【すべては今日から/児玉清/12年4月初版】
児玉清の雑文集です。村上春樹の雑文集みたいなものです。
ざっと120編くらいあります。ページ数が250pほどなので1編2p程度です。
日経新聞をはじめ各新聞の連載や、文芸誌へのエッセイなんかで構成されています。

ぼくにとっては俳優というよりも、アタック25の司会者の印象のほうが強いです。
音に聞こえた読書家で、家にある蔵書は息子さんのあとがきによると2万冊だそうです。
最初は高校生のとき、レンガの上に板を置いて、
それを5段くらい積み重ねて100冊程おける手製の本棚だったのが、
どんどん拡張していったそうです。

そういえばジャイアント馬場も読書家で、200冊/年ほど読んでたようです。
1週間に4冊といえば、余暇はずっと読書という感じでしょう。

ある日馬場さんが、じっと手を見たまま数分間固まってました。
不審に思って「どうされました」と聞くと、文庫本を読んでたそうです^^;

ジャイアント馬場を上回るペースでの読書家の児玉さんは、
なぜかフィクション中心の読書でした。
ミステリーが大好きで、ある時点で海外翻訳ミステリを読みつくして、
それ以降は、待ちきれずに独語、英語の原書で読んでたようです。

さすがに学習院大学独文科で研究職を目指しただけありますね。それにしても2万冊。
書評番組をはじめてから献本も多かったそうですから、読んでない本もたくさんあるのかなぁ。

この本も読書好きには、たまらない1冊です。自分の趣味を賛美されると、
誰だってうれしいですよね。




【下町ロケット/池井戸潤/10年11月初版】
プロジェクトXというよりも、サラリーマン金太郎のような爽快な1冊です。
直木賞受賞の話題作なので、図書館で予約すると今まで待たされました。

最初は作品を掲載してる「オール讀物」を図書館で予約したのですが、
全文は掲載されてませんでした。が~ん。単行本の予約に切り換えです。

芥川賞は短編なので、文藝春秋に全文が掲載されるのですが、直木賞は長編だから無理かぁ。
全文掲載されると勘違いして予約が出遅れちゃいました。
予約って早めに動かないと、馬群に埋もれて100人単位で待たされるんですよね(涙)

しかし面白かった。夜の9時30分ごろから読み始めて1時30分で読了です。
(精読しても400pが4時間ほどです。字がぎっしり詰まってません)
ノンストップで本を置けませんでした。マンガ並みに面白いです。

最初の3分の1ぐらいはピンチに立たされるのですが、
あとの3分の2は、そのピンチを連続ではね返していきます。
金太郎と同じで、そんなにうまくいかんやろ~という話ばかりですが、
面白いのでよしとしましょう。

サラリーマンにとっては大人の御伽噺です。
高校生ぐらいに読ませても、
前向きな人生が歩めそうです。

面白いマンガやフィクション小説は、想像力がつきます。
つらい現実を逃避できるという効能もあります。
また池井戸氏の作品を読んでみたくなりました。
鉄の骨か空飛ぶタイヤか、おれバブか、何が面白いかなぁ。

ペトラクラークでダウンタウン   ダウンタウンすべてがあなたを待っている♪
歌詞は次のサイトでhttp://www.eigo21.com/03/pops/downtown.htm



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