ウイスキー粋人列伝 (文春新書 918)

  • 作者: 矢島 裕紀彦
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2013/06/20
  • メディア: 新書


【ウイスキー粋人列伝/矢島裕紀彦/13年6月初版】
ウイスキーを飲みながら読むのに適した一冊です。だけど二日酔いなので、しらふで読んでます。大酒を飲んだ翌日は、なんかテンションが上がりません^^;

この本は秋山好古から村治佳織まで古今の90人の逸話で紐解く愛飲史です。あぁこの人はマッカランが好きだったのか。こんな宴会芸があったんだなぁと、酒がもっと好きになります。

ウイスキー。なんかハードボイルドなイメージがある大人の酒です。ある時期はまって、いろいろなウイスキーを買ってきては、ストレートやロックで味比べをしていました。ひととおりのメジャーなスコッチのスタンダードから12年モノまでは飲み比べたので、二回り目以降は、好きなものしか買わなくなりました。

で、最近は蒸留酒は焼酎に戻しています。南雲先生の生涯許容酒量は(アルコール純分で)男性500kg、女性250kgというのを読んで、40度の酒をずっと飲んでると、楽しみを早期に使い果たしてしまうことに、ハタと気がついてしまった。500kgというのは、一日4合(ワインや日本酒の720mlx1本)で男性は14年ほどで到達してしまいます。

それを読んでからは、できるだけ家飲みは1日2合(アルコール純分で50ml)までとするようにしています。だけど外で飲むと7~10合ほど飲んでしまいます。週1日休肝日としても、1週間に20合前後は飲んでるかなあ。1日3合換算か、軽くやばいかも。生涯酒量に到達しちゃうと、肝硬変になったりガンになったり、負の健康スパイラルに落ち込んでいくようです。この本でもスペシャルインタビューされてるギタリストの村治佳織さんは、大のウイスキー好きのようですが、35歳の今、舌腫瘍にかかり長期休養となっています。とてもギターが上手く、美しい女性である村治さん、早く良くなって欲しい。


村治さんの動画の下に、読書メモを。聴きながら、彼女の健康を一緒に願いませんか。

アルハンブラの想い出/村治佳織 これ一人で弾いてるんですよね。さすがに世界のトップギタリスト。









<北原白秋の宴会芸>
線香花火と名づけた独自の踊り。マッチをすって点火する真似を誰かにしてもらい、シュッと手を出す。続いてシュッ、シュッと両手を交互に出して火花の飛び散るさまを演じ、加速度的にその勢いを増す。やがて「しゅうっ」と一声を残し、まん丸い火の玉となり、ぽろりと地面に落ちるように倒れる。いかにも真に迫っていた。



<ウイスキー効能>
ウイスキーには赤ワイン同様、医学的にも健康促進効果の期待されるポリフェノールが含まれている。糖分やプリン体もほとんどなく尿酸を排出する働きもあるため、糖尿病や痛風を引き起こす心配もない。香りによるリラックス効果もあり、適量をたしなむなら、豊かに時間を過ごさせてくれるアルコール飲料といえるのである。



<サルトルの好きなウイスキー>
サルトルは特にサントリーオールドが大好きだった。朝吹はサルトルがパリに帰るとき「この次パリに何をお土産に持っていきましょうか?」と尋ねた。するとサルトルは言下に答えた。「サントリーオールド!」



<田中角栄>
角栄が吉田茂邸を訪問したとき、オールドパーを振舞われた。後日角栄がこのことを佐藤栄作に話すと、「そうか、あれを出されたなら間違いない。気に入られたんだ」と言われたという。以来角栄はオールドパーを愛飲するようになった。飲み方は水割り。といってもかなり濃い。グラスにたっぷりの氷を入れ、半分くらいまでウイスキーを注ぐ。最後に水を足す。ダブルの2倍くらいの濃さ。これをぐいっといく。3日か4日でボトル1本空けるくらいのペースで飲んでいたという。



<枡田幸三>
1948年、幸三は将棋に関する事情聴取のため、GHQに呼び出された。「日本の将棋では取った相手の駒を自軍の兵隊として使用する。これは捕虜虐待で、条約違反だ。日本軍の捕虜虐殺に通じる野蛮なゲームだ」そう決め付ける相手に幸三は応酬した。「チェスで取った駒をつかわんのこそ、捕虜の虐殺である。日本の将棋はつねに全部の駒が生きている。これは能力を尊重し、それぞれに働き場所を与えようという思想である。敵から味方に移ってきても、金は金、飛車は飛車と元の官位のままで仕事をさせる。これこそ民主主義」



<桑田真澄>
現役時代は酒を口にしなかった。リハビリ期間中に体にいいからと勧められ赤ワインを飲むようになった。ウイスキーは40歳過ぎで飲み始めた。赤ワインと同じくウイスキーがポリフェノールを多く含んでいて、健康の維持増進に役立つという話を聞いて試し始めた。いつしか自宅のバーカウンターにウイスキーを常備するようになった。「背番号18をつけていたので、山崎18年が好き。好物であるつぶ餡を使った和菓子との相性がよくて、一緒に飲むと驚くほどおいしい」理論派の桑田の言葉だと妙に説得力があり、一度試したくなる。



<山崎まさよし>
同じ名前の山崎を愛飲する。自分のサインにも似ていて親近感があった。飲み方はオンザロック。家でひとりでやるなら、ブルースマンのライトニンホプキンやロバートジョンソンの古いレコードを聴く。ノラジョーンズやエリッククラプトンも似合いのBGMになる。



<サントリーチーフブレンダー輿水精一のお薦め>
バーに行くと、かつてはまず1杯目にジントニックを頼むことが多かったのですが、最近はハイボール。それもとくに白州の12年を楽しむことが増えています。・・・香りそのものを享受するには、こんな飲み方もあります。まず常温の「ウイスキーをグラスに注ぎストレートでじっくり味わい、次にスプーン一杯の水を加えて香りが開いていくさまを楽しむ。それでしばらく飲んだら、またスプーン一杯の水を加えてみる。するとまた表情は大きく変化していきます。



<JUJU>
JUJUは読書好きで小説を中心に月に10冊ほどの本を読む。自宅ではさまざまなウイスキーを楽しんでいる。専用の棚を作り、山崎や白州などの現行品のボトルの他、ロイヤルロッホナガー30年、マッカラン27年、ブナハーブン33年といった貴重なオールドボトルも並べている。酒量は3日でボトル1本。芸名はサックス奏者ウエインショーターの名盤からとった。12歳でジャズ歌手を志望し、18歳でNYへ渡った。歌唱はサラヴォーンの影響を受けているという。


JUJUで「奇跡を望むなら」 病室での結婚式のmvが、涙を誘います。サラヴォーンというよりは、マイケルジャクソンの子どもの頃みたいな感じがしました。そういう意味では美声です。どうか酒で声をつぶさいないで欲しい。





ESTELLA(エステーラ)~Kaori Muraji SELF BEST

  • アーティスト: 村治佳織,ロドリーゴ,バリオス,サグレーラス,マイヤーズ,ロジャース,ヨーク,パガニーニ,コスト,レニャーニ,バッチュラー
  • 出版社/メーカー: ビクターエンタテインメント
  • 発売日: 2012/09/05
  • メディア: CD




BEST STORY~Life stories~

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: SMAR
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