて巧妙に自分を演出できる。カラオケがうまい(プロレベルではない)。
物まねがうまい大女優。人を喜ばせる術を心得てる。自分を被害者として見せるのがうまい。
相手をマインドコントロール下のおくと、神の言葉として自分の要求をしだす。
イタコのように自分にいろんな人が宿る姿を見せる。情報収集量、記憶力がすごい。
料理がうまい。アダルトビデオが大好き。etc.


この本からざっと読み取れる個人カルトの特徴です。
このカルトに限らず、人を支配したがるマインドコントロールしたがるタイプの人間って、
たま~にいますよね。人生で誰でも一人ぐらいは思い浮かぶ人がいると思います。

とにかく我侭で人を振り回す、人の悪口を両方に言って分断させる。
言うことを聞いておかないと、なにか不利益を被りそうで、周りはシブシブ従うという。

この不利益の部分が、「神のお告げに逆らう」にすり替わったのがカルトじゃないかと、
ぼくなりの浅い理解では思ってしまいました。


どうやって洗脳は解けたのか?
これは神のお告げで行った温泉旅行で、酒に酔ったカルトの醜態を見たからです。
コップ2杯の日本酒を一気に飲み干し、
泥酔したカルトは「○○○して~」と放送禁止用語を何度も大声で言い放ったようです。
ひかるは止めましたが周囲に聞こえるような大声で、何度も連呼したので、
ひかるとしては恥ずかしくて地獄絵図だったようです。
これが神のお告げを言う人の姿なのかと、このとき覚めたと。

ある日、夫婦で時間が欲しいので、カルトに1日外出してくれと申し入れます。
カルトはなんと6時間も家から出て行くのを粘ったそうです。
最初に優しく、次に怒り、最後は泣き出したと。
6時間後にカルトが出て行くときに言った言葉は以下だそうです。
「私のことを全部受け入れてくれる人が欲しかっただけなのに」

その後分断されていた信者と連絡を取り合い、様々なウソが発覚し、完全に目が覚めたようです。
いつの日か中島知子さんも復活して、軽妙なトークをオセロの二人で、
もう一度ファンの前で演ってほしいです。今回の件を芸の肥しにして。


それにしても、とんだ「神のお告げ」があったものです^^
GOD Must Be A Boogie MAN / Joni Mitchell ♪



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