フリー~〈無料〉からお金を生みだす新戦略

  • 作者: クリス・アンダーソン
  • 出版社/メーカー: 日本放送出版協会
  • 発売日: 2009/11/21
  • メディア: ハードカバー



近所の本屋さんでビジネス本の1位。世界のベストセラーです。

デジタル(オンライン)の製品は、遅かれ早かれ無料になっていく。
流れは止められないと提唱しています。

無料サイトは、5%ルールというのがあるそうです。
1人の有料会員が、19人の無料を支えているらしい。
無料アダルトサイトなんかは、これなのか!とか思いました。
残りの19人に対してコストが無視できるほどゼロに近いからだそうです。

無料の世界のマーケティング論で、わりと学術的な内容ですが、豊富な事例紹介をしています。
ネイチャー、サイエンス、エコノミストなどの編集者をへて、ワイアードの編集長。
膨大な実社会に即した知見があり、学者には書けない。

結局ウエブの世界の広告モデルは、ユニクロとおなじディスカウント競争の世界。
旧来のマスメディアはスペースに限界がありますが、オンラインにはありません。
クリックすれば課金されたり、金を払えば上位に行けたり。
広告手法は50種類におよび、日夜開発されています。

レガシーメディアは早晩、百科事典のようになるでしょう。


以下に目についた部分を。


<ゲーム>
ゲームの世界は唯一、箱を店頭で売るスタイルが保てているが、
10年の間に無料オンラインに変わっていく。

ワールドオブウオークラフトなどの無料ゲームは、時間をゲーム内通貨で買える。
10%前後のコアユーザーは、無理強いされず購入する。
ゲームメーカーより、ゲーム内通貨を専門で換金する企業のほうが儲かる場合もある。

オンラインゲームのルーンスケープは600万人の会員のうち100万人が5ドル/月の有料会員で、
6000万ドル/年の収入がある。ウオールストリートジャーナルの有料会員の収入と同規模で、
ニューヨークタイムスが無料化する前の収入と同じ。

アメリカの2年連続の人気No1のおもちゃはウエブキンズというぬいぐるみ。
(バーコードがついてて、オンラインで遊べる)
種類を増やしたければ、ぬいぐるみを購入する。ハイブリット。




<音楽>
音楽業界は急成長しているが、レコード業界は衰退している。
2008年のITUNEには400万曲が追加され、著作権ビジネスの幅は広がっている。
レディオヘッドの購入者に値段を決めさせたインレインボウズの平均単価は6ドル。

ライブは最も儲かる部分で、2002年の時点でイーグルスなどのツアー収入上位35位は、
CD&著作権収入の4倍をコンサート収入とした。
ローリングストーンズは収入の9割をコンサートで稼ぐ。

中国は世界の音楽産業のモデルとなる。
CDはすぐに不正コピーされるので、お金をうまないが、
無料で認知させたうえで、コンサート、スポンサー料、ウエブなどでもうける。



<人はなぜブログを書くか>
人々がブログを書いたり、WIKIやAMAZONを書いたりするのは、
社会的、精神的報酬を得るため。
無償であるが、贈与経済の一部で、そこにはコミュニティへの貢献や、
自己の成長の為が主な理由となる。
ではどうやって時間をつくるか、得るものが少ない、TVの視聴時間の短縮。


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