脳の中の時間旅行 : なぜ時間はワープするのか

  • 作者: クラウディア・ハモンド
  • 出版社/メーカー: インターシフト
  • 発売日: 2014/03/25
  • メディア: 単行本


【脳の中の時間旅行 なぜ時間はワープするのか/クラウディア・ハモンド/14年3月初版】
「無になる」ことは難しいです。何も考えずにいることです。瞑想や座禅の基本です。子供のころ母親に言われて何度かトライしたのですが、できませんでした。たしかに半眼は効果がある。子供に半眼は難しい。半眼に集中するのでそれ以外のことに気が回りにくい。しかし慣れるとすぐに雑念がわいてくる。



「無になる」ことはなんで難しいのか。この本を読んで疑問が多少解消されました。平均すると人は1日59回、将来について考えているそうです。言い換えると、起きているときは16分ごとに考えていることになる。脳のデフォルト(標準設定)モードは、将来を考えている状態という可能性があると。

この分野の研究では、犬や猫、人間でも3歳になるまでは将来のことは考えられないそうです。人間以外では、21種の鳥には将来のことを考えるスキルがある可能性があると。


もうひとつなるほどと思ったのは、「思い出の隆起/レミニセンス・バンプ」です。要約すると以下。

『成人の記憶の圧倒的多数は、15歳から25歳の間に起こったものである可能性が高い。思い出の隆起は、自分の出来事だけでなく、映画や本や音楽に関しても、この時期に触れたものをよく覚えている。

思い出の隆起、青春時代のことをよく覚えているのは、30~40代より新しい物事を多く経験する時期だから。若いころはたくさんの「初めて」を経験する。目新しいことは記憶に強く刻まれる。子供時代よりも鮮明なのは、人の脳は青年期の終わりから成人期の初めにかけて、特別な発達の時期を迎えるから。』

たとえば村上春樹が「ペットサウンズ」を推したり、僕らが古い音楽を好んだりするのは、思い出の隆起によるものなんでしょうね。

ノスタルジア、頭の中で過去に戻る能力は、人がアイデンティティを確立するうえで重要な役割を果たしています。人は過去を振り返り、それをより所にして個性を形成し、人生の意味を見出す。人は過去を振り返ることで自尊心を高め、自分の現状を受け入れる。ノスタルジアは安らぎをもたらす。



そういう意味では、青春時代に何かに打ち込んだり、たくさん恋をしたり、旅に出たり、いい思い出をたくさんつくることが、より良い人生を送る秘訣なのかもしれません。幸せな青春時代を過ごした人は、それだけで大きな財産を持ってるのと同じことだと思います。


以下に目次を。

第1章 : 時間の錯覚
・うつ病になると時間がゆがむ
・体温が高いほど、時間の流れが遅くなる

第2章 : 脳の中の時計
・内的時計を探る冒険
・昼休み前なのに一日の仕事が終わったと思う男
・脳は自分で時間を計っているのか

第3章 : 月曜は赤い
・SNARC効果
・言語が時間の感じ方を変える?
・時間を巻き戻す

第4章 : なぜ年をとると時間の流れが速くなるのか
・トータル・リコール(完璧な記憶)
・一〇〇〇日が転換点
・思い出の隆起
・ホリデー・パラドックス(予期と追想)

第5章 : 未来を思い出す
・イヌは来週のことを想像できる?
・起こらなかったことの記憶
・幸せになる時間志向

第6章 : 時間の流れを変える
・課題(1) 時間の流れを遅くするには?
・課題(2) 時間の流れを速くするには?
・課題(3) やることが多すぎて時間がないときは?
・課題(4) 先の計画が立てられない場合は?
・課題(5) いつの出来事か、より正確に思い出すには?
・課題(6) 将来を心配しすぎないためには?
・課題(7) 今この時を生きるためには?
・課題(8) 将来、どう感じるかを予測するには?

その他の読書メモを。

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<スタンフォード大のマシュマロテスト>
1968年から1974年まで500人以上の子供がこの実験を受けた。子供に2つの選択肢を与える。マシュマロが2個の皿と、1個の皿があり、すぐに食べたければ1個、10分待てば2個食べられる。



待ってる子の映像では、目をふさぐ子、じっと天井を見る子。なぜ待たないと2個もらえないのかと尋ねる子は1人もいなかった。子供たちはルールをそのまま受け入れた。

このテストの凄いところは、子供たちの追跡調査をしたところだ。マシュマロを2つもらうために我慢ができた子は、学校や大学、職場でもよい成績をあげる傾向があった。すぐにマシュマロを1個食べてしまった子は、ドラッグを使用したり、収入が低かったり、刑務所に入ったりしている率が高かった。この研究は現在も続いており、個々の結果がもれないよう細心の注意が払われている。

もちろんデータは平均化されてるので、自分の子供が待てなかったといって、悲観することはない。

⇒飽食の現代、今の子はマシュマロなんかいらない、と言います^^



<ホリデーパラドクス>
休暇を過ごしてる間は時間の流れを速く感じ、終わってみれば何年も出かけていたような気がする。何かがおかしいという感覚は、旅行が長ければ長いほど強くなる。これをホリデーパラドクスという。





<タイム>
「時間」は英語で最も頻繁に使われる名詞だ。私たちがいかに時間にとらわれているか、そこに見て取れる。



Xアプリ(ウォークマンのソフト)でタイムで検索すると、150曲もありました。だいたい7000曲ぐらい取り込んでるのですが、結構な確率です。どれにしようかな。やっぱり思い出の隆起かな^^

光陰矢の如し♪
時間は貴重やね♪

第二次ブリティッシュインベージョンのフラッグシップは、デュランデュランとカルチャークラブでしょう。

カルチャークラブでタイム♪
むか~しこの曲の12インチシングルを買いました。カーマは気まぐれが大ヒットして、中古相場が3倍ぐらいになり、うれしかった記憶があります。



Kissing to Be Clever

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Virgin Records Us
  • 発売日: 2003/09/04
  • メディア: CD




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