日本経済を創造的に破壊せよ!

  • 作者: 伊藤 元重
  • 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
  • 発売日: 2013/03/22
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



【日本経済を創造的に破壊せよ/伊藤元重/13年3月初版】

東大大学院の経済学教授で、安倍政権の経済再生諮問会議員。三橋貴明に「狼は来るのセンセ」と嘲笑されている人。片方だけの意見では公平を欠くし、新刊山積みされてたので一度読んでみようと。

・デフレ克服は喫緊の課題
・市場の信頼を失えば国債暴落は現実化する
・消費税引上げは不可避
・TPPへの参加は必須
・急成長するアジアを内需に取り込め
・民間投資を促す規制緩和こそ成長の鍵

まぁ一言でいえば新自由主義者で、公務員だから増税主義者。(国家破産=公務員破産を避けたい)

国債暴落の説明は、吉田繁治のように具体的じゃなくて、とても観念的で説得力にかけます。破綻後の風景がまったく見えてこない。消費税が欧州の国は20%ぐらいだけど日本は5%で上げシロがある。だからまだ、日本の国債は破綻してない。との事です。

TPPに関しては、保護主義で繁栄した国はない。と言い切っています。おお~カッコいい。そういえば世界の叡智ノームチョムスキーは以下のように語っています。

「アメリカが19世紀に発展を遂げたのは、より優れた英国製品の流入を制御すべく、世界一高い保護 関税をかけていたから。先進国はみなこのように発展した」

一度、世界最高の論客と言われるチョムスキーと、じっくり対談をされてはいかがでしょうか。

増税に関して。中国の国務院と世銀が共同でつくった2030年ビジョンには、人民元の自由化と戸籍制度の改善が書かれているそうです。足元は簡単にできないけど、将来を見据えると答えはひとつしかない。同じように日本の消費増税も、団塊の世代が後期高齢者になる2025年までには上げるしかない。やるなら今だ。景気条項で消費増税が先送りにならないことを願っていると。

いや、中国と同じで今はタイミングじゃないと思うのですが。増税すると税収は落ちます。目的は、増税ではなく、増収だと思うのですが…。

この本のタイトルの意味が伝わってきました。僕は破壊されたくない。スマイルカーブの上流と下流は伸びるかもしれないけど、多くの中間層(僕たち)は没落します。センセはそれでいいかもしれない。だけど僕は嫌です。

以下にその他の読書メモを。








<TPPとシェールガス>
米国やカナダではシェールガスの開発が進み、天然ガスの価格は日本が中東などから購入している価格の何分の一にもなるような低価格である。当然、日本も米国のシェールガスを輸入し、シェールガスの投資プロジェクトに参加することが期待される。しかし米国は、自由貿易協定や経済連携協定を結んでいない国とはシェールガスの取引はしない、という話が漏れ伝わってくる。

⇒センセ、これ重要な話なんですが、どこから漏れ伝わってきたのでしょうか? もう地理的なメリットがある、ロシアからの購入でいいような気がします。


<サムソンの強さ>
日本のある家電メーカーのトップが言っていた。「なぜサムスンが強いのか徹底的に調べた。いろいろ細かい要因もあるが、最も大きな要因は驚くほど単純だった。ようするにサムスンの人件費は我々の半分以下だったのだ」一人当たりGDPが2万2424ドルの韓国の企業が、4万5553ドルの日本企業よりも人件費が圧倒的に安いのは当然だ。


<グラビティモデル>
距離が近い国の間の貿易額の方が、距離が遠い国の間の貿易額よりも大きくなる傾向が強い。そして大きな国の間の貿易額の方が、小さな国の貿易額より大きい。物理学の引力の法則、「近いものほど引っ張り合う力が強くなり、重い物質ほど強く引き合う」を借用した、第一回ノーベル経済学賞受賞者ティンバーゲンの考え方。実によく当てはまるモデルで、国際経済学では基本的な考え方として定着している。

日本は将来に対する悲観論が蔓延しているようだが、それはおかしい。アジアはこれから世界で最も高い成長を実現するだろう。日本はそのアジアの中にある。



センセ、センセ#59126;
何が正しいか間違ってるか、教えて下さい
もし僕が生き延びることができれば
時間だけが教えてくれるのかな

38 Specialでティーチャーティーチャー♪