プロ野球・二軍の謎 (幻冬舎新書)

  • 作者: 田口 壮
  • 出版社/メーカー: 幻冬舎
  • 発売日: 2017/03/30
  • メディア: 新書


【プロ野球・二軍の謎/田口壮/17年3月初版】


「ぼくは常々、プロ野球人生におけるチャンスは、3年間で9回ぐらいしかない、
と選手たちに言ってます。このチャンスは、だいたい入団から3年ほどの間に降りてくるもの。
それをつかむことができるのは1年に3回あるかないか。そのチャンスをいかにものにできるか。
それがプロ野球選手としての勝負どころ」

田口壮ってすごいですよね。
メジャーに5年(172日で1年換算)いたので、MLB年金ももらえる。
60歳から毎年1000万円!

MLBで672試合出場、1524打席で打率279、出塁率332。守備もよかった。
田口とイチローが外野守った96年のオリックスは強かった。
今はオリックスの2軍監督です。

日本で12年、アメリカで8年野球やったので、日米の比較野球論が語れるんですよ。
本書のおもしろい部分です。あとは二軍って謎なので、一読すると理解が深まる。


以下に読書メモを。


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一軍と二軍の違い


一軍とは「出場選手登録」された選手。
1球団につき最大28名登録できる。ベンチ入りできるのは25名まで。
ベンチから外れるのは、ローテーションの「上り」投手。直近3試合の先発。

各球団が選手として契約してる「支配下登録選手」は1球団70名までと決まっている。
70名から28名を引いた、最大42名が二軍の選手。

「育成選手」は、将来その球団の支配下選手として契約する可能性があるプロ選手。
2005年から始まった制度。育成選手は二軍の試合やオープン戦には出場できるが、
一軍の試合には出場できない決まり。背番号は3桁。




プロ野球一軍と二軍の試合数


2016年の一軍試合数は143試合。プレーオフが最大16試合でマックス159試合。
二軍試合数はウエスタンリーグで最大132試合。
イースタンとの交流戦や、アマとの練習試合もあるが公式記録にはカウントされない。
雨天中止もあるのでオリックスの16年度二軍は116試合。
交流戦や練習試合など合計すると150試合。
MLBは162試合。プレーオフが最大で20試合でマックス182試合。マイナーは140試合。




MLBの奥さんたち


アメリカ人の奥さんたちは、自己主張も性格も要求も強い。
「夫が試合で疲れている」のと、「夫として家族をケアし私を楽しませる」のとは別物。
午前2時に就寝するゲームの翌朝、6時に起きて子供を学校に送っていくのも、
「当たり前でしょ。野球選手である前に父親なんだから」と言い放つ。

彼女たちが料理をしないのも、
「料理の手間を省いて、夫婦の時間、会話を大事にする。台所が汚れる」ということらしい。

メジャーリーガーは奥さんたちに言われるがままに外食をし、
「いいよね、ソウのところはごはん作ってくれて」と愚痴っていた。


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木製バットは高い


材質によって値段は違うが、1本1万2千円ほどする。
1球で折れる場合もある。学生には途方もない値段だった。
日本の二軍の選手たちは、ほぼ全員がどこかのスポーツメーカーと契約、
もしくは「用具提供」という関係を結んでいる。




アメリカのプロ野球組織


メジャー40人、3A38人、2A37人、1A105人、ルーキーリーグ70人。
2Aだとヘルメットの割れをテープで補修したり、
バットもお下がりを使ってる選手がたくさんいる。

マイナーリーグには、週給5000円というシステムもある。
日本は育成で240万円、二軍で最低440万円は保障される。

日本の二軍は未婚は全員寮に入る。栄養は計算されている。キャンプでも食事は一軍と同じ。
マイナーだと2Aなどは、人数分のハンバーガーとポテトがロッカールームにおかれている。
キャンプの時は、マイナーは昼食は茶色の紙袋を渡される。ルーキーリーグも3Aも関係ない。
紙袋の中はサンドイッチ、バナナ、飲み物1本。「紙袋ひとつ」はメジャーを知ると泣けてくる。




メジャー枠25人


MLBのベンチ入り25人枠は選手それぞれの契約などによって、ほとんど固まっている。
キャンプの競争によって決まる席は1つか2つというのが現実。
このわずかな残りの席を最終的に4~5人で争う。

選手のロッカー配置を見ればわかる。最初に60人のメジャー組でスタートするとして、
カージナルスは、入り口から向かって左側のロッカーから順にレギュラー組に割り当てられる。
右側から奥は、やがていなくなると想定される選手に割り当てられている。

カブスは25人枠に入るべき選手とそうでない選手が、交互にロッカーを与えられた。
メジャー確定選手、不確定選手、が交互に並ぶ。
日がたつにつれ、不確定選手は抜けていき、
メジャー組は両隣があいたスペースをゆっくりと使える。
自分のロッカーが有名選手の隣であれば「いなくなること前提か」とわかってしまう。




監督 ぼくを使ってください♪
準備万端です センターなら任せて♪

ジョンフォガティで、センターフィールド♪
’’雨を見たかい’’で有名なCCRのボーカル。85年のソロ作から。
ビルボード1位。けっこう売れましたよね。むかしTDKのカセットでよく聴いたなぁ・・
そういえばイチロー、MLB最高齢センター先発が記録になった、とニュースになってました。




かなり欲しいけど、高い・・





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