葬式は、要らない (幻冬舎新書)

  • 作者: 島田 裕巳
  • 出版社/メーカー: 幻冬舎
  • 発売日: 2010/01/28
  • メディア: 新書


【葬式は、要らない/島田裕巳/10年1月初版】
日本人の大多数を占める、無宗教の人たちは、ほとんどが祖先崇拝で、葬式仏教だと思います。
ぼくもそのうちのひとりです。

いわゆる一神教の神を信じることもなく、なんとなく仏壇やお墓を拝むというものです。

この葬式仏教というのがお金がかかる。ぼくも喪主をつとめた経験があるので、
この本に書かれてる日本の葬式代平均230万円は、そのとおりだと思います。

葬儀屋に150万ほど、坊さんに戒名代で数十万、他もろもろで支出200万強でしょうが(除く香典収入)、
葬儀屋や、五戒を破戒してるお寺さんのビジネスのために、多大なる出費です。

イギリス12万円、韓国37万円、ドイツ20万円、米国44万円と比べると段違い平行棒です。

もうすでに家族葬が(近親者のみで小規模の葬式)増えてます。
うちの会社では社員の家族等の訃報連絡が毎日のようにメールで来ますが、
イメージ2〜3割は家族葬かな〜。これなら100万円強で葬式できます。

直葬(死後24時間経過後、直接に火葬場)なら、諸外国と同様に10万そこそこで、葬儀ができます。



ぼくなんか世話になった田舎の祖母や叔父なんかの葬儀には顔をださず、
なんでつきあいの薄い、取引先の家族の葬儀に出席するんだろうと常々思ってました。
ビジネスとしての意義はあっても、筋が違うような気がしてました。

僕自身8代続いてる家の長男で、田舎に墓(檀家)がありますが、
子供達にはなじみの薄い地方ですし、ぼくの代で墓を移そうかとも考えています。
この費用はだいたい5百万ほど。とほほです。

キリシタン禁令で始まった、寺請(檀家)制度は現代ではまったく不要ですし、
大乗仏教自体がいわゆるビジネスです。仏教の歴史はこの本に書いてあります。
(ぼくは司馬遼の本で仏教の成り立ちは学びました。司馬さんのほうが深いです)

結局この本が言いたかったことは、いまの葬式はビジネス(金儲け)ですが、
みなさん見栄を捨てれますか?どうしますか?という問いかけだと。

ほんとうの釈迦の教えは、死後の世界はない。今を楽しめ!です。
死者の弔い関連費用で多額の出費をするなら、子孫が有効に使うべきだと思います。
(ニーチェは神は死んだ、フロイトも無神論)

ただ心理学的な側面で考えると、なにかの宗教は深層心理にすり込むときに役に立ちます。
信じるものは救われるというやつです。

無宗教の日本人としては、祖先崇拝だけでも、なにか信じるものが、
こころの奥底にあるほうがいいような気がします。

生きていくうえでは、苦しいときの神頼みは必要です。
新興宗教にはまるより、純粋にご先祖様を信じていれば、
これが一番いいような気がします。

コストパフォーマンスよく、この純粋な祖先崇拝を子供に続けさせる道を、いま模索中です。

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