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【トランプ大統領で世界は発狂する】~日本への影響は? [本/歴史地政]


崩壊するアメリカ ~トランプ大統領で世界は発狂する! ?

崩壊するアメリカ ~トランプ大統領で世界は発狂する! ?

  • 作者: 横江 公美
  • 出版社/メーカー: ビジネス社
  • 発売日: 2016/04/08
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)


【トランプ大統領で世界は発狂する!?崩壊するアメリカ/横江公美/16年4月初版】

まず最初にトランプ語録です。

「移民なんかくそくらえ」

「すべてのイスラム教徒のアメリカ入国を拒否すべきだ」

「メキシコは問題のある人間を米国に送り込んでくる。彼らは強姦犯だ」

「メキシコの国境に万里の長城をつくる」

「クリントンとモニカの一件は美しくない。
もっと美人とやっていたら国民も許してくれたかも。ケネディとマリリンモンローとは、レベルが違うもんね

「中国や日本、メキシコを貿易で打ち負かす。彼らは我々から大金をむしり取ってる」

「メキシコや日本や中国には貿易で制裁を科す」

「ビル・クリントンがやった北米自由貿易協定を廃止し、
いま提案されているTPPもゴミ箱に放り込むことを、皆さんに誓約する」

「金持ちだけど恋人がいない奴らを何人も知ってる。理由はカネがあってもちっとも魅力がないからだ。
女性は魅力的な男を求めてるんだ。吸引力の話だよ。それから尊敬できる相手であることもだな」

仕事と遊びのバランスをとろうなどど思うな。それより仕事をもっと楽しいものにしろ

「あなたが今どんな職業に就いていようと、情熱的に取り組んでいれば奇跡は起きる。
正しい人物とめぐり合い、その人の目にとまるのだ。私は何度もそういう実例をみてきた」

「運命の転換にどのように対処するかが、勝者と敗者を分ける」

「いろんな人間がいるけどできるだけ相手と仲よくすること、またフェアであること」

世の中に信じる者はいないと思え。この私でさえも絶対信じるな

経験と実績がない場合、エネルギーと情熱を売り込むべきだ


ビフのモデルはトランプ氏だそうです。
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続いてトランプが大統領になった場合の日本への影響をざっと要約します。

本書では8pほど書かれてました。

ワシントンポストが、トランプ誕生を心配する国の1つとして日本をあげるほど、日本の立場は深刻。
日米同盟について。トランプが重要視するのはビジネスの視点。
日米同盟を費用対効果で考え、アメリカにどれだけの利益があるか、せめてトントンでなければならない。

まずは負担金の増額。増額しても尖閣有事の際にアメリカは日本のために戦うのか?
日本は「独力」の部分を増やしていく必要がある。
米軍が日本から撤退することはない。アメリカの雇用に貢献していないわけではない。
国際貢献は求められる。ISISに対して、資金提供、軍事的協力などあらゆることが要求される。
とにもかくにも日本独自の安全保障能力を上げる(軍事力増強)ことが必要になってくる。

「アメリカは世界の警察ではない」ことは、もはやアメリカの常識になった。
仮にヒラリーが大統領になったとしても、4~8年のモラトリアムにすぎない。
トランプイズムはアメリカ外交の潮流となり今後も続く。日本の防衛力増強は必須課題になる。

つづいて経済について。
トランプの立場は一貫して保護主義。自由貿易はアメリカの雇用を奪っていると主張。
貿易交渉にあたる政府だけでなく、グローバル企業にとっても深刻。
アメリカの雇用と税金に貢献することをさらに求められる可能性が高い。
外国製品に対する課税強化、グローバル企業への課税強化、ドルを外国に移す場合の課税強化、等々。



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(日高義樹の7月の新刊から追記)
つぎの大統領候補、トランプは主張する。
「日本は安全保障をアメリカに頼り切っているが、経済ではアメリカと対等にやっているのだから、
中国から攻撃されたら、自分で北京まで攻め込んで戦う決意を持つべきだ」
「在日米軍費用は、全額日本が負担すべきだ」

ふんだんな経済力(かつて世界のGDPの30%)をもって軍事力を行使してきた、
アメリカの時代は終わりかけている。

アメリカ人は、世界の警察するのは疲れたと思っている。
とくに日本をアメリカの軍事力で守り続けることには、厳しい批判があちこちから出ている。

「アメリカは日本をなぜ守り続けるのか。
アメリカは日米安保条約によって日本を守り、日本が経済的に発展するのを助けてきた。
そしていま日本は、経済的にアメリカと対立する格好になっている。
アメリカは何のために日本を助けてきたのか」

