社長、その商品名、危なすぎます! (日経プレミアシリーズ)

  • 作者: 富澤 正
  • 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社
  • 発売日: 2015/05/09
  • メディア: 新書


【社長、その商品名、危なすぎます!/富澤正/15年5月初版】
「コラ・コーラ」と名付けた清涼飲料水を販売して、
裁判になった事例があるそうです。

パクリの商標をつけると、警告書が届いたり裁判になったりします。
裁判で負けると、損害賠償の支払いやパッケージや看板の総取り替えにつながったりする。

最近では鳥貴族にそっくりで、10円安い鳥二郎が訴えられてます。
まぁこれは確信犯だと思うけど。



特許庁への鳥二郎商標に対する異議申し立て(鳥貴族側から)は、認められませんでした。
どうみてもアウトだと思うのですが、鳥貴族かわいそうに・・・
今後は大阪地裁への裁判がどうなるか。これもちょっと無理っぽいかも^^;

一度鳥貴族と鳥二郎を食べ比べてみたい^^

本書は商標権について、身近な具体例をあげて解説した本です。
商標権とは知的財産権という権利の一部です。
会社の基本契約書なんかでよく出てくる、知的財産権とは何か?



<知的財産権とは>

特許権:
保護対象は発明。工夫の程度の高い新しいアイデア。
物、方法、物の生産方法の3つのタイプがあり、方法はビジネスモデルも保護できる。
出願から20年で権利が切れる。出願から登録まで1年以上の審査期間が必要。


実用新案:
保護対象は考案。発明ほど高度でない。保護されるのは物の形に限定される。
無審査で登録される。出願から10年で権利が切れる。出願から2か月で登録される。


意匠権:
保護対象は物の形状、模様などの斬新なデザイン。
独創的な外観、デザインをもつものが意匠登録される。
登録から20年で権利が切れる。出願から登録まで1年以上の審査期間が必要となる。


商標権:
保護対象は、自他の商品やサービスを区別する「目印のマーク」。
登録から10年で権利が切れるが、10年後に更新をする機会があるので、
これを続けることで長年権利を持つことが可能。


著作権:
保護対象は文学、学術、美術、音楽の範囲に属するもの。コンピュータプログラムも含まれる。
原則として創作時から著作者の死後50年で切れる。法人著作は公表後50年で権利が切れる。

その他の読書メモを。

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<麒麟のマーク>
麒麟のマークは1907年に登録された。
明治時代には麒麟のマークの偽物が多かった。
そこでキリンは本物と偽物を区別するために、麒麟の毛の中にカタカナで、
「キ」「リ」「ン」の文字を細かい文字で忍ばせた。
当時は印刷技術が進んでいなかったので、他の会社は細かな文字を印刷できなかった。
この文字で消費者は本物と偽物が区別できた。
現在のロゴにも「キ」「リ」「ン」の文字はあるので、機会があれば探してみて。





<魔女の宅急便>
宅急便はヤマトの登録商標。
アニメ制作にあたりスタジオジブリは、タイトルは問題とならないが、
配慮してヤマト運輸に話をつけ、作品のスポンサーになってもらった。

⇒そういえばクロネコが出てますよね。





<東京特許許可局>
特許出願や商標登録出願は「特許庁」に提出する。
クイズをすると以下に○をする人が多い。
・特許出願は東京特許許可局に行う⇒○
・特許出願は県庁に提出する⇒○



<立体商標>
コカ・コーラの瓶やヤクルトの容器は誰が見ても商品を判別できるので、
登録が認められた。サントリーの角瓶も立体商標として出願されたが、認められなかった。
この判断は、弁理士業界でも難しいとされる。



<特許情報プラットフォーム>
商標が登録されてないか費用をかけずに調べる方法。
「特許情報プラットフォーム」で、「商標出願、登録情報」を検索する。
自分が思いついた商標とその商標を使う商品・サービスを特定して調査する。
漏れがある可能性もあるので、確実にリスク回避したい場合は特許事務所を使うこと。



<G-SHOCK>
カシオは他社からマネされないため、商品「時計」について、
「A-SHOCK」「B-SHOCK」「C-SHOCK」・・・「Z-SHOCK」まで、
すべてのアルファベットを登録した。




The B-52'sでラブ・シャック♪ 89年のヒット曲。
ずっとラブ・ショックだと思ってました^^ シャックは「掘っ建て小屋」。

愛の掘っ建て小屋にみんな集まって、乱交パーティしよう♪

なかなかハードコアな歌です^^;



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