ぼくの交遊録的読書術

  • 作者: 嵐山光三郎
  • 出版社/メーカー: 新講社
  • 発売日: 2015/02/24
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)


【ぼくの交遊録的読書術/嵐山光三郎/15年2月】

嵐山光三郎の書評集。
過去の「週刊朝日」連載の書評関連記事、文庫や書籍に寄せた解説文からセレクトし、加筆したもの。

新刊の読書術やら書評集なんかが出たら、つい読んでしまう。
プロの書評レベルって、どんなものなのかと。

嵐山光三郎のことはほとんど知らないけど、
むかしよくテレビに出てたタレントで、とても好印象の人だった。
新卒で平凡社の編集を経て独立。以降は作家、エッセイスト、書評家として活躍。

ボツ本にするつもりだったのですが、
書評に関する一家言がおもしろかったので、読書メモを。



・日本で原稿料だけで生活してる人は100人前後。
作家の多くは教師、講師、編集者等さまざまな仕事と兼業している。

・売れるのは数万冊のうち1冊。

・書評はそのほとんどが新刊紹介。

・嵐山光三郎は週刊誌の書評ページ等で、年間30編x35年=1000編以上書評を書いた。

・週刊誌の書評は1回に800字が目安。

・内容を簡単に紹介して読みどころをおさえつつ、読者の興味を刺激する。

・新刊書評は、読んだ人がすぐその足で書店に買いにいきたいと思わせなくてはいけない。

・書評がキャバレーの呼び込みと似てるのは、
客の耳元で低い声で「お客さんいい子いますよ」とささやくことである。
声高になると客は敬遠する。



・本は生まれたての子のようなもので、本をけなされると人格を全否定された気になって、
怒りはおさまらず、生涯の敵になる。書評は恐ろしい行為である。

・読売新聞の書評委員は、大学教授、文芸評論家、作家、詩人、科学者などの、
各界の専門家で構成され、月に1回読売新聞社の会議室に集まる。
会議室には1か月分の新刊が山とつまれ、テーブルを順番に廻ってくる。
その中で書評でとりあげたい本を1、2冊申告する。
同じ著者の本は1年1回というルールや、取り上げる本に関する意見が出たりするので、
そういった調整をするための会議であった。

・書評の原稿料は安く、時間をとられる。書評だけではもちろん生活できない。

・ではなぜ書評するのか。読売新聞の書評は権威だった。
書評欄に取り上げると、小出版社ほど予想以上に喜ぶ。

・週刊現代の書評連載時は、編集者から毎日段ボールで新刊本が届いた。
「乞御高評」や「謹呈 著者」の献本がやたらと送られてくる。

・書評が出た、ということだけで筆者も版元も湧き立つ。
中にはひとつの書評も出ずに、初版でわびしく去っていく本もある。



なるほどねぇ。読んで思ったことは3つ。

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まず1つ目は文字数の事。

800字が目安ですか。自分のブログ記事は何文字書いてるかわからない。数えた事もなかった^^;
ぼくはオープンオフィスの「Writer」で書いてます(フリーソフト)。

記事はできるだけ、3~5個はストックするようにしてる。
今ストックしてる記事4つの文字数をカウントしてみました。
「Writer」の文字数カウント方法は、ツール⇒文字カウントで簡単に出ました。
だいたい2000~4000文字/1記事ぐらい。ちなみにこの記事は3679文字。

一般的な書評からすると、長文すぎるかもしれません。



2つ目、僕のサイトは書評じゃなかった。

嵐山氏の本を読んでわかったこと。書評って本を売るためなんですね。
「本を聴く日々」は読書メモです。目的が違うので書評とは言えない。

新聞の書評欄は好きでした。1年ほど前に新聞止めたので最近は読んでません。
この前読んだ本に書いてましたが、もう2人に1人は新聞を読んでません。
影響力は徐々に落ちてくるんだろうなぁ。

「ここのサイト」によると、
若年層の新聞購読率は惨憺たるものになってます。
10代……3.6% 
20代……9.2%
30代……25.3%
40代……34.6%
50代……51.0%
60代……58.7%

「ここのサイト」によると、
本は20代、30代がたくさん買ってると思われる。自分が本を買ってたのも20~30代だった。
新聞の書評欄は、ターゲット層にリーチできてない。

書評欄を読んでて思うのは、「こんな本があるんだ」ということだけです。
有用な情報が書かれてない。寸止め生ごろしです。買って読めということ。
もうちょっとサービスしてくれてもいいと思うけど。

最近は、多くの読書サイトが内容のまとめ紹介をしています。
その中には、1つの記事に1つ以上有用な情報が書かれてるサイトもある。
新聞書評読むんだったら、そういうサイトのほうがサービスがいい。

こんな本があるんだというのは、「ここのような」新刊情報サイトを見てたら十分かと。


一番いいのは、本屋に寄って読みたい本を探すことです。
視覚から入ってくる情報量が、圧倒的に違う。

忙しい人はなかなか本屋に行けないと思うけど、
読みたい本を自分で探し歩く時間は、とても楽しい時間です。



3つ目、ライターはまったく食えない。

「ここのサイト」によると、800文字100円だそうです。
仕事としてサイト運営してる人たちが、クラウドワークスやランサーなどに外注記事作成を頼むと、
800文字で100円。在宅ライターさん(おもに主婦)がいて、記事を納品してくれるそうです。
クラウドソーシング会社っていうのは、派遣屋みたいに中抜き商売なんでしょうね。

作家が食えないという以前に、テキストに価値がなくなったのでしょう。
音楽や動画もそうですが、タダで面白いものがネットにゴロゴロ転がってる。

ふと自分のブログ文字数でカウントすると、1記事300円として、1か月2400円の文字数です。
う~ん、在宅ライター搾取されすぎ。ああ野麦峠・・・

どうせ書くなら自分でブログやったほうが、数倍リターンがあります。

アドセンスとアマゾンの合わせ技で、ソネブロだったら1日1000人の訪問者を集めると、
CTR1%のサイトなら、1か月で諭吉さん前後にはなります。
2000人なら諭吉2人、500人なら一葉1人。基本的に比例します。

CTR(クリック率)は、広告配置とテーマに左右されます。
広告配置は僕と同じにすれば大丈夫でしょう。
(ソネブロだったらこの配置がベストか。配置のトレンドはよく変わるので研究が必要)
テーマは、ITリテラシーの高い人が集まるものは、CTRが低くなると言われます。
これはテーマを変えたことがないので、僕には違いがわかりません。


在宅ライターするなら、自分でブログやったほうがいいと思う。
人が集まってきて、自分が興味を持てるテーマを探すこと、
そのマッチングが一番難しいとは思いますが。




あなたを愛してるという本なら書ける♪
それを読んだら世界中の人が発見するだろう♪
友達を恋人に変える方法を♪


そんな本読んでみたいですね^^
I Could Write a Book♪ マイルスデイビスのリラクシンで最初に聴きましたが、トニーベネットで。




関連記事:
【5年後、メディアは稼げるか/佐々木紀彦/13年8月初版】
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【大人のための読書の全技術/斎藤孝/14年7月初版】
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【Google AdSense 成功の法則57/染谷昌利/14年7月初版】
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【できる100ワザ Google AdSense 必ず結果が出る新・ネット広告運用術/染谷昌利/14年10月初版】
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【文章読本/谷崎潤一郎/1934年初版】
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