日本は世界5位の農業大国 大嘘だらけの食料自給率 (講談社+α新書)

  • 作者: 浅川 芳裕
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2010/02/19
  • メディア: 新書


日本は農業大国だったんですね。目から鱗がおちる本でした。

08年度の食料自給率は41%でしたが、どうとでもいじれる数字で、
実際は60%を有に超える数字です。(詳細省く、理論武装したいかたは本でどうぞ。2月20日初版)

そりゃスーパーに行った実感は、あきらかに7割近いですよね。
生産額ベースの自給率は、66%(41%はカロリーベース)。

じゃあなんで、わざと低くみせるのか?
利権です。

日本の農業を牽引すべき農水省が、省益と天下り先の利益を追求し、
農家や国民を苦しめてるのが現在の日本の姿です。

もちろんマスコミは書けません。
農水省は電通に税金からキャンペーン費(丸投げ)を巨額に払ってますから。

小麦やバターなどは国家貿易を行っていて、農水省の財源確保になっています。
だいたい国際小売価格の3倍が日本の企業や消費者が購入できる価格です。

おかげで日本のエンゲル係数は、先進国のなかでは頭ひとつぬけています。

そうやって高く調達された原料では、加工食品の国際市場では戦えません。
ビジネスチャンスを奪っているのです。

さらに2011年から民主党の世紀の愚策、1兆4000億円を投入する、
「個別所得補償制度」が施行されます。
ようは赤字農家に税金をばらまくのです。

これがプロ農家の生産性向上の為なら問題ないのですが、
擬似農家(兼業)にばらまくようです。
本業はサラリーマンなので、趣味的に赤字でやってる農家へ、票田固めのためにばらまくらしい。。

上位7%のプロ農家が全農業生産額8兆円の6割を産出、国民の胃袋をささえているのに、
擬似農家にばらまいて、健全な競争ができなくなり(ダンピング等)、
プロ農家の経営もあぶなくさせる悪法です。



提言として、「日本農業の成長八策」(本でどうぞ)を明示しています。
なるほどと思える良策ばかりです。
試算では3000億円の税金で、米国を抜いて先進国1位になる、
18兆円の農業産出額になるビジョンです。

35歳の著者浅川さんに本気で農政をまかせてみたい。
農水省も浅川さんと同じ絵がかけるのならそれでもいいんだけど。。


どうしても、以下の経済学の名言を思い出してしまいます。。

アダムスミスの公理
人間は自己利益を最大化するよう行動する。

スティグリッツの名言
官僚は自分の属する省庁のサイズを最大化しようと努める。



ビーチボーイズのファーマーズドーター♪
63年、サーフィンUSAの2曲目です。曲中のハミングが好きです。



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