「日本はいつまでアメリカに守ってほしいと思っているのか。
いつになったら自分で自分の国を守るようになるのか。その意志があるのか」

沖縄基地についても、米海兵隊の首脳は維持したいと思ってるが、
アメリカ国民は沖縄基地を維持することが、重要だと考えてない。

著者がワシントンのパーティーや会合でよく耳にする話。
「沖縄にいるアメリカの若者をできるだけ早くアメリカに戻したい」
「日本人と日本政府は、米軍にいつまで沖縄にいて欲しいと思ってるのか」
アメリカ国民の多くが、海外にアメリカ軍を派遣することに批判的。

トランプ発言は、その声を集約してるにすぎない。

11月8日トランプ大統領が決定すれば(親中ヒラリーよりはマシ)、
在日米軍の費用負担が現実化します。もう目先まで迫っている。

日本の追加負担はググると約6000億円/年ぐらい。
現状の防衛費はGDPの1%で5兆円ほどなので、いうほどゴッツイ金額ではない。

在日米軍というのは、じつは日本だけでなくアメリカにもメリットがある。
ロシア、中国、北朝鮮を封じ込めるに、日本は絶妙の場所にあって、
これがないと、核を持った潜水艦がアメリカの近くまでやってくる。

在日米軍基地は、アメリカの安全保障にも必要なもの。
その意味で、日本が追加負担するべきなのか疑問は残る。

トランプは第7艦隊のコストまで、日本側に分担させようとしている。
第7艦隊は空母「ロナルドレーガン」、電子戦闘艦「ブルーリッジ」など横須賀中心に8隻配備。
第7艦隊支援艦(病院船や潜水艦母艦など)が10隻日本各地に。
佐世保と沖縄には大型の上陸用艦艇がいる。

・艦艇寿命50年で割り、1年あたり十数億ドルを日本負担
・第7艦隊1万数千人の給料負担も日本負担
・海軍だけでなく、海兵隊の費用と給料も日本負担
(米は陸、海、空、海兵隊で4軍)

さすがにこれはちょっと・・・
第7艦隊には、日本だけでなく米国も守られている。

「日本を守る核の傘」、核抑止力の問題について。
アメリカで起こっている、日米安全保障不要論。
これまで日本を守ってきた、強力な「核の傘」が消えることを意味する。
核兵器を製造することはたやすい。しかし保有するだけでは効果的な抑止力にならない。

全米各地に、1メガトンの核弾頭を10搭載するミニットマンミサイルを450基展開。

14隻の原子力潜水艦をすべて太平洋に展開させ、中国の軍事基地を狙っている。
ステルスB2やB52Hなどの戦略爆撃機による核攻撃体制の維持。

あたりまえの話ですが、これらが日本を守っている。
中国やロシアと、お互いがナイフを突きつけてるから、ケンカが起こらない。
相手の口車に乗ってナイフをおさめたら、チベットやウイグルみたいになる。
けっして憲法9条が日本を守ってるわけではない。

4月27日のトランプの外交政策スピーチ。
「平時の世界標準であるGDPの2%の防衛費負担を、日本を含むほとんどの同盟国が行っていない」

日本だと約10兆円。
現状は約5兆円、GDPの1%相当。
日本はこれから楯だけじゃなく、矛(ナイフ)が必要。
日本を殴ると、殴り返される。目には目をじゃないと、ならずもの国家は退かない。

日本が取るべき選択は、
アメリカ、インド、オーストラリアと連携して、アジア版NATOのようなものを目指す方向。

トランプに対しては、「日本はこれらの目的のためにカネを使う。それで問題はないだろう」
と直談判する。もしアメリカに要求されるままに「カネだけ出します」というのは情けない。
「日本は俺たちと一緒に戦う気はないんだな」と。いよいよ見切られる。

国論は割れる。
9条改正の雰囲気醸成にあと30年かかると思うが、外部環境の変化は待ってくれない。
日本はいま、どうすべきなのか。
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以下にその他の要約読書メモを。


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<白人比率>
2000年前半までは、アメリカの人口の白人比率は4分の3を超えていたが、今では55%ほどである。
すでに子供の人口統計では、マイノリティの合計のほうが白人よりも多くなっている。




<オバマは弱い大統領ではない>
2期目の大統領にとってレームダックというのは、選挙を考えずに、
自らが信じることに突き進める特別な時。この視点が日本では見過ごされている。

