10年後に食える仕事食えない仕事 [本/Biz経済]
【10年後に食える仕事食えない仕事/渡邉正裕/12年2月初版】
近所のくまざわ書店のビジネス本ランキングで今週2位です。読むと凹みます。
なんのとりえもなく、紙とエンピツ、人間関係と要領だけで職を得てるぼくのようなサラリーマンは、
思いっきり淘汰されそうです。
子供らが社会にでるまでは、なんとか今の給料レベルを維持してほしいと神にも祈る気持ちです。
神様お願いします。
この本の趣旨は、グローバルに競合する産業はグローバルな賃金に収斂していくということです。
グローバルな賃金とは製造工で、中国400ドル/月、インド200ドル/月、
ベトナム80ドル/月、ミャンマー20ドル/月です。
もちろん職種によって違いますが、中国やインドでざっと日本人の10~20分の1レベルです。
(購買力平価ではそんなに大きな差はありません。物価はそれぞれの国は安いですから)
ただしグローバル化がいくら進もうが、
日本は内需国でもあり日本に残り続ける仕事は必ずあり、
そのブルーオーシャンを目指していくべし。
そのポジションを得られなければグローバル化により、
「減る仕事、賃金相場が限界まで下がる仕事、丸ごと無くなる仕事」の領域になってしまうとの事。
著者の分析によると2010年の国税調査の職業分類で、
72.5%(4224万人)がレッドオーシャンに該当するそうです。
う~ん確かにグローバル化の破壊力はすさまじいです。今の日本の惨状は、
僕が入社した20数年前には想像できませんでした。
まさかJALが倒産したり、日本の誇る家電メーカが総崩れになるなんて。
造船、鉄鋼、自動車なんかも低賃金、為替安の韓国、中国にシェアを奪われてますしね。
かつて高給を謳歌した都銀でさえ統合のたびに給料水準が下がってるみたいですし、
金融もグローバルですもんねえ。。
以下に読書メモを。
<銀行員の給料は激減>
国際的な金融自由化にともない、過去10年で旧都銀の給与水準は激減した。
30歳で年収1千万だった時代は10年前に終わり、
メガバンクへの集約・統合のたびに水準は切下がり、
いまやトップの三菱東京UFJ銀行でも、
過半数の30歳行員は基幹職コースでさえ600万円台であり、メーカーと大差なくなっている。
<グローバル化時代の職業マップと代表的職業>クリックで拡大します。
<政府としてするべきこと>
①無国籍ジャングル人材の優遇
青色発光ダイオードの中村さんのような人材の流出を防ぐ。
具体的には研究開発投資減税の恒久化、企業内研究者の発明対価に有利な条件を確立する法制化
②経済的規制の撤廃
縦割り行政による縄張りで、相互参入ができなくなっている。これを撤廃させる。
たとえば「青いバラ」のサントリーの研究所が米、野菜、果物の品質改良を手がけたら。
たとえばトヨタが農業参入し、少量多品種の生産を効率的に行う「トヨタ生産方式」が導入されたら、
ジャストインタイムで世界一低コストの「トヨタ米」を作るだろう。
分単位で営業を管理するキーエンスには農産物の営業をやってもらう。
③負の雇用貢献税で雇用を国内化する(雇用の流出を防ぐ)
マーチをタイで生産し国内生産比率が3割をきってる日産と、
国内生産比率が45%と業界一高いトヨタが同じ税率ではいけない。
トヨタに減税、日産に増税となる全体で中立になる税制にしないと雇用は流出する一方である。
④単純労働者はギリギリまで受け入れない
建前上は日本は単純労働者の受け入れを認めていない。
だけどその割にはコンビニやファミレスに中国人が多いのはなぜか(理由は省略)。
今後年金支給開始年齢は70に収斂されるとみる。60代の雇用は社会問題化する。
単純労働は彼らのために残しておくべき。
⑤負の所得税による再配分
所得が低い人には所得税をかけるのではなく、逆に所得を補填する。
バラマキ型の現在の生活保護の仕組みよりはるかに優れている。
年収50万円でも、とにかく働いて自力で稼げば、補填分と併せた総額が増えていくと言う仕組み。
P.S.著者が「最後の楽園」とよんだ東京電力はあんなことになりました。
マトリクスでいくら、ここだ!と選んでも何がおきるかわからないのが人生です。
「人事を尽くして天命を待つ」しかないのでしょう。
アラバマの85年のヒット曲で40 hour weekです。
この曲にはたぶん13個以上の仕事が紹介されていますが、
いまアメリカの25歳未満の失業率は18%です。(日本は8%、11年8月調べ)
あのときのアメリカの日本に対する気持ちがよくわかる今日この頃です。
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私が社会に出た頃と比較しても
ずいぶん産業構造は変化し
職業も新しく生まれたり消えたりしていますもんね。。。
また職種の人口比率も劇的に変化しています。。。
子供たちに「アレを目指したら?」なんてアドバイスは禁句ですね(^w^)
by rtfk (2012-03-10 15:24)
うーむ、難しい問題ですね。
でも、ひとつだけ言えるとしたら、世の中の99%以上の人たちには、
恐らく飛び抜けた才能や取り柄などというものは無いんじゃないか。
・・・そんな風に思いますが、如何でしょうか?
だから、紙とエンピツ、人間関係と要領はこの先も重要なツールで
あり続けるものと思います!^^;
ところで、これからの日本はイバラの道ではないかと危惧します。
そしてそれは、どんな職業についていようが、基本的には大同小異
かもしれません。日本そのものがピンチを迎えそうですから。
次世代を担う子供たちには、「大切なものは何か?」だけでいいから、
しっかりと身につけて欲しいと切に願います。
by song4u (2012-03-10 18:40)
rtfkさんこんばんは!
