10万人に愛されるブランドを作る!

  • 作者: 中田 華寿子
  • 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
  • 発売日: 2012/04/20
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)


【10万人に愛されるブランドを作る/中田華寿子/12年5月初版】
学者じゃなく実務派の日本人が書いたブランド理念に関する本を読んでみたいと。著者は電通に入社後、スタバックスジャパンの立ち上げに参加し、マーケティング部から広報室長、執行役員とスタバの日本市場での拡大、浸透に携りました。2008年からは、ライフネット生命のマーケティング部長。

このライフネット生命、まったく知りませんでしたが、強烈なブランド理念を持つ会社です。

「20代から40代前半の若い人たちが、安心して子供を産み育てるこどができるように保険料を半額にする」

ネットだけで運営して、コストを極限まで下げて従来型保険の半額で保険サービスを提供します。ネット環境の無い50~60代の顧客から紙の資料や申し込みを要求された時も、涙をのんで断っています。ここで紙での申し込みを受け入れてしまうと、手作業で対応するスタッフと時間が必要になり、その分保険料が高くなる。契約は1件でも欲しい。社内で議論を繰り返したそうですが、創業時のブランド理念である「ネットを活用し、コストを抑え、保険が本当に必要な20代から40代前半に安い保険を提供したい」という想いを優先し、「No」という結論に達したと。

日本の生命保険市場は40兆円超。ここに知名度なし、予算なし、大手競合ありの三重苦でライフネットは参入しました。まず知名度ですが、独立系生命保険会社としては74年ぶりの開業だったそうです。新興保険会社はこれまでもソニーやオリックスがありますが、親会社の知名度が圧倒的でした。次に予算ですが生命保険会社を立ち上げるのに必要な資本金の相場が100億円だそうです。これに対して株主からの資本金は132億円。ある意味ギリギリの資本金レベルで、広告宣伝費に大きな予算はかけられません。最後に大手競合ですが、すでに先行は43社もあり、最大手の日本生命の営業職員数は5万人、ライフネットは44人です。

一言でいうと、ビジネスモデルとブランド理念の勝利です。認知されれば、一定層には必ずニーズのある保険会社です。認知されるためには、とにかくマーケティング。だけどTV広告を打つ予算が無い。
・還暦で起業した社長がツイッターでつぶやきまくる
・10名以上集まれば、全国どこにでも社長か副社長が講演に行く
・社員とスタッフの3分の1以上がソーシャルメディアを活用する
・社員総出でチラシを配る
etc

低予算で宣伝が出来るインターネットを最大限に活用しています。なんていうかアイデアと手作り感満載の広報宣伝活動です。

BtoBの製品サービスでのブランド理念進化には、手法的には参考になりませんが、ブランド理念というものが何者にも勝るということだけは、よく理解できた1冊でした。


以下にその他の読書メモを。

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<コトラーのマーケティング3.0>
マーケティングは消費者を取り巻く環境によって、ほぼ10年単位でその性格を変えてきた。80年代は消費者の物質的ニーズが圧倒的に高く、そのニーズに合った商品をマス広告を大量に投下して訴求したマーケティングの時代。「生産中心のマーケティング1.0」の時代。90年代は消費者の志向や価値観が多様化し始めた時代。消費者をセグメント化し、きめ細やかな商品ラインナップを充実させた「顧客志向のマーケティング2.0」の時代。

「マーケティング3.0」21世紀はどうなったか。消費者は商品だけではなく、企業やブランドの姿勢を見るようになった。商品の優位性の競争は、技術革新を経て行き着くとこまで到達し、大きな差異化が容易にできなくなったから。今の消費者は、商品だけでなく、企業の日常的な立ち居振る舞い、その企業の「人格」も、購買の重要な判断材料とするようになった。



<AIDMAとは>
従来のマーケティングで、見込み客層がその商品の購入を決定するまでに至るプロセスをAIDMAという枠組みで捉えていた。注目(アテンション)⇒関心(インタレスト)⇒欲求(デザイヤ)⇒記憶(メモリ)⇒購入行動(アクション)という一連のプロセスで消費者はモノを買う。そのフェーズごとに効果的で訴求力のあると思われるメッセージを発信することが重要という考え方。今日の消費者行動は、その行動様式を変えつつある。



<スターバックスの行動指針>
2009年3月まで使われていた、スターバックスの全世界共通の従業員行動指針(ミッションステートメント)は以下。これはマニュアルではない。常に「どうすべきか」と考える際の拠り所になるのがミッションステートメント。

・(従業員)働きやすい環境を提供し、社員が互いに尊敬と威厳を持って接する
・(多様性)事業運営上の不可欠な要素として多様性を積極的に取り入れる
・(商品の品質)コーヒーの調達、焙煎、流通において、常に最高レベルを目指す
・(サービス)観客が心から満足するサービスを提供する
・(地域社会)地域社会や環境保護に積極的に貢献する
・(収益性)将来の繁栄には利益率の向上が不可欠であることを認識する


オレとコーヒーショップで会ってくれ#59126;
駐車場で口でしてくれ
ホテルのベッドに連れて行ってやる
イギーポップみたいに踊るぜ

レッチリでコーヒーショップ♪





One Hot Minute

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