ゴルゴ13 (64)海難審判・10月革命の子・2万5千年の荒野 (SPコミックス)

  • 作者: さいとう たかを
  • 出版社/メーカー: リイド社
  • 発売日: 1987/07
  • メディア: コミック



大震災で亡くなられた方のご冥福をお祈りします。

なかなか復興の気分になりません。
福島原発のニュースに一喜一憂してるからです。

新聞等の刺激的な見出しや、ニュー速なんかのネット情報が不安を煽ります。
ここ1週間は針のむしろでした。


思い出したのがゴルゴ13の「2万5千年の荒野」です。(64巻・1984年)

=========================
<ストーリー>
ロス北方80キロ-南カリフォルニアの原子力発電所でメルトダウン事故の危機。
放射能漏れが危惧され一刻の猶予もない状況の中、ゴルゴが取った行動は・・・



<解説>
ロサンゼルス北方80キロの南カリフォルニアのG&E社のヤーマス原子力発電所。
安全課長コモン・バリー技師は再三に渡り工事期間の延期を提言したが、
政治的思惑が優先し期間延長は認められず、運転が開始された。

運転開始直後から原子炉内の温度と圧力が異常上昇、
原子炉は制御不能の状態に陥り、メルトダウン事故発生の危機を迎えた。
メルトダウン発生の暁には、広島型原爆の200倍から400倍の放射能が放出され、
地表・川・海・大気を汚染、生物の住めない環境をもたらす。
タイトル『2万5千年の荒野』は原子炉から排出されるプルトニウム239の半減期が、
2万5千年であることに由来している。

ゴルゴの神業的な狙撃を目撃したバリーは、メルトダウンを防ぐために、
原子炉内のパイプを狙撃して詰まった蒸気を逃がすことを思いつき、
ゴルゴへ原子炉内での狙撃を依頼する。
依頼内容・環境条件は下記の通り。
・放射能のもれた原子炉の中で厚さ40ミリのパイプの1点を撃ち抜く
・蒸気がたち込めていて、的がよく見えない
・被爆の可能性あり
・原子炉内の状況によっては1週間後に死ぬ確率は50%
・軽い被爆でもガンや白血病にかかる可能性大
・子孫にまで影響を及ぼす

ゴルゴは淡々と仕事を引き受け、バリーの仲間達が原子炉内で足場を作る作業を黙々と見守る。
図面を頭に刻み込み、バリーとともに原子炉内に飛び込んだゴルゴは、
蒸気で視界が遮られたまま、記憶を頼りに見えないパイプを撃つ。

狙撃の成功とメルトダウンの阻止を確信したバリーは、
原子炉と共に命を投げ出すことを伝えると、ゴルゴは黙ってバリーのタバコに火をつける。
ガイガーカウンターが鳴っているにも関わらず、
命を賭した男に対し弔いを捧げるゴルゴの男気が熱い。
=========================



今回はゴルゴはいませんが、自衛隊や消防庁ががんばってくれました。
電源も回復して、最悪の事態(メルトダウンに伴う圧力容器の爆発)は避けられそうです。

とにかく、プルトニウムやウランなどの重金属が、
爆風により微細粉末になって、遠くまで飛ばされる事態は避けられそうです。

これが飛んじゃうと半減期が長い。とくにプルトニウムが2万4千年です。

いま問題になってるのは気体性の放射性物質です。
半減期がはるかに短くて、秒単位で消えるものもあるとされます。
ただ風に乗って飛ぶので、30km圏等の広範囲ですが。。

それにしても、ようやく少しほっとしています。

阪神大震災で亡くした姉をうたった作人のDear Sisterです。
家がつぶれて、と歌われると少しきます。。



(広告)