官僚の責任 (PHP新書)

  • 作者: 古賀 茂明
  • 出版社/メーカー: PHP研究所
  • 発売日: 2011/07/16
  • メディア: 新書


<官僚の責任/古賀茂明/11年6月初版>
今週のくまざわ書店の新書1位。「日本中枢の崩壊」も38万部売れてるとか。
経産省のキャリア官僚でありながら、公務員制度改革派の旗手として有名な著者。
昨年秋に仙石から参議院予算委員会で恫喝を受けた人物としても有名です。

霞ヶ関の役人は、自分の利益や省の利益になることはするが、国益になることはしない。
入省すると一生おなじ省にいるので、これが弊害。
省をローテーションする仕組みを作れば、省益でなく国益を考える役人となるはず。

公務員制度改革の審議官として、
経産省キャリア官僚として国家の中枢で国益第一に考えた経験から出る言葉は、
迫力があり得がたいものです。

しかし思想が合わない。

まず財政破綻論者。
日本はデフォルトしない、との考えが一般的になってきているのをご存知ないのでしょう。
(日本の問題はデフレ。復興債発行⇒日銀引受⇒円の希薄化⇒円安がいい。
日銀の円売りドル買い介入は、米国債を増やすだけになるのでやめるべき)

次にTPP参加論者。
どうもトラウマがあるようで、
外圧でしか日本の既得権益集団は変わらない、と考えているようです。
それって戦後サヨクが特亜と組んでやってきて、
今の悲惨な状況になってることを、繰り返すことになる?
小悪憎しで大悪を引き込んでどうするのか。。
(TPP=農業としか理解できてない)

さらに増税論者。
インフレ時はいいですが、デフレ時に増税すればどうなるかくらい、
近代マクロ経済史の本でも読んで欲しい。

そういえば、野田新総理も財務省の犬です。
財務省、マスコミ、内閣一体となった増税路線です。
ますます超円高になります。財務省(政府)の借金は日本国民の資産です。
国の借金ではありません。政府、民間あわせた日本国としては、世界最大の金持ち国(債権国)です。

ただ財務省としては借金になるので、省益としてや出世のために増税したいのでしょう。
なんせ国税庁(財務省の外局)を握ってるので、政治家もマスコミも誰も逆らえません。

最後にエネルギー政策も、経産省と東電のずぶずぶの関係を批判するのはいいのですが、
再生可能エネルギー1本槍は理想論すぎます。新内閣も原発新設はしない方針です。
これが逆に危険すぎるのです。

老朽化した原発+火力+新エネルギーは効率が悪いし原発が危険です。
新設原発(新設後老朽原発は速やかに解体)+火力+新エネルギーとするべきです。

仙石に恫喝されたので、単純に応援してましたが、思想というか立ち居地がよくわかる1冊でした。
そういう意味では意味のある1冊です。



日本を覆ういろんな問題、時間が解決してくれたらいいですね。
ローリングストーンズで、タイムイズオンマイサイド



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