【図書館奇譚/村上春樹/14年11月25日初版】
お、村上春樹の最新刊や。こんなん知らんで。新刊の予定あったん?

新刊と言えば新刊でしたが、「カンガルー日和」に収録されてた作品に手を入れて、絵本になって出た作品でした。カンガルー日和は2~3回読んだ記憶があるのですが、作品の記憶はうっすらとしか残ってません。





あらすじは、僕がオスマントルコ収税政策について図書館に調べに行きます。すると持出禁止と言われて、地下の閲覧室に強引に連れていかれ、閉じ込められてしまいます。

そこでは本をたくさん読まされます。本を読んで知識の詰まった脳は、とろりとしてつぶつぶがあっておいしいとのこと。1か月後にはおいしくなった脳をちゅうちゅう吸われてしまいます。

僕はそこで美少女や羊男に出合い、助けられ脱出を図ります。さて、どうなるのでしょう。

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図書館奇譚には4つのバージョンがあるそうです。1つめは1982年6~11月にかけて百貨店のPR誌に掲載され、他の短めな作品と一緒に1983年9月に「カンガルー日和」として出版されたもの。

2つめは「村上春樹全作品1979~1989」に収録する際、せっかく違うフォーマットで出版するのでと手を入れたもの。

3つめは2005年に日本で絵本化の企画がでて、子供向けにリライトしたもの。

4つめはちょっとややこしい。

2013年にドイツの出版社がドイツ人画家に新たに描かせた絵本版に関係します。文章は3つめがテキストになってる。この本は世界各国で出版され、スペイン語、イタリア語、ヘブライ語、チェコ語、フランス語、中国語、韓国語に翻訳されたそうです。

今回ドイツ語版絵本の日本での出版時に、1つめの文章にあらためて手をいれ、ドイツ語版絵本の絵の雰囲気に合わせ書き直した。それがバージョン4とのこと。

この作品はなぜかイラストレーターの創作意欲をそそるらしく、現在アメリカとイギリスで、それぞれ異なったデザインでの「図書館奇譚」プロジェクトが進んでるそうです。アメリカ版はおしゃれにスーパーポップ、イギリス版はため息をつくくらい緻密に知的に仕上げられてると。

なんやえらいワールドワイドっすね^^;



イラストレーターの気持ちわかります。村上春樹といえば羊男ですよね。何度もいろんな作品にでてくる。読んでるときに、羊男ってどんな格好してるんだ?と常々思ってました。今は羊男に慣れてしまって、想像すらしないのですが、はじめて村上作品にふれたときは、羊男の姿を頭の中で何度も思い描いてました。

で、今回ひつじ年やし、みなさんの思い描く羊男と、ドイツ人の考える羊男と、どれだけ違うか。比較のためフォトを貼っておきます。

(ドイツ人の描いた羊男)


「これや~、オレの思った通りの羊男や~」という方もいらっしゃるでしょうし、
「ちゃうちゃう、こんなんちゃうで~、やっぱ佐々木マキverがええわ~」という方もいらっしゃると思います。

(普通の佐々木マキverの羊男)




ひつじ年にあたり、羊男のイメージをお送りすることで、
新年のご挨拶とさせて頂きます。<_ _> メエ~


ひつじ年ということで、ベタですが、ポールのラム・オンを♪ 



図書館奇譚

  • 作者: 村上 春樹
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2014/11/27
  • メディア: 単行本



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