フロイトからユングへ―無意識の世界 (NHKライブラリー)

  • 作者: 鈴木 晶
  • 出版社/メーカー: 日本放送出版協会
  • 発売日: 1999/10
  • メディア: 単行本


1999年の古い、マイナーな本で恐縮します。
だけど、とっても良かったので。。
NHKラジオの半年分の講座をまとめたものです。

フロイト、ユング、アドラーという、20世紀最高の思想家で、
深層心理学の3巨匠について、生い立ちや、彼らが提唱した基本的な理論体系について、
わかりやすく解説しています。

フロイトの全集なんかで挫折した人には、おすすめです(ぼくのことか)。
入門編としては最適で、深く知りたい人は、
ここから入れば全体感が俯瞰できてるので、わかりやすいでしょう。



<無意識>
意識していない自分。私の中にあって、私でない部分。
夢なんかは、無意識の部分です。
芸術や科学で、神から与えられた啓示とかいいますが、
あれは自分の無意識の部分(深層心理)からでてきたものです。
ちなみに夢判断の、試験に落ちる夢は、
おもに試験に受かった人がよくみる夢だそうです。



<心の病>
心理学の発達する前は、様々な心の病は、呪いか、神の怒りか、
魂が抜け出したとか解釈されていました。
その時代は、エクソシストやお祓いで解決すると思われていました。



<3巨匠>
フロイト50歳、アドラー36歳、ユング31歳の当時は、一緒に研究していました。
フロイトの学説と対立して、アドラー、ユングともにフロイトと距離をおきます。

(フロイト)
なんでも性にむすびつける。(リビドー)現在の問題は幼少期に原因があると考える。
男性優位。無神論。ユダヤ人。合理主義。

(アドラー)
劣等感が人間心理を読み解く鍵。権力欲。貧しい人の治療。女性優位。社会主義。ユダヤ人

(ユング)
現在の問題は目的の面で考える。箱庭療法。オカルト。ゲルマン系スイス人。東洋思想。



<生い立ち>
(フロイト)
父41歳(3度目の結婚)、母21歳の時の子供異母兄弟は年がだいぶ離れていた。
それより年上の父親を畏怖していた。8人兄弟の長男で母親に相当かわいがられた。
エディプスコンプレックスはここからでたか。

(ユング)
父はプロテスタント牧師であるが、影が薄く、
母親の家系は神秘的な宗教主義的、霊能的な部分があった。
母親を畏怖していた。赤頭巾の狼は母親でそれに呑まれるという考え方は、ここからきたか。



<ユングのタイプ分類>

人を8つのタイプに分類しました。
思考⇔感情
直感⇔感覚
上記の4パターンに内向的⇔外交的をあわせて8つです。

下記にテストがあります。自分のタイプ分析ができます。興味のある方はどうぞ。

http://www5.big.or.jp/~seraph/zero/mbti.cgi


うわさをすれば陰=シンクロニシティですが、ユングに傾倒していたスティングは、
ポリス最後のアルバムタイトルをシンクロニシティとしています。




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