むかしはよく、一寸先は闇、とかいってましたよね。
最近あの言葉をあんまり聞かなくなりました。
子供にそういうことを言ってしまいがちですが、
選択肢としての提示はともかく、一点張りのアドバイスは
禁句でしょうね。暗転した場合に、自分の判断なら納得もいくでしょうけど。
by don (2012-03-10 19:20)
song4uさんこんばんは!
努力すればそれなりの一芸は身につくのでしょうが、
ぼくなんかはもう手遅れです(笑)
日本はピンチですが、円安でほとんどの悩みは消えるような
気がします。中国の個人主義(50の民族の50の言語)や
インドのカースト制度なんかで、彼らにはサービスの概念が
ありません。もちろんチームプレーができず、転職癖により
組織に技術が残りません。
韓国でさえ。。まあ三星や現代なんかの30代のフロントマンは
よく勉強していて優秀だけど、チームとしてはどうか。
まずデフレを脱却し円安にさえ振れば、日本は製造立国として
復活すると信じています。今年の(予想される)総選挙が楽しみです。[__揺れるハート]
by don (2012-03-10 19:30)
読書メモを拝見しているだけで、私も凹みそうになりました。
私は所詮何も作り出すこともしていない虚業に従事しておりますので、10年を待たずして淘汰されそうですね。
by 伊閣蝶 (2012-03-10 19:45)
潰しの利かない職業は駄目ってことですね~!
でも、そんなのは早々無いでしょうけど・・・?
by yukky_z (2012-03-10 21:20)
お久しぶりです!グローバルですねえ(;_;)
by nilp (2012-03-10 22:02)
こんばんは。
私の居たアパレル業界なんてグローバルを翳されれば何の意味ももたない業界でしょうねえ。
でもいつか復帰しますよ、懲りずに。。。。
by mignon (2012-03-10 23:36)
これから世の中どうなっていくのかなと時々こわくなります。
今だって、やっと生きているのに..^^;
by miyoko (2012-03-11 00:09)
確かに、へこみますね・・・・(・_・;)
by seawind335 (2012-03-11 01:06)
伊閣蝶さんこんにちは!
いっしょに凹ましてしまって申し訳ありません。
虚業とご謙遜されてますが、実際に現場でものづくりに携ってる人は
一握りだとおもいます。なんとか多くの仕事を、10年以上食える仕事に
していきたいですね^^
by don (2012-03-11 17:59)
yukky_zさんこんにちは!
替えのきかない仕事や人材ってあんまりないのかもしれません。
引継ぎで担当が替わっても、たいがいなんとか回ってますしねぇ。
多少のパフォーマンスの低下は、チームでフォローしたりするのが、
日本のいいところだと思います。
by don (2012-03-11 18:03)
nilpさんこんにちは!
ほんとに久しぶりですね!PLAYLOGが終了してそろそろ1年です。
男子三日会わざれば刮目して見よ、と言いますから、
色々と成長されたのだと思います^^
これからの人生楽しみですね!
by don (2012-03-11 18:08)
mignonさんこんにちは!
アパレルといえば、ユニクロを思い出します。
ユニクロに限らず、ブランドの服やカバンを買っても
タグはメイドインチャイナですもんねぇ。
企業が利益を出すにはしょうがないんでしょうね。。
by don (2012-03-11 18:13)
miyokoさんこんにちは!
たしかに将来について考えると不安が多いですね。
たぶんデフレが長くつづいてるからかなぁ。
by don (2012-03-11 18:15)
seawin335さんこんにちは!
凹んだあとに凸になりましょうか!!
この世は波で、必ず盛り返すはずです(たぶん)。
by don (2012-03-11 18:17)
難しいですねえ、グローバル化が進むと企業が海外に流れると共に海外から人材が国内に流れ込んできそうですから、日本に残り続ける仕事であってもよほどのスキルが必要な仕事でなければブルーオーシャンになれないでしょうし、そうなると27.5%ではすまないのではないでしょうか。
by heroherosr (2012-03-11 18:41)
懐かしい!アラバマのこの曲が入ったレコード持っていました。
実家にあるかなぁ~
私は86年からトヨタで働いていました。
あの頃円高、円高でコスト削減大変、
そして貿易摩擦も深刻でした。
でもあの頃GMはトヨタのソアラ、スープラを部品レベルで解体し
アメリカ人が凄く驚いていました。
しかしそれ以降アメ車の品質は格段に向上しました。
日本は貿易立国だけど
そろそろ製造業の比率を下げ社会の構造を変えていかないと大変ですね!
アメリカは上手に乗り越えたと思っています。
by せいじ (2012-03-11 19:45)
heroherosrさんこんばんは!
一応著者の分析では、高度な日本語を駆使する必要の
ある仕事が27.5%です。日本語の障壁があるとしてます。
ぼくの感覚からすると、50%以上ありそうだと思ってたの
ですが(希望的観測)。。[__もうやだ~]
by don (2012-03-13 21:51)
せいじさんこんばんは!
アラバマのLP持ってましたか。珍しいですね。
洋楽ファンでもアラバマ好きな人はあんまりいないですからね^^
85年以降はプラザ合意で、大幅円高に振れますから、多くの
製造業が苦しみましたよね。とくに造船がひどかった。
天下のトヨタでお勤めでしたか、世界をリードする会社として
貴重な経験をされてますね。
個人的には、今でも日本人の気質は製造業に向いてると思ってるので、
なんとか円安で再び製造立国復活としてほしいところです!
by don (2012-03-13 22:00)