ここ50年間で2期目を満了した大統領は3人しかいない。ブッシュJr、クリントン、レーガン。
ブッシュはリーマンショックとイラク泥沼化で稀に見る不人気、クリントンは不適切な関係、
レーガンはアルツハイマー、でそれぞれレームダックを享受できなかった。

それに対してオバマは支持率は50%以上と伸ばしている。
オバマはここ数年で特筆すべき業績を上げている。
オバマケア、キューバ国交回復、広島訪問・・・




<尖閣について>
2014年4月、オバマは日本を訪問した際に「尖閣は日米安保5条の適用範囲にある」と明言し、
大きなニュースになった。しかしこの発言のあとオバマは、「だからそんな状態にならないように」
と安倍首相にくぎを刺したのだが、これはニュースにならなかった。
尖閣諸島を狙う中国との武力衝突は避けたいという本音が透けて見える。




<対テロ作戦に軍事力は効果がない>
アメリカは対テロとの戦いにおいては、地上戦を含む大規模な軍事作戦は効果がないと思っている。
ワシントンポストのコラムニストが、ホワイトハウス、省庁、議会の関係者にインタビューを行ったところ、
対テロに関しては、軍事力に頼るやり方は効果がなく、地域の犯罪者の取り締まり強化の手法が、
効果を上げているという。以下の3つが重要なポイントと考えている。

①アメリカは対テロにおいては先頭に立たない
②地域コミュニティの連携。町のイスラム教のリーダーと警察の連携で未然に阻止する
③テロリストに関するデータベースの作成

国防長官を務めたパネッタは、「フランスの失敗は、情報網の構築の失敗だ」とインタビューに答えた。




<軍人を戦死させたくない大統領>
アメリカの大統領が最も恐れていることは、戦死者の数が増えることだと言われている。
朝、執務室の机の上に置かれる最初の書類は前日の戦死者の数である。
ベトナム戦争の撤退は、戦死者の数と戦費の額がアメリカの我慢の限界を超えたからだ。

アフガニスタンとイラク戦争を始めたブッシュ大統領時代に戦死した兵士の数は575人(アフガンのみ)、
一方オバマが政権について終戦宣言するまでの間に1500人以上の兵士が命を落としている。
兵力を増やしたにもかかわらずアフガンの治安は収まることなく、命を落とす兵士の数ばかりが増えた。

アフガンとイラクとの戦争を始めたブッシュ大統領は、戦死した兵士の家族を訪問していた。
一方オバマは、戦死した兵士の遺体がアメリカ国旗にくるまれた棺に納められて、
アメリカの基地に戻ってくるのを出迎えていた。

オバマもブッシュも冷戦時代以前の大統領に比べると兵士への思いが深い。
ブッシュは戦争の報告を聞き目に涙をため、オバマは夜中の2時に兵士の亡骸を迎え、
夜明け前に戻り通常の業務を行っている。




<無人機攻撃>
ブッシュ政権時代の無人攻撃が52回だったのに対し、オバマの指示による無人攻撃は、
2015年4月現在で450回を上回っている。
ブッシュの時代はテロ:市民の誤爆比率は3:2であったが、オバマの時代は4:1と性能が向上している。
戦地でも無人偵察機が主流で、パイロットがのった飛行機が偵察に行くことはないと言えるほどだ。

ノースダコタの空軍基地は、この4年で完全に様相が変わった。
2010年までは通常の飛行機ばかりだったが、今は無人機しかない。
ここで働く1700人全員が無人機の運営に関わっているという報道まである。
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<リクルートはビデオゲーム大会で>
ワシントンの夏の風物詩である、コンベンションセンターでのゲーム大会。
オタクや子供たちに混じって、軍服姿がやたらと目立つ。
無人攻撃機のようなハイテク化する軍では、高度な技術をもつゲーマーこそが最強の兵士。
軍にとってここは、新しい時代の軍人を獲得する場所なのである。

だがゲームオタクに戦争をする覚悟ができているかというと、そうではないというのが共通認識。
そのため無人機パイロットに対する心のサポートのための体制づくりが急がれている。
また、ゲーム大会での軍人募集には批判も出ている。




<アメリカの世代論>
アメリカの世代論では、以下の3つが共通項となっている。
①20年ごとに4つの世代が繰り返し出現。80年が世代論の1サイクル。
②40年ごとに支配する政治思想に変化が現れる。
③80年ごとに新たな技術が誕生し、かつアメリカが1つならないと勝てない困難を迎える。

