それ、パワハラです 何がアウトで、何がセーフか (光文社新書)

  • 作者: 笹山 尚人
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2012/07/18
  • メディア: 新書


【それ、パワハラです/笹山尚人/12年7月初版】
パワハラって最近の言葉ですよね。若いときは普通にパワハラ受けてました(笑)。
コーチングが流行り、後輩を褒めて伸ばそうとしはじめてから、
パワハラという概念が出始めたような気がします。 個人的な感覚ですが。

僕の場合は2006年以降に、会社の研修で延べ約30時間ほどのコーチング研修を、
某社員教育会社から受けました。

今の40代のおじさんはそういう意味では後輩に優しい。
サービス残業もコンプライアンス上の問題から一掃されました。
(駅の改札のようなところを通りICタイムカードが反応する。
タイムカードを押したあとでの残業ができなくなった)

今の20代は楽かもしれません。基本的に上司はコーチングスタイルで接しようとするし、
残業が多いと減らすように指導があるし、サービス残業はコンプライアンスの観点から禁止です。

ただ適度な残業や上からのプレッシャーは、人を成長させ器を大きくする気がします。
若いときの苦労が多ければ、少々のことでは動じなくなります。
モンキー・D・ルフィーのようにいつもニコニコ泰然自若です。
その意味では今の体制は若手の成長の機会を奪ってるような気もします。

この本は、パワハラを専門に扱う弁護士が書いた本です。
「行列のできる~」のようないろんな事例が出ています。
それなりに参考にはなりますが、文章が法律家の書いたものなので、
僕レベルでは固くて読みにくかったです。

wikiで見てみると、厚労省の指定法人が啓発ポスターで提示しているパワハラの類型は以下。
1. 公開叱責(多数の面前での叱責)、人格否定
2. 感情を丸出しにするモンスター上司、給料泥棒呼ばわりする
3. 退職勧奨や脅し
4. 無視の命令
5. 困難な仕事を与えて低評価にする、過剰なノルマ
6. パワハラの訴えを聞き流す

公開叱責、モンスター上司。むかしは普通でしたが、だいぶ少なくなりました。
もしパワハラを受けてる人がいれば、ICレコーダーで録音→youtubeにアップ→2chスレッドで、
一発で撃沈の時代です。企業はなによりイメージを大切にするので、スキャンダルを嫌います。

ただし相打ちなんですよね。アホな上司のために自分の出世を棒にふる。。
そういう意味では、辞める気になればいくらでも告発が出来ます。
若手で次の職場を見つけた者は怖いものがありません。
上司もそのへんは分かってるので、
絶対に辞めそうにないところをスケープゴートにしてるのかもしれません。

平成23年度の労働局へのパワハラ(職場のいじめ、嫌がらせ)相談件数は4万6千件です。
いかに多くの人が苦しんでいるか。とくに精神疾患を患い社会と何年も関われないことは、
人生の多大な損失です。裁判や労働審判で数百万円の解決金を得たところで、
人生を取り戻せるわけではありません。



パワハラではなく、「人格を尊重して、人々に力を♪」ジョンレノンでPower to the people



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