グレイトフル・デッドにマーケティングを学ぶ

  • 作者: デイヴィッド・ミーアマン・スコット
  • 出版社/メーカー: 日経BP社
  • 発売日: 2011/12/08
  • メディア: 単行本


<グレイトフルデッドにマーケティングを学ぶ/D.M.スコット&B.バリガン/11年12月初版>
クリスアンダーソンの世界中でバカ売れした「フリー」ってあるじゃないですか。
(過去記事:http://donhenley.blog.so-net.ne.jp/2010-04-03

グレイトフルデッドは昔からフリーミアムをやっていたので、
米国で最も成功したツアーバンドになったという話です。利他的なものは、人を魅惑しますよね^^

ガースブルックスとアラバマとグレイトフルデッドは、
人気(評価)の日米ギャップが激しい3大ミュージシャンだと思います。

米国内のアルバム売上が1億枚を突破してるのは、ビートルズ、ツェッペリン、イーグルス、
プレスリー、ガースブルックスのみです。ちなみにアラバマは85百万枚。

グレイトフルデッドは95年にリーダーの死去で解散するまで、
コンサート収益は常に米国内の1位~2位でした。

アラバマとガースはよく聞いてたのですが、グレイトフルデッドはこの年になるまでスルーしてました。
なんか掴みどころがなかったので(笑)。今回この本を読むに至ってツタヤでCD借りてずっと聞いてました。
これでぼくも立派なデッドヘッズかなぁ。
あ!長年ぼくは「偉大なる死者」と思ってましたが、「感謝する死者」だそうです。
アホでした#59124;

<どんなところが普通のバンドと違ったのか?>
・当時レコードが主な収入源の時代に、ライブで稼ぐビジネスモデルを築いた。
・ライブの録音と撮影は、ほとんどのコンサートで禁じられているが、
彼等はファンに録音を許可し、良い音質で録音ができる場所に機械をセットできる、
「テーパーセクション」を設けた。
・ブランド管理をゆるくし、誰でもグッズを販売できた。
・ファン同士のテープの交換を許した。
・チケット販売事務所を自前でつくった。これによりダフ屋やチケット屋が高額で券を販売するのを防ぎ、
熱心なファンに優先的に良い席を販売した。
・ヒッピードラッグカルチャーの中心で、観客が主役のコンサートを続けた。
お祭りのようなもので、聴覚障害者のファンも多くいた。
彼等は「デフヘッズ」と呼ばれ、手に持った風船の振動で音楽を感じるのだ。

ある意味阪神ファンのような連帯感のあるデッドヘッズには、多くの著名人がいる。
オバマ、クリントン、ゴア、ラリーページ、スティーブジョブズetc.


ちなみにこの本には、グレイトフルデッドがとった19のマーケティング戦略が描かれ、
それぞれ2011年時点での米国企業のマーケティング戦略をケーススタディとして併記しています。
もし「フリー」を読んでるのであれば、特に目新しく感じるところは無いです。

それにしてもアルバムのセールスが、ダウンロードとレンタルで崩壊して、
音楽業界がコンサート収益とグッズの収益で食っていかざるを得ない時代になった今、
それを60年代からやっていたというのは、先見の明ありか。

商売としては成り立ってるけど、AKB48のようなCDの売り方は疑問を感じます。
選挙のあとに大量に廃却されるCD。それは音楽なのかおまけなのか。
かれは音楽の神様に背を向けた、悪魔の友達なのかもしれません。


グレイトフルデッドでFriend of The Devil




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