①の世代論をもう少し詳しく。
1940~1960年生まれ理想主義世代
1960~1980年生まれ反抗世代⇒ジョネレーションX世代
1980~2000年生まれ市民社会世代⇒ミレニアル世代
2000~2020年生まれ順応世代

1980~2000年生まれは「ミレニアル世代」、「レディガガ世代」と言われ、
この世代の価値観がアメリカを席巻している。
「私を中心に回る」「あなたはあなたのままで完璧なのよ」「ありのままの姿で生きている」
レディガガ世代は、親から非常に愛されて育ち、自分に自信を持っているのが特徴。
反抗世代はジェネレーションX世代と呼ばれている。日本では新人類と言われていた世代だ。
この世代はそれほど親に可愛がられなかったこともあり、自立心が強いことが特徴。

両親に恋愛相談ができるか?
したことがあるのがミレニアル世代。そんな恥ずかしいことはできないというのは前の世代。
ミレニアル世代は大事に育てられたので、両親が大好き。
ミレニアル世代の親は、マイケルジャクソンやマドンナを聴き、
日本ではバブルを経験し、様々な意味で社会経験が豊富。
親が遊び方を知ってる世代なので、ミレニアル世代にとっても、両親と過ごす時間が楽しいのだ。

ミレニアル世代は両親と毎日電話で話したり、週末に両親と一緒に食事するのがアメリカでは一般的。
日本でも著者が大学の授業でレディガガ世代の話をすると、多くの学生が「うちも同じ」と。
アメリカでは20代の親離れ子離れを助ける番組リアリティショーがあるぐらいだから、
自立することがある意味課題。




振り返ってあなたの顔を見て♪
わたしは残ることにしたの♪
あなたのことは必要じゃない♪
それはわかっておいて♪

さいきんMTVでずっとかかってる曲です。さっきもかかってました。
今の時代、かなりグッとくるmvだったので、記事に関係ないけど貼っときます。
ダイバーシティとは何か?ぼくは、「赦す」ことだと思います。
あなたは、価値観のちがう人を赦すことができますか?
KygoでStay♪


ノルウェーのkygoはトロピカルハウスDJです。癒しのハウス。
ぼくはやっぱり、EDMは80年代がいい^^;

Cloud Nine

Cloud Nine

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: B1 Re
  • 発売日: 2016/05/13
  • メディア: CD



(関連記事)
【世代論の教科書/阪本節郎、原田曜平/15年10月初版】
http://donhenley.blog.so-net.ne.jp/2015-12-08

【2020年世界経済の勝者と敗者/ポール・クルーグマン、浜田宏一/16年1月初版】
http://donhenley.blog.so-net.ne.jp/2016-03-22

【なぜフランスはテロ攻撃を受けたのか?】
http://donhenley.blog.so-net.ne.jp/2015-11-14-1

【㈱貧困大国アメリカ/堤未果/13年6月初版】
http://donhenley.blog.so-net.ne.jp/2013-11-05

【米国製エリートは本当にすごいのか?/佐々木紀彦/11年7月初版】
http://donhenley.blog.so-net.ne.jp/2011-09-18

今年の本屋大賞4位の作品、「永い言い訳」読みました。
ざっと3時間ぐらいで読めるノンストップ本。
個人的には、漱石の「こころ」を彷彿とさせる。おすすめです。

またね♪




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コメント 4

青山実花

分かります!
私の知り合いのミレニアル世代の若者と
全てがあてはまります。
彼らはとにかく両親が大好き。
その両親は親というより、
趣味に生き、
その生き方を子供に見せているので、
子供も自ずと同じものが好きになり、
一緒に行動してる、って感じで。

親とは反抗するものだと思っていた私には、
とても羨ましく思うことがあります。

by 青山実花 (2016-06-08 08:12) 

don

青山実花さんこんにちは~
ぼくもすごく納得しました。
自分だけの感覚かと思ってたのですが、
アメリカや日本では、同じ現象が起こってるんですね。

個人的には、早く自立した方が成熟が早いと思いますが・・
[__犬]

by don (2016-06-08 12:44) 

heroherosr

もし、トランプさんが大統領になっても公約を実現することは無理があるから、普通な大統領になると思います。
しかし、日本もハトポッポを首相にしてしまった過去がありますからね、立候補する方も投票する方もレベルが落ちているってことでしょうね。
by heroherosr (2016-06-08 20:25) 

don

heroherosrさんこんにちは~
ポッポはひどかったですよね。菅さんもひどかったけど。
民進党がまともになって、2大政党制になってほしいけど。
どうでしょうねぇ・・
[__犬]
by don (2016-06-09 12:28) 

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