悪の会計学 (双葉文庫)

  • 作者: 大村 大次郎
  • 出版社/メーカー: 双葉社
  • 発売日: 2017/07/13
  • メディア: 文庫


【悪の会計学/大村大次郎/11年2月初版】
風かおるゴールデンウイークいかがお過ごしでしょうか?

長い休み、家人と多少の諍いがあっても、読書メモなんか書いてると、不思議と心が落ち着きます。
ありがたいことです。

元国税調査官の裏会計の入門書。
ポップな文体で、経理知識がなくても読みやすいです。

サラリーマンはいろんな中小企業とつきあいますが、
決算が儲かってなくてもなぜか羽振りがいい社長と話があいます。
この本読んでればたぶん。

著者は脱税を発見したときにいつも思ったらしいです。
もうすこしうまくやれよ、ほかにやり方はいくらでもあるだろうと。

日本には会社が約250万社あり、7割の180万社は赤字のようです。
税務署は、粉飾決算の会社と赤字会社は避けるそうです。
(ちなみに日本の会社の90%はオーナー社長の会社)

銀行対策や公共工事関連(黒字会社が参入の条件)で黒字粉飾してる会社を見つけても、
税金を返す手続きをわざわざ国税調査官はしたくありません。
また3割の黒字会社を見たほうが断然効率的との理由で、
基本的には赤字会社は捨てざるを得ないようです。


以下に読書メモを。

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<在庫をいじって利益隠し>
基本的には法人税は、利益の40%です。(大企業は研究開発減税で平均3割程度)
ちなみに利益は単純化すると以下の式です。

売上―仕入(経費)+在庫(棚卸)=利益

在庫を少なくすれば税金が安くなります。
おもわずいじってしまう経営者もいるようですが、
ウソをつくと脱税となり追徴課税35%割増です。

で合法的な節税は、
①在庫の評価法を低価法とする(一般的に原価法より節税向き)
②経費の前倒計上:
家賃、保険料、支払い利息は「短期前払い費用」として1年内に役務の提供をうける場合に限り、
前払いOK。家賃1年分など結構大きな節税になる。



<借金返済を経費で落とす>
借金返済のかたちをとらず、顧問料などの報酬で払うと経費で落とせる。
(最初の借金は贈与控除110万円/年ですこしづつ消していく)



<裏金>
もっとも一般的なのは出張旅費。さすがにカラ出張はまずいが、正規運賃との差額は裏金になる。
役所でもやってること。あとはイタチゴッコだけど、生保のタックスシェルター(租税回避商品)での簿外資産。
役員報酬を多めに設定する。決算賞与で従業員に前倒し払いを言い含める等々。



<公私混同のすすめ>
会社でもっとも大事な数字は、

大企業の場合:利益
・株主を満足させる
・株価を上げて企業価値を高める
・社会的信用を得る

中小企業の場合:社長が自由に使える金の額
・利益を出すと4割も税金でとられる
・いざというときは、社長の資力がモノをいう

で社長の個人的な支出を、合法的に会社の経費で落とすことが大事です。
コンビニ弁当(夜食として)、家族旅行(事業に関連する視察名目)、車や家電(業務にも使う名目)等々。


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