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あなたは、今の仕事をするためだけに生まれてきたのですか [本/Biz経済]


あなたは、今の仕事をするためだけに生まれてきたのですか ―48歳からはじめるセカンドキャリア読本

あなたは、今の仕事をするためだけに生まれてきたのですか ―48歳からはじめるセカンドキャリア読本

  • 作者: 伊藤 真
  • 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社
  • 発売日: 2015/06/18
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)


【あなたは、今の仕事をするためだけに生まれてきたのですか/伊藤真、野田稔/15年6月初版】

先週号の「日経ビジネス」編集長の視点で紹介されてた本です。
というよりメインの特集自体が本書とかぶってた。

(クリックで拡大)
DSC_0056.JPG








『50代で一線から退いたり、60歳で引退したりしてしまうのはもったいない。
長い人生を豊かに生きるために、自分の生き方や働き方を俯瞰して、
積極的にセカンドキャリアに挑戦しよう。48歳からはじめるセカンドキャリア読本』

本書の対象者は、人生をあきらめてないけどうまくいってない人。もやもや君です。

やりがいのある仕事について同期でも出世頭!
自分が大好きな分野の専門職で日々充実!
とかの人は読む必要はありません。

48歳からというのはリアルな設定だと思います。
再雇用になると収入は大幅に減る。早めにセカンドキャリアに移れば収入が増える可能性もあると。



本書に描かれてる比較ケース。



(大企業管理職の場合) 
・年収1000万円の大企業勤務。50歳の時点で1000万円の収入がある。
51~55歳:1000万円x5年=5000万円

・55歳で役職定年。そこから60歳までは年収が3割ダウン。700万円になる。
仕事の権限や責任範囲が狭くなり、収入も減り、やりがいに疑問を感じるようになる。
そのままがまんして60歳まで働く。
56~60歳:700万円x5年=3500万円

・60歳になり再雇用。収入は激減。大企業でも200万円というケースも珍しくない。
65歳まで働く。
61~65歳:200万円x5年=1000万円

51歳~65歳までの合計年収は9500万円



(50歳でセカンドキャリアに挑戦、成長する中小やベンチャー企業に転じる)
年収は大企業のようにはいかず600万円に減る。しかし成長企業の定年はあってないようなもの。
やりがいのある仕事で、70歳まで20年間同じ収入で働ける。
51~70歳:600万円x20年=1億2000万円

51歳~70歳までの合計年収は1億2000万円



数字を細かく見ると、うちの会社とは違うとの意見もあると思いますが、
世間一般はこんなものかもしれません。代表値として見ておいて、大きな差はないと思う。

モヤモヤしながら、やりがいもなく今の仕事を続けるなら、
自分にあったセカンドキャリアを開拓すべきだ。そのほうが収入もいいはずだと。



本書の肝は、3章のセカンドキャリアの見つけ方です。
現状、課題、対策の対策の部分です。
「好きなこと、得意なことを起点にすれば、まだまだ成長できる」

まずCAN、MUST、WILLの重なる部分で考える。

CAN(自分のできること)の棚卸と拡大
・好きだったこと、得意だったこと、やってきたこと、等の自分史を分析
・原点のCAN、大人のCANに因数分解していく
・これを組み合わせ、可能性の幅を知る

原点CANとは、自然、スポーツ、マンガ、音楽、ドライブ・・・
大人CANとは、プレゼン力、継続力、コーチング力、ファシリテーション力、課題解決力・・
これらのCANを統合して、自分の発想の枠を超える。



MUST(すべきこと)の縮小
・経済的MUSTの客観的分析、いくら必要かの見積もり
・ねばならないという思い込みを縮小する
・本当のMUSTを認識する

MUSTとは、住宅ローン、家族の期待、世間体・・・



WILL(やりたいこと、夢、志)の発見
・志の発見
・ブレない自分の価値観の軸を探す
・有言実行。自分でハシゴをはずす



次に広めのゴールを決める。
それに向かって逆算してアクションを行う。

広めのゴールとは、たとえば子供のころ美術が大好きだった商社マン。
親には反対され美大には行けなかった。一念発起して陶芸家になりたい。
彼は3年トライしたがうまくいかなかった。しかし陶芸ショップで成功した。
陶芸家は無理でも、「陶芸にかかわる仕事」という広めのゴール設定がよかった。


以下にその他の読書メモを。

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<成功への過剰反応>
野中郁次郎の指摘している概念。
「人は一度うまくいくと、その方法から離れるのが怖くなる」
たとえば持ち前の営業力でのし上がった人。
大学時代のゼミでは緻密な企画力を賞賛され、小学生のころは美的センスを褒められていた。
就職して以降は説得力しか使おうとしない。

せっかく能力を持ってるのに成功体験にとらわれ、封印するのは宝の持ち腐れ。
封印した能力を表に引っ張り出せば、キャリアの可能性が広がる。



<計画的偶発性理論>
スタンフォード大のクランボルツ教授が提唱した。
「人生の8割は予想しない偶発的な出会いによって決定される」

社会学者マーク・グラノヴェッターも、
The strength of weak ties説として同様の理論を提唱する。
「多くの人にとって、人生の転機は弱い結びつきの人からもたらされる」




思ったことを3つ。

まず1つ目。この本の肝の部分は以下と同じことだと。
スタンフォード大の人気講義(マイケルレイ)での、創造性を引き出す二つの根源的な質問。
「自己とは何者で、私の成すべき事とは何なのか?」

