大マスコミ 疑惑の報道

  • 作者: 三橋貴明
  • 出版社/メーカー: 飛鳥新社
  • 発売日: 2011/09/23
  • メディア: 単行本


【大マスコミ疑惑の報道/三橋貴明/11年9月初版】
いまの日本の問題点は、マスコミと官僚です。既得権があり自浄能力がない。
権力構造は、上から順にマスコミ、官僚、政治家。政治家は国民の代表です。
滞留してるときは腐敗しますが、ちゃんと選挙で落としてやればいい。
官僚やマスコミを変えようとするなら、変革の意思をもった政治家を選ぶことが必要です。

この本もお時間があれば図書館で借りて読んでほしい本です。
メモが多いので読書メモはNHKに絞ります。
裏経理担当で海老沢のかばん持ちまでした立花氏が内部告発していて面白いから。
しかしマスコミ報道がないので、本やネットでしかこういうのは広まりませんね。。








<テレビ業界の構造>
いまのTV業界は、企業全体のTV広告2兆円、
NHKの受信料収入6700億円を民放4社とNHKで回すという構造です。
電波料や送信設備負担は半分ほどNHKが負担しているため、民放はNHKに頭が上がりません。

ワールドカップの放映権料は二大会で500億円でその60%をNHKが負担して、
オリンピックでは80%負担です。お金を払い、放映権は民放に渡します。
「金を出すから批判をするな」と恩を売っているのです。

民放が恐れているのは、NHKの一部民営化です。2兆円のパイが少なくなり、
自分の取り分が少なくなるので、NHKには現状維持して欲しいのです。
だから日本史上最大のNHKを1万人で訴訟した裁判も、民放は華麗にスルーでした。
(JAPANデビュー問題)



<高給のからくり>
NHK本体の社員の平均年収は1730万円。給与で見るともう少し低いが、
福利厚生、退職金積立なども含め職員数で単純に割るとそうなるようです。民放も同レベル。
地上波は電通に手数料15%支払うと番組スポンサーをすべて連れてきてくれます。
番組制作は格安で発注しゴボッと中抜きする特権階級です。

地上波の認可を受けると免許が固定化して利権化します。
ただ電波の免許を持ってるだけで利権です。
かれらは新規参入を阻止し、とくにBSはひどいもので、通販番組と再放送ばかりです。
そうまでして枠を死守し、地上波のTVCM利権を維持しています。

ちなみにCNNやアルジャジーラのリポーターの平均年収は4万ドル。
1人でレポートしながらカメラをまわし、グーグルチャットやユーストリームにつないで映像を発信します。
日本のテレビ局ならおなじことを10人がかりでやる。しかも年収は1500万円クラス。
情報は商品なのに日本のテレビメディアは高すぎて話しにならない。すべて旧JALのような体質。



<NHKの受信料契約率は偽装>
国会答弁では78%になっていますが、実態は55%。
とくに大阪がひどく受信料は25%程度しか払われていません。

有料放送のない地デジにまで、なぜ総務省はB-CASカードを導入したのか?
B-CASカードが入ると何台テレビがあるか識別できます。
受信台数が明らかになり、情報公開請求があれば拒否できず不払いの実態がわかります。
総務省の天下りを受け入れなくなったNHKを、
将来受信料問題で追い詰めて影響力を回復する布石です。
サーベルをカタカタ鳴らしているのです。



<NHKは値下げを阻止したい>
受信料収入は2004年の不正発覚以後も6700億円と変わってません。
これが上向いて7000億円を超えると値下げ議論がおこるので、
現状維持がベストと考えています。契約率も今のままでいい。
真剣に契約者数を伸ばす気はありません。裁判は国会の追及をさけるポースです。



<JAPANデビュー問題>
NHKの番組は大勢でチェックしてると思われますが、実際は2人。
ディレクターとチーフプロデューサー(45歳くらい)まで。部長以上が試写することはない。
制作会社に思想的におかしな人間が混じった。
プロデューサーがとくに思想的におかしな人間でもなかったが、
視聴率がとれるくらいの軽い気持ち。NHKが特に左傾化してるということはない。




NHKといえば、みんなのうた。
アンジェラの手紙は久しぶりに見るとやっぱり泣けます。



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