本当にヤバイ!欧州経済

  • 作者: 渡邉 哲也
  • 出版社/メーカー: 彩図社
  • 発売日: 2009/10/23
  • メディア: 単行本


欧州経済がやばいです。アメリカの借金(証券化商品)の46%は欧州が購入しています。ハイリターンのサブプライムなんかの金利のリターンで、欧州各国は繁栄を享受していました。(金融立国モデル)

それを主に土地バブル(特にスペイン、欧州の熱海)と東欧(ニューカマーとして)へ投資して、さらなるリターンを
生み出してました。

それが逆回転をはじめました。まだ顕在化していません。会計基準がアメリカとは違い、資産の評価損を計上しなくていいからです。

バルト三国のキャピタルフライトがひどく、貸し込んでいるスエーデンやドイツは耐えられないかもしれません。スイス銀行の秘密口座も、脱税問題で結局開示しちゃいました。タックスヘイブンはもうありません。

ユーロは崩壊に向かい始めています。ユーロには大きな宿命(矛盾)があります。自国の銀行がつぶれると、ぶら下がってる産業全体が崩壊するので、政府は自国の大きな銀行を税金を使って救済します。

ユーロの場合はそれが簡単にできません。救済を行う国家と、通貨を管理する中央銀行が違うからです。ドイツ2位のコメルツ銀行の救済でも、欧州委員会の承認を得るまで4ヶ月もかかってます。(遅すぎ!)当然各国の利害は違います。

まだ資産の劣化は序章です。今後究極の場面で、この矛盾は決定的なEUの亀裂に発展する可能性は高いと思います。

ユーロ圏内の国家間の金利差は拡大しています。同一の価値をもつ通貨ユーロですが、発行する国ごとに、信用度に大きな差が出ています。通貨の価値とは信用です。欧州委員会(EUの中央銀行)の合議制では、信用は補完できません。

夢の通貨が夢で終わる可能性は、現在市場では10~20%織り込まれているそうです。

<補記>
世界のGDPの概略国別比率(IMF2008年、四捨五入)です。
アメリカ:20%
EU26カ国:30%
日本:10%
中国:10%  ここまでで約7割

ちなみにGDPとは、個人消費+設備投資+政府支出+純輸出(輸出-輸入)です。ストックではなく、フローです。要は、1年間にその国が使ったお金です。借金してでもお金は使えます。アメリカはそれでGDPを伸ばしてました。

給料が減って消費が減り、企業は設備投資を控える今、公共投資を国債刷ってばんばんしない限り、GDPは減ります。民主党は逆のことやってるので、鳩山不況と言われちゃうんです。

もひとつ、世界のお金の状況(推計)です。
世界の2008年のGDP(使ったお金):約5000兆円
日本のGDP(使ったお金):約500兆円
世界のお金の合計:約1京5000兆円
デリバティブなんかの電子マネーを含めた合計:約6京円


ヨーロッパでファイナルカウントダウン!



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