アメリカ、中国、そして日本経済はこうなる (WAC BUNKO)

  • 作者: 日下公人
  • 出版社/メーカー: ワック
  • 発売日: 2010/04/03
  • メディア: 新書


【アメリカ中国そして日本経済はこうなる/日下公人vs三橋貴明/10年4月初版】

そろそろ二番底が見え始めました。

<米国>
米国の経済成長は、もともと借金でした。
借金を債権として主に欧州に輸出して、そのお金でバブルを起こし、
個人消費を活性化させていました。

世界の貿易赤字の大半を、米国が引き受けていました。
それが、サブプライム問題ではじけ、今米国の経済は泥沼です。
借金の踏み倒しの徳政令までやるかもしれません。

財政支出(国債発行)で、日本のエコポイントのような消費刺激策を住宅と車で行い、
なんとかGDP(個人消費)を支えてましたが、もう種切れ(金切れ)です。


<中国>
世界の工場(GDPに占める輸出割合が約40%、ちなみに日本は15%)といわれる中国は、
米国向中心の工業生産でもっていました。現在は米欧ともに、失業率は10~20%(日本5%)となり、
各国ともに保護主義に回帰しています。

そこで大幅に落ち込んだGDPを補完するために、財政支出54兆円を行いましたが、
実需がないために設備投資に向かわず、おもに不動産と株式投資に向かいました。
そこでバブルがおき、建築関連にお金が流れています。日本のバブルと同じです。

ただ中国のアドバンテージは、1998年の宅地売買開放(戦後日本の農地改革と共通)により、
バランスシート上に、ゼロからいきなり土地代がでてくることです。
文革で地主を殺してただで手に入れた土地(国家としての取得価格はゼロ、それが革命)を、
共産党員6千5百万人で山分けした。それが、開放で金を生んでいます。


<日本>
世界一の金持ち債権国。世界の比較で行くと、米国についで内需比率が高い。
中国輸出幻想があるが、GDPにしめる対中輸出比率は3%程度です。
徐々に対中幻想からさめ、国内回帰が増えるとみます。

日本の資産は、各国への貸付が多いのですが、みな返却できなくなると、踏み倒します。
世界史的には、軍事力をもたない金貸し国はなかったようです。これまでは返せばもっと貸してくれる。
米国の軍事力(同盟国)の脅威できっちり返済してもらってましたが、
今後は民主党の反米政策や、各国の危機的な財務状況により、不透明感が出てきています。


まとめ:
世界各国は、しばらく日本のバブル崩壊後のようになるので、日本自身が内需成長するしかない。
原資は日本人自身の貯蓄→銀行(投資先がなく、利子配当の為国債購入)→国債です。

投資先は、次世代インフラ整備です。
東京~大阪リニアや、電気自動車、水ビジネス、次世代エネルギー、軍事力等です。
諸外国は、やりたくてもそれができません。国債発行→未達の国ばかりです。

6月8日発売の「日本のグランドデザイン」が、
(講談社の編集者曰く、過去10年に読んだ原稿で一番よいといったらしい)
このへんにふれてるようで、楽しみでです。

イーグルスでテイクイットイージー♪



(広告)