なぜ酒豪は北と南に多いのか (日経プレミアシリーズ)

  • 作者: 小林 明
  • 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社
  • 発売日: 2016/08/09
  • メディア: 新書


【なぜ酒豪は北と南に多いのか/小林明/16年8月初版】


四国、九州、東北地方になぜ酒豪が多いのか?
それを科学的に証明できないのか?

面白い命題ですよね。すっきりと解決してます。

本書は日経電子版の「裏読みWAVE」という雑学コラムの書籍化第2弾。
酒だけじゃなくて、いろんな話題に切り込んでます。
カップ麺の味の好みの違いとか、ミネラルウォーターとか、カレーとか、アイスクリームとか。
読めば、「ほっほぉ~」と唸ります。


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まず酒豪が多い県、少ない県の不思議な法則について。

60対35対5。
この数字は何か?じつは酒豪、中間、下戸の比率だそうです。
日本人全体の60%は酒に強く、35%がそこそこ飲める、5%がまったく飲めない下戸。

この酒豪比率を都道府県別にまとめると以下です。
地図を見ると一目瞭然ですが、東北、北海道、九州、四国に酒豪が多く、
近畿、中部、中国に少ない。という勢力分布になる。





元筑波大の原田教授の研究によると、以下の酒豪比率になる。
アセトアルデヒド分解酵素は、遺伝子の型によって決まります。
この遺伝子の型を全国5000人以上調べ、酒豪型遺伝子の出現率を都道府県ごとに割り出した表。
秋田は酒豪が8割もいて、三重は4割しか酒豪がいない。もはや誤差の範囲ではない。




気づかれたと思いますが以下の分析と仮説になります。

・長い間日本の都がおかれていた、京都や奈良から離れているほど酒豪が多くなり、
京都や奈良に近いほど下戸が多くなる傾向がある。

・もともと日本人は酒が強い酒豪ばかりだったが、
中国大陸からやってきた渡来人によって、酒に弱い遺伝子が日本に持ち込まれた。



世界の酒豪型遺伝子について。
白人、黒人はほぼ100%。下戸はいない。
黄色人種は明らかに低く、日本は56%、中国59%、韓国72%と東アジアが低い。
ちなみにタイは90%、マレーシアは94%、フィリピン87%。

推測として、いまから3万年前に中国南部で突然遺伝子が変異して、酒に弱い下戸が生まれたのではないか。




そして下戸の遺伝子を持った渡来人は、中央権力のあった近畿地方を目指し、
九州北部から瀬戸内、近畿、中部などに多く移り住んだ。

渡来人の移動ルートにあたる地域は下戸が増えた。
この移動ルートは、海上交通が発達していた瀬戸内が多かった。

逆にこの移動ルートから離れた北海道、東北、九州南部、四国南部には、
結果として下戸の遺伝子が入り込まず、酒豪が数多く残った。




以下にその他の読書メモを。


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<ビールから苦みが消えていく>


業界に取材すると、苦みが少ない商品が増えていると。
若者を中心に消費者が苦みを敬遠しているそうだ。

ビール会社の役員曰く、少子化が進む中、大切に育てられたさいきんの若者は、
子どものころからジュースなど甘いものに慣れ親しんでおり、ピーマンなど苦い食材は、
無理に食べなくてもよいと許されることが多かった。苦みに慣れないまま大人になった。

社会に出てからも、かつては先輩と飲み会でビールの苦みに触れる機会があったが、
今では個人主義で、飲み会が減っていると。

苦み離れは日本だけでなく先進国共通だそうで。
ドイツでさえ、さいきんの若者は、ビールのレモネード割りとかコーラ割りを好むと。

ちなみにビール大手4社の主力商品の苦み表は以下。アサヒスーパードライを100の基準値としてます。






<数百本に1本のラッキーエビス>


エビスの瓶ビールのラベルには数百本に1本の割合で、当たりが出回っている。
人呼んで「ラッキーエビス」。違いはタイが2匹いること。
とくに商品が出るわけではないが、ラッキーエビスにめぐりあえたら、
その人には素敵な幸運が訪れるらしい。






<どん兵衛と赤いきつねの味の違い>


どん兵衛はつゆの味が3種類。赤いきつねは4種類。
赤いきつねのほうが、関西をより細かく分けている。









<世界のカップヌードル味の違い>


日本のカップヌードルは日本市場以外では売ってない。
世界共通のカップヌードルは存在せず、各地域の市場ごとに合わせた風味の商品が存在してる。
ローカライズのお手本。世界のカップヌードルの味は以下。






<メキシコでマルちゃんの意味>


メキシコでは「Maruchan」という言葉が、
「速い」「すぐにできる」「簡単にできる」という意味の現地語として、立派に定着している。

早々に審議を打ち切った議会を、新聞が「議会がマルちゃんした」と報じたり、
サッカーのワールドカップでメキシコ代表の速攻戦法を、「マルちゃん作戦」と呼んだりしている。




メキシコ流離婚は罪なことさ♪
結婚した次の日はもう自由の身♪
うまくいく恋を見つけるのは難しい♪


ニコレッタ・ラーソンで「恋するメキシカン」♪
メキシコ式離婚はマルちゃんという歌なんですが、邦題は「恋するメキシカン」
当時メキシコは北米に比べたら、離婚手続きがものすごく簡単だったそうで。



愛しのニコレット

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Warner Music Japan =music=
  • 発売日: 2008/05/28
  • メディア: CD



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鳥取地震びっくりしました。
緊急地震速報が、ぼくのスマホで初めて鳴った。
月額980円LTE3GBのOCN(格安SIM)でも鳴るんですね。知らなかった。
キャリアと契約してなくて、電話も050フォン(月額300円)なんですけど^^
スマホ費用は月額1300円で十分です。

高級ブランドって、欧州のメンドクサイ貴族の相手する手間賃が、価格にプラスされてます。
品質以上のコストが付加されてる。それを一般庶民が負担するのは愚の骨頂。

それと同じで、自分でスマホ設定できる人は、キャリアと契約する必要はない。
メンドクサイ情弱の相手するショップ店員コストが、価格にプラスされてる。
自分で設定できる手間のかからない人が、そういうコストを負担するのは理不尽です。


またね♪

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