教師はサービス業です - 学校が変わる「苦情対応術」 (中公新書ラクレ)

  • 作者: 関根 眞一
  • 出版社/メーカー: 中央公論新社
  • 発売日: 2015/07/09
  • メディア: 新書


【教師はサービス業です/関根眞一/15年7月初版】

ぼくらが子供のころは、「先生のいうことはよく聞きなさい」と親に言われてました。
それから、子供のけんかに親は出てこなかった。

いまはちょっとケガさせたら、すぐ親が出てくる。
こういうと何ですが、母親が熱くなるケースが多い。
むかしは父親がつよくて止めたけど、今は母親の意見が勝つ。

お父さんは尻にしかれてる。というか仕事のことでいっぱいで、どっちでもよかったりする^^
個人的には、強い母親がモンスターペアレントの一因かなとも思ってます。



本書は西武百貨店のお客様相談室長だった著者が、
日本教育新聞に連載した記事をまとめたもの。
クレーム対応のテクニックを教えてます。
そういう時代になったと認識して、先生方も組織だったクレーム対応をする必要があると。


目次は以下。

第1章 追い詰められる教師たち
第2章 保護者は苦情を“やむなく”言っている
第3章 保護者対応マニュアル“基本編”
第4章 保護者対応マニュアル“実践編”
第5章 苦情対応力の強化に「ロールプレイ」
第6章 状況別対応マニュアル
第7章 苦情対応の最新事情
最終章 サービス業として開きなおれ!



以下に読書メモを。

(広告)




<苦情対応の基本七か条>・・・詳細は本書にて。

基本姿勢:相手の立場になって考える。「常に自分に当てはめて考えよ」

1.保護者の申し入れは、まずはすべて苦情として受け入れる。
2.相手は困っているのだから、話は素直に聞くべし。
3.話している間、話の腰は絶対に折らない。
4.対応には誠意をもって。誠意とは正直に話し、実施すること。
5.正しいと思われる判断をしつつ、上司へも必ず報告。
6.悩んだとき、上司や同僚以外に相談すると、思わぬ解決策を得られることがある。
7.解決しなければ、くよくよ悩まずに寝る。明け方に良い案がひらめくことが多い。

(怒りを買う話し方)
・話の腰を折る
・責任転嫁
・知ったかぶり
・相手の不安に気づかない

(許される話し方)
・相手のペース(怒った早口)に合わさない
・言ってはいけない(相手がカチンとくる)言葉をインプットしておく
・相手の勘違いや間違いはフォローする
・無理難題には「間」で対応(5~7秒間をあけて回答する)
⇒黙って考え込んだ様子を見せることで無理な注文であることを、間接的に知らしめる効果が生まれる




<録音に関して>
無断録音自体は法的には特に問題ない。
録音した音声は証拠になるが、それ自体で裁かれることはない。
話をしていて相手に誠意を感じられない場合、一時席をはずしてトイレで録音の準備をし、
臨むのはひとつの手段。今はスマホで簡単に録音できる。




<百貨店における苦情の特徴>
商品に関する苦情は15%にすぎず、人の絡んだ苦情が6割を占めている。








<偉人たちの通信簿や教師の評価>

「ひどい出来だ。彼はまったくやる気を見せない」
⇒クマのプーさん作者となる12歳ミルン少年


「ほかの子とトラブルばかり起こす。大変に能力はある。だが彼には意欲というものがない」
⇒ウィンストン・チャーチルが9歳のとき
(10歳のチャーチル)



「失敗への道を着実に歩んでいる。望みはない」
⇒ジョンレノン
(子供時代のジョンレノン)





<アメリカの教師を取り巻く事情>
アメリカではヘリコプター・ペアレントと呼ばれる親がいる。
親離れをしてもいいような年齢の子供、たとえば大学生に対してであっても、
頭上を旋回するヘリコプターのように離れず、何かあればすぐにちょっかいを出す。
過保護な親を意味する。

アメリカの学校問題について。アメリカで起きる学校問題の多くは訴訟にまでいたる。
子供を守るためというより、補償や慰謝料を取ることが主目的。
それに対抗すべく教師側も躊躇なく訴えている。

まず日米は訴訟件数が違う。日本は年62万件、アメリカは1800万件。
日本で訴訟を起こすのは207人に1人、アメリカは17人に1人。

アメリカではスクールソーシャルワーカーによるサポートシステムが進んでいる。
彼らは学校と保護者、子供の間に立つ。日本でも必要性が訴えられ導入が始まった。

⇒クレーム対応のプロを間に置いたほうがいいでしょうね。双方快適です。コストかかりますが^^




<教師に対する全国調査>
・教員は相変わらず保護者からの苦情対応に多大なストレスを感じている
・回答者の3割は管理職の姿勢は毅然としていない、保護者の味方をすると回答
・教育委員会作成の苦情対応マニュアルは6割以上が役に立たないと回答
・教師を目指す学生に保護者問題について学ばせておく必要があると8割が回答




先生あなたは♪
かよわき大人の代弁者なのか♪

尾崎豊(65年生まれ)で卒業♪ 今になって思うと1学年人口が多く、過当競争世代です。
65年~76年生まれは1学年180万人以上いるんですよね(除く丙午)。
ぼくの息子の代で140万人、2014年の出生数は100万人。
大学や企業には入りやすくなるけど、国際競争力は落ちると思います。
たしか1967年生まれは、学力テストで日本が世界一です。バブル世代と呼ばれてますが。





回帰線

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: ソニー・ミュージックレコーズ
  • 発売日: 1991/05/15
  • メディア: CD




関連図書:
【完全いじめ撃退マニュアル/平塚俊樹/12年10月初版】
http://donhenley.blog.so-net.ne.jp/2012-11-17

【ビジネスマンが読む子供が勝ち組になる本/和田秀樹/11年12月初版】
http://donhenley.blog.so-net.ne.jp/2012-01-21

【定職をもたない息子への手紙/ロジャー・モーティマー/15年2月初版】
http://donhenley.blog.so-net.ne.jp/2015-04-28

【子育てが終わらない/小島貴子+斉藤環/12年7月初版】
http://donhenley.blog.so-net.ne.jp/2012-09-25

【督促OL修行日記/榎本まみ/12年9月初版】
http://donhenley.blog.so-net.ne.jp/2013-03-16