ヤマダ電機で電気自動車を買おう 仕組みを変えなければ温暖化は止まらない

  • 作者: 田中 優
  • 出版社/メーカー: 武田ランダムハウスジャパン
  • 発売日: 2010/07/15
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)


<自然エネルギーでの電力文明への移行>
これまで電力は貯めることができませんでした。
だけどスマートグリッドの登場で、電力を貯めることができるようになると、
自然エネルギーへの移行が可能になります。

これまではピーク需要に合わせて発電所をつくっていたので、
日本の実質稼働率は60%程度でした。
じつに40%の発電所が不要でその分のコストが上乗せされています。

国内電力価格は、米国の約3倍程度の高値です。
これは総括原価方式という総コストに適正利潤をのせて売電する方式 に由来します。
利益率が3%として仮に300億円の利益が欲しいと、コストを1兆円にすればよいだけなので、
不要な発電所や設備をつくってます。実質独占なのでどうしようもありません。

僕自身、不勉強で原子力しかないと思い込んでましたが、
千葉県沖の海上に風車群を設置すれば、国内の30%程度(東京電力並み)の供給が可能となるそうです。
そういう風力の強い場所があり、それをつくる技術もあるそうです。

あとは太陽光発電です。貯めることができないとどうしようもありませんでしたが、
蓄電できて不要な分は電力会社に売電できるスマートグリッドなら、
各家庭の屋根につければ、かなりの部分がまかなえます。

電力会社の既得権があるので、チェンジはしないでしょうが、
もしできれば、CO2の削減につながり、石油文明から脱却できます。


<電気自動車への移行>
じつは1996年の米国カリフォルニア州で、電気自動車ブームがありました。
いけるじゃないかとなったところで、世界の自動車メーカーと石油会社が、つぶしたようです。

エンジンという技術アドバンテージのなくなる、電気自動車はカーメーカーは移行したくないようです。
それで効率の悪い燃料電池車やバイオエタノール(貧しい人たちの食料)へ走ってます。

橋をつくったらフェリー会社が倒産するように、
電気自動車や自然エネルギーの新電力文明へ移行すると、
既存の企業は危機に見舞われます。飯をくうためには、必死になって延命するでしょう。

その方向が、環境や私たちにとって、良い方向なら諸手をあげて歓迎しますが、どうなんでしょう。。。



<CO2の削減>
エコの代名詞のようなCO2削減ですが、どうも各家庭でがんばっても限界があるようです。
日本のCO2の40%は、上位企業20社だけで排出してしまうそうです。

残念ながらうちの会社も入ってます。この20社がもしすべての操業を停止すれば、
明日からでも日本のCO2は現状の60%になります。

業界では、日本勢が世界でもっともエコです。結局もし我々が操業を停止しても、
よりエコじゃない会社にシェアが移り、CO2の排出はかえって増えます。

傲慢かもしれませんが、僕達にできる範囲のなかで、精一杯エコを追求するのが、
一番地球環境にいいと思っています。




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