「ポッキー」はなぜフランス人に愛されるのか? 海外で成功するローカライズ・マーケティングの秘訣

  • 作者: 三田村 蕗子
  • 出版社/メーカー: 日本実業出版社
  • 発売日: 2015/03/21
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)


【ポッキーはなぜフランス人に愛されるのか?/三田村蕗子/15年4月初版】

お菓子たべてますか?
家ではほとんど食べませんが、会社には持ち込んでみんなに配ってます。
まぁ、ある種のコミュニケーションツールです。

いろんな種類を食べてますが、いま机の中に入ってるのは、
亀田のカレーせんべい、サクマドロップ、キットカットチーズケーキ味。

「○○さんはカレーが大好きなんですよ」という話を聞いて、
カレーせんべいは常備しました。

サクマドロップは、セツコの話をしながらみんなに回してます。
空き缶になったら、「水入れて飲んでええよ」



キットカットは美味いんですよね^^

本書の概要は以下。

『ポッキー、ハイチュウ、カラムーチョ、じゃがビー、柿の種、ベビースターラーメン・・
なぜ日本のスナック菓子は海外で人気なのか?

江崎グリコの「ポッキー」はヨーロッパやアジアを中心に、
海外30か国で年間2億箱を売り上げています。
フランスでは「ポッキー」は「ミカド」という商品名で売られ、
持つところがあり、手が汚れない「形状」が受け、ロングセラーとなっています。

また、森永製菓の「ハイチュウ」は、日本人メジャーリーガーがアメリカに持ち込み、
爆発的なヒットにつながっています。
ガムでもない、キャラメルでもない不思議な食感が人気の理由です。

お菓子ほど日本の製造業のよさが凝縮された産業はない。
小さな商品だが可能性は大きい。単価は安いが将来性は高い。
日本のお菓子が切り開く海外戦略の道 』

以下に読書メモを。

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<日本のお菓子市場>
1992年の生産額2兆6000億円をピークに減少に転じ、
2013年は2兆3000億円まで落ち込んだ。

1世帯あたりの年間菓子支出金額は、1992年の8万9414円から、
ここ数年は7万6000円前後だ。



<米菓メーカー>
米どころ新潟には米菓メーカーが集中している。
亀田製菓、栗山米菓、ブルボン・・・
日本の米菓売上の約7割はこうした新潟のメーカーで占められている。



<DORAYAKIが世界共通語となる日>
甘く煮た豆=アンコは、日本人にとっての「砂糖を入れた緑茶」とイコールで、
一般のアメリカ家庭では気味悪がられる。顔をしかめて誰も食べない。
しかしアジア系の人には受け入れられる。ターゲットは世界のオリエンタルマーケット。

2014年の夏から全米でアニメ「ドラえもん」のテレビ放送がスタートしたものの、
現地での食習慣に合わせて、ドラえもんの好物がどら焼きからピザに変更された。



だが、ほかの世界35か国で放送されたドラえもんでは、どら焼きがそのまま登場している。
アニメの影響で、どら焼きに興味を持つ消費者は世界各地で着実に増えた。

冷めたご飯を嫌うアジアの人々が、千と千尋の神隠しを通して「おにぎり」に興味を持ち、
トライするようになったように、アニメの力は侮れない。



<ロイズの生チョコ>
海外進出したのは2001年。高島屋のシンガポール出店に誘われて出た。
今はシンガポール、中国、アメリカ、ロシア、ブルネイ、UAEなど14の国に70の店を構える。
ニューヨーク店が好調。ニューヨークにはチョコレートの選択肢が豊富にあるが、
生チョコはいまのところロイズだけ。NYタイムズでも紹介された。



<ヨックモック>
ドバイでヨックモックのシガールが大ブレイク中。
日本からの輸入なので日本の2.7倍の価格で販売されている。
アメリカ、タイ、台湾、UAE,香港、マカオに進出。

毎日のように世界各地から商品を取り扱いたいというオファーが来ているが、
ヨックモックの理念を共有できるパートナーかじっくり確認してから対応している。



<ビアードパパ>
海外17か国に230店。アジア以外にもロシア、アメリカ、カナダ、ニュージーランド、メキシコ・・・
国内同様フランチャイズ制度を採用している。
やりたい人は多いが、日本と同じ味を再現できる人に絞っている。

