邪悪なものの鎮め方 (文春文庫)

  • 作者: 内田 樹
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2014/01/04
  • メディア: 文庫


【邪悪なものの鎮め方/内田樹/10年1月初版】

快晴のGWいかがおすごしでしょうか?
ぼくはボチボチです。

ことしになって発見した(知らないことが多いなあ)ひとです。
よくわからない言葉をググッてたらヒットしました。

読んでいくうちに、こりゃこの人すごいや~となりました。
世の中の文章には、真理を提示するものはあっても、
そこからなぜなのか掘り下げた上で、自説で納得させられる人は少ないと思います。

合気道や居合道など武道合計十二段。70年代安保世代で基本思想は左派です。
右左を超越してます。

早速に図書館で、数冊この人の本を予約しました。


以下に沁みたものを抜粋要約。


(広告)





超能力や霊能力
超能力や霊能力のようなものは現に存在する。
と新聞に書いたら「と思う」を付け加えてくれと言ってきた。
じゃあ原稿はボツにしてくれと申し上げた。既存の知識や度量衡では図れないもの
(言い換えれば、科学と技術の限界)は存在しないと言い切るのは、科学的態度ではない。
ウイルスにしても原子にしても、見えないものが、なにかあると仮定して科学は発展してきた。

だいたい私たちの身に及んでくる危険のうち90%以上は、「見えないところ」を起点としている。
危険が目に見えるときはそうとう切羽詰っていると考えた方がよい。
だから危険な因子がまだ見えない段階でそれを感知する能力をみがくべし。




ミラーニューロン(脳科学)
相手がなにをしてるのかを見て反応する神経細胞。
コミュニケーション能力の低い人や他者との共感能力の低い人は、きちんと機能していない。
自閉症などある種の障害とも深い関係がある。最新の医学では、これを活性化する薬が開発された。
それを人間に注入するとどうなったか。全員が同じ幻覚をみた。それは幽体離脱である。
逆に言えば、ミラーニューロンが活性化すれば、
臨死体験で生涯に1~2度しか体験できない幽体離脱は体験できる。
他者への共感が高まりすぎるということか。




気をつけよう 暗い言葉と甘い道




未来社会
競争ではなく、共生の原理が支配する場。パイの拡大よりパイのフェアな分配が優先的に配慮される社会。
全員が飢え死にする日まで、ひとりも飢え死にするもののいない社会。
私的利益と公共の福利が同じものとして追求される世界。
そのような原理で構築されるべき。
ジャンジャックルソーもトーマスホッブスもジョンロックもおなじことを言っている。
しかし一気に社会的公正を実現しようとすると、
大量粛清か強制収容所を政策的に採用しろくなことにならない。
急いではいけない。




労働のモチベーションのある人
仕事には、「私の仕事」と「あなたの仕事」と「誰の仕事でもない仕事」がある。
「誰の仕事でもない仕事は私の仕事である」という考え方をする人を、働くモチベーションがある人という。

あなたの隣人を愛すようにあなた自身を愛しなさい
まず自分を愛してください。自己卑下や自己嫌悪からついに自分探しのたびに出たり、
他人から評価されることでしか自分を愛せない人が多すぎる。
そういう人は権力や財貨や知識や技芸で他人から承認されることに汲々としている。




子供をほんとうに生き延びさせたいなら、親は以下の三つの能力を優先的にみにつけさせるべし
なんでも食える
どこでも寝れる
誰とでも友達になる

食えるものと食えないものを瞬時に判定できる能力
危険が満ちている世界で、緊張の緩急を使い分けれる能力
愚鈍な人や、邪悪な人を回避できる、人を見る目を養う




ぼくも幽体離脱してみたいです。
アイインザスカイ/アランパーソンズプロジェクト
アコースティクバージョンです。



(広告)