この前息子にも聞いてみました。
「WHO ARE YOU?」

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ハーバードなど、世界のトップスクールの試験によく出される定番の問題だそうです。
正解のない問題にどう答えるか。あなたは何者か?哲学的な思考が必要です。
若いころから、そういうことを何度も考えることが大事だと。

ワンピースのエニエスロビー編で、サンジがウソップに同じことを言ってます。
彼はそれで悩んで、正解にたどり着き、仲間の大きな危機を救います。



2つ目、野中郁次郎の概念。
これって実感します。自分で自分のタイプを決めてしまう。
て、ここまで書いて自分のこと延々と書きそうになったのでやめときます。



3つ目、本書の話は身近に多くの人が直面してます。
55歳前後の諸先輩から、飲みの席でいろいろ聞かされた。
まとめると以下。

資本関係のあるグループ会社に出向すると、収入は少ないけど楽。
文化は親会社と同じだし、親会社との調整が多く、人脈で頼りにされる。
ローリスク・ローリターン。

資本関係のない協力会社に出向すると、収入は多いけどしんどい。
人脈なんかで頼りにされるが、それこそ休日日数をはじめ文化が違う。
とくにオーナー系は、60歳超えても現役並みの高待遇があったりするけど、
オーナーと合わなかったら放り出される。ハイリスク・ハイリターン。


結局この本は、くすぶってモヤモヤしてるなら、冒険してみろ。
やる気のある人はハイリスク・ハイリターンに挑め!と言ってる本なんだと思う。

どっちがいいんでしょね。
まあ時と場合によるんでしょうけど。


自分のこととして考えた場合、MUSTの縮小ができないんですよね。
たぶん多くの人が、その年代は大学生の子供を抱えてると思います。
国立行かせても、1人で200万円/年、2人で400万円/年は最低必要になる。
さらに家のローンも残ってる。

CANといってもねえ・・・自分にできる事といったら夢みることぐらいでしょうか。
ウォーキングしながら、宝くじ当たったらどうしよと、夢みるのが好きです^^

I Can Dream♪ ネッド・ドヒニー73年の1stアルバムから。




ネッド・ドヒニー・ファースト

ネッド・ドヒニー・ファースト

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: ワーナーミュージック・ジャパン
  • 発売日: 2013/04/10
  • メディア: CD





関連図書:
【坂の上の坂/藤原和博/11年11月初版】
http://donhenley.blog.so-net.ne.jp/2012-05-08

【僕は君たちに武器を配りたい/瀧本哲史/11年9月初版】
http://donhenley.blog.so-net.ne.jp/2012-03-24

【10年後に食える仕事食えない仕事/渡邉正裕/12年2月初版】
http://donhenley.blog.so-net.ne.jp/2012-03-10







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song4u

最初の写真で、いきなり『社畜』という言葉が目に飛び込んで来ました。
社畜かあ・・・なるほどねえ。上手いこと言うなあ。
ぼくなんか、差し詰め『社畜』の分かりやすいサンプルの可能性大だなあ。

皆さんもそうかもしれません、転職を考えたことは一度や二度ではありません。
だけど結局、踏み出さなかった。踏み出せなかったのかもしれません。
でもね、今思えば幸せなサラリーマン人生を歩んで来た感でいっぱいですよ。
振り返ってみれば、社畜バンザ~イ♪って感じかなあ。
唯一の願いは早く安心して卒業させて欲しい、それだけです。

ところで、donさんのサラリーマン人生もまったく不幸には見えませんね。
きっと幸せな『社畜』をしてるに違いないと、ぼくは睨んでおりますが?
いつものように記事とは直接関係ない話でした、スミマセン^^;

サボってばかりの社畜より。
by song4u (2015-08-12 10:03) 

heroherosr

私なんかは若いうちからやっている方ですが、50代、60代でセカンドキャリアとして資格を取って独立という方も多いですよ。
自分よりも年長の方から先輩として扱われると、こっちはやりづらくてしょうがありません。
by heroherosr (2015-08-13 16:08) 

yukky_z

どうも お久しぶりです。
相変わらず、お元気そうで何よりです。それから私事で大変恐縮なんですが、この度、『Now & Then』を閉じることになりました。新しいブログで心機一転、やり直しを計るつもりですので、今後とも宜しくお願いします (m(_ _)m)!
by yukky_z (2015-08-14 03:35) 

don

song4u さんこんにちは~
社畜バンザイですか。
ルールに従っていれば、相応の楽しみと安定がある。

転職は退職金で損してしまいます。
本書の言うところの40代で転職すると、
1000万円ほど退職金が少なくなる。
だからお金の制約がある人は簡単に退職できません。

いろいろ不満はあっても、ずっと同じ会社で勤め上げたほうが、
ぼくらの世代は得でした。これからはどうなんでしょうね。

ぼくのサラリーマン人生は、平凡です。
こうやって本を読んだりブログを書いたりする時間があるといいうことは、
幸せなのかもしれません。上みりゃほどなし、下みりゃほどなしです。

この平凡が長く続いてくれることを願います。
ちょっと冒険もしてみたいですが[__犬]
by don (2015-08-14 19:46) 

don

heroherosr さんこんばんは~
5~60代で独立開業ですか。
かなりの冒険のような気もしますが。
人脈や商圏があればいいのですが、どうなんでしょう。

やっぱり若いうちからやってたほうが強いですