『酒のほそ道』宗達流 日本酒入門

  • 作者: ラズウェル 細木
  • 出版社/メーカー: 日本文芸社
  • 発売日: 2014/09/25
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)


【酒のほそ道 宗達流日本酒入門/ラズウェル細木/14年9月初版】
ラズウェル細木好きなんですよね。「酒のほそ道」は5年ほど前まで全巻読んでました。

さて本年最後の記事です。今年も大変お世話になりました。
新年も何卒ご愛顧のほど宜しくお願い申し上げます。<_ _>

で、今回は時節柄「おせち」や「お屠蘇」についてのメモを本書から。



まず「おせち」とは何か?
宮中の「節会(せちえ)」という行事に供される料理が発祥だそうです。おそらく「せちえ」に「お」をつけて短縮した女房言葉。それが武家に取り入れられて、縁起物としてのいわれが付いて、現在のような形になってきたという。



次に「お屠蘇(とそ)」とは何か。
屠蘇っていうのは新年に飲む酒の事ではありません。酒に数種類の薬草を粉末にした屠蘇散というものを入れて、年のはじめに健康を祝って家族全員で飲むものです。お屠蘇は三国志の時代、医者が曹操に飲ませるために調合した風邪薬が起源。それが平安時代に日本に伝わり、元旦の宮中行事で飲まれるようになり、江戸時代になって一般にも定着したという。屠蘇散には胃腸や風邪に効くと言われる漢方の生薬が使われていて、元旦に飲むと、邪気を払い1年間健康に過ごせるそうです。

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さらに伝統的なおせちのいわれについて。
「知ってるよ、おばあちゃんが教えてくれた。」という人は少なくなってきたかも。

田作り:かたくちいわしの稚魚を干したもの。田畑の肥料にすることから豊作を祝う縁起物

エビ:腰が曲がるまで長生きするように。

昆布まき:よろこぶ。

紅白かまぼこ:形から初日の出を意味し、縁起のいい色とされる。

ブリ照り焼き:ブリは成長するごとに名前が変わる出世魚。

栗きんとん:栗は勝利を祈念する縁起物。きんときの黄金色は財宝を表す。

黒豆:まめ(健康)に暮らすことを願う縁起物。

数の子:ニシンの卵。ひと腹にたくさんの卵を持つことから、子孫繁栄を願う縁起物。

れんこん:穴が開いていることから、見通しが明るいという縁起物。

ところでおせち料理には断然日本酒が合います。なぜか?おせちは保存食だから味付けが濃い。その濃い目の味を日本酒はしっかり受け止めてくれるから。

たしかに和食のすっぱい酢の物なんかは、白ワインでは合わない場合があるけど、日本酒なら、すっぱさが立ちどころに消えます。このまえ魚の酢漬け食べてた時に感じました。

燗酒の温度と特徴は以下。

(クリックで拡大↓)




ついでに三大珍味について。
まず世界の三大珍味はキャビア、トリュフ、フォアグラ。
中国の三大珍味は、ふかひれ、ツバメの巣、干しアワビ。

日本の三大珍味は何か。

徳川将軍家の三大珍味と言われたもの。福井藩から献上された「ウニ」、尾張徳川から献上された「このわた」、長崎奉行を通して贈られた「からすみ」とのこと。

ちなみにこのわた(海鼠腸)とは、漢字のとおりナマコの腸です。日本近海には200種類のナマコがいて、食用になるのは、マナマコやキンコの数種類。「このわた」はマナマコの腸を塩漬けにしたもの。腸の内部をしごいて掃除する必要がありますが、砂と一緒に内側の粘膜まで出してしまうと風味が損なわれてしまう。とてもつくるのが難しいそうです。

からすみは台湾や長崎土産で有名ですが、ボラの卵巣の加工品です。取り出した卵巣を洗浄、血抜き、塩漬けし、その塩を抜いたのち乾燥させれば完成です。



美味なるものと、旨い燗酒でゆったりとした正月を迎えたいです。皆様にも素晴らしい一年となるよう祈念致します。

この時期の定番ソングですが、クール&ザギャングでセレブレーション♪ 良いお年を。




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