督促OL 修行日記

  • 作者: 榎本 まみ
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2012/09/22
  • メディア: 単行本


【督促OL修行日記/榎本まみ/12年9月初版】
「古戦場のようなコールセンターで働くうちに、いつの間にか自分の体にはたくさんの言葉の刃が突き刺さっていた。でも、その1本を引き抜くと、それは自分を傷つける凶器ではなく剣になった。……仕事をする中で誰かから傷つけられることはたくさんあったけど、そのおかげでできるようになったこともたくさんある。今まで私が先輩やお客さまからもらってきたのは、これからより強く生きていくための武器と盾だったのだ」

少し前にビジネス本のベストセラーになってたので、読んでみました。読後感がものすごくいいです。まだ20代の、一生懸命にがんばっている、前向きなOLさんのデビュー作です。

最後まで読むと、著者の背負ってるものがわかります。これからも是非がんばって欲しいです。

自分の話で恐縮ですが、大学1年の時にアルバイトで信販会社の督促を半年間してました。4時から8時まで時給850円で、クレジットカードの一督(一ヶ月滞留してる人)の客にひたすらTELする。80年代、ウエイターが時給600円ぐらいだったので、バイト代としては少しいいくらい。

同じような学生が男女4~5人集まって、リストの人に片っ端から電話するという。二督以上は社員が対応してました。この本読んでわかりましたが、クレジットの一督はうっかり入金を忘れた人がメインなので、楽な仕事のようです。キャッシングの長期滞留とかはキツイみたいですけど…。

職場の雰囲気は悪くなかったです。ぼくの机の前には、お嬢様女子大の女の子が座ってTELしてました。なんでお嬢様女子大の子がバイトしてるのかは、謎でしたが^^;


以下に読書メモを








<感情労働>
督促やコールセンターの仕事は「感情労働」と呼ばれているらしい。感情労働とは、肉体労働、頭脳労働に続いて最近注目されている労働形態の一つだ。感情労働は自分の感情を抑制することでお金を得る。代表的な感情労働は、航空機の客室乗務員と集金人。

感情労働をする人々は、たとえお客様に一方的に罵詈雑言を浴びせかけられたとしても、反論せず黙ってそれに耐え、相手のプライドを満たして満足させることを求められる。感情労働は心の疲労の問題が深刻。



<足には本当の気分が表れやすい>
動物学者のデズモンド・モリス氏曰く、「下肢(つまり足)には本当の気分が表れやすい」らしい。不安な人は足が落ち着かない。実際、お客様との間にクレームを起したり、相手に言い負けてしまうオペレーターさんは、足元が落ち着いていないことが多い。足をぶらぶらと浮かせていたり、足を組んだりしているオペレーターさんは、トラブルを起す確率が高かった。

いきなり怒られてショックで固まってしまったら、グッと足に力を入れて踏ん張ってほしい。そうすることで早く金縛りを解くことができる。



<具体的に謝る>
「申し訳ございません」を単純に繰り返してる電話は、聞いていてくどい。謝るときのコツは、具体的に謝ることだ。

「カードが店で使えなくて大変だったよ!」
「お店で恥ずかしい思いをさせてしまい、申し訳ございません」

「さっきのオペレーターの態度が気に入らない!クビにしろ!」
「先ほどの者がお客さまに不快な思いをさせてしまい、申し訳ございません」

このように「具体的な言葉」+「謝罪」を繰り返すことで、「相手の気持ちをわかっている」と示すことができる。



<ありがとうの言い方>
ありがとうございます、はありふれた言葉でお店でもどこでも言われる。聞かない日はない。だから大げさなくらい気持ちを込めないと心を打たない。イメトレが大事。たとえば今目の前で一番大事な人が、瀕死の状態だと想像する。その人にはもう一生お礼が言えない。最後だと思ってありがとうと言ってみる。

⇒「思考は現実化する」ので、イメトレの対象選びは慎重にしたほうがいいかも。ぼくなら最後にお礼が言えなかった、亡くなったお袋にしますが。




素晴らしい思い出の数々#59126;
あなたに出会えてよかった♪
ありがとう…♪

フランクシナトラで、Thanks For The Memory♪




(広告)