シュー生地は日本から送っているが、中のクリームについては現地で材料を調達して、
店頭で生地に詰めている。クリームの味はミルクと卵で決まる。材料選びを間違えると大変。

店舗には必ず工房を設け、客の目の前でクリームを詰めできたてを提供する。
人間の五感を刺激する。店の清潔さや従業員の態度も重要。

インドネシアには18店を出店している。
現在のインドネシアの平均月収は約3万円、パイシュークリームの価格は150円。
30個単位で買っていく人が多い。
日本に置き換えると、月収20万円の人が1個1000円のお菓子を一度に30個、
3万円分も買っているようなもの。
家族のニーズを優先するお国柄で、ビアードパパのブランドが浸透しているので、
家族に買ってきて言われて空港で買い求める人が多い。



<世界一の即席めん企業>
いま世界では年間1050億食の即席めんが生産されている。
このうちサンヨー食品グループは約2割に当たる200億食を生産している。
もちろんトップシェア。サンヨー食品は「サッポロ一番」ブランドでおなじみ。

サンヨー食品は中国最大手の食品飲料メーカー、カンシーフと共同経営している。
カンシーフの売上は1兆円強。33%出資しているサンヨー食品のもとには、
毎年60億円の配当金が入ってくる。

サンヨー食品はカンシーフ以外にも技術供与している。イギリスのケロッグ、インドネシアのサリム。
アフリカにはナイジェリアに5億食まで生産可能な即席めんの工場を設けた。
アフリカでのシェアは現在3位。



<旺旺集団と岩塚製菓>
旺旺集団は岩塚製菓の力を借りて米菓製造に乗り出し、食品メーカーとしての基礎を築き、
世界を股にかけたグローバルカンパニーに成長した。56か国に進出し従業員は5万人。
2013年度の売上は約4600億円。旺旺集団は総合食品メーカーになった。
台湾の米菓市場の9割、中国大陸のシェア75%を押さえる。

台湾の蔡さんは、1980年水産物の買い付けで来日した際、
せんべいにクリームやチョコをサンドした「サンフレンド」を食べてその味に感激。
岩塚製菓に技術指導を飛び込みで申し込む。
岩塚製菓の槇創業者は64歳、蔡さんは24歳。
何度も依頼しては断られるを繰り返し、槇さんは蔡さんに3つの約束を提示する。
①いつまでも岩塚製菓の技術指導を受けること
②岩塚製菓が指定した機械設備を使うこと
③岩塚製菓が指定した原料を使用すること

この3つの約束は口頭で交わされただけで、書面には記されてない。期限もなし。
お互いの信頼関係だけをベースにした約束だった。

この約束を旺旺集団の蔡さんは本当に守った。
岩塚製菓の槇さんが亡くなった今も守り続けている。
旺旺集団の米菓のパッケージに描かれている「旺旺集団と岩塚が手をつないでるロゴ」は、
3つの約束が守られている何よりの証。
毎年岩塚製菓のもとには、旺旺集団か20億円の配当金が入ってくる。



<中国で再ブレイクした不二家のポップキャンディ>
由紀さおりのように、再評価されたお菓子。
不二家のポップキャンディ、中国名「棒棒糖=バンバンタン」

(家の冷蔵庫に1本ありました^^)


日本のお菓子マーケットではわき役だが、中国では家庭や職場、パーティなど、
さまざまな場所で脚光をあびた。売上は毎年150~200%のペースで伸び続け、
過去9年間で50倍に膨らんだ。

不二家は2002年に中国に進出し、ミルキーやソフトエクレアなんかを売るがまったくダメ。
売れない。2007年に投入したポップキャンディが窮地を救う。

価格は1本1元(約18円)。とくにコンビニで大人気で1本単位で売れていく。
最初はぱっとしなかったが、メロンとオレンジ味を出したらいきなり売れるようになった。
日本では受けない味。好みが違うので味は中国人に決めてもらうようにした。


わたしはとっても美味しい♪
ペロペロキャンディみたいに♪

アレクサンドラスタンでロリポップ♪ 
棒付きアメのことを、ロリポップというみたいですね。



不二家 容器入りポップキャンディ 500g

  • 出版社/メーカー: 不二家
  • メディア: 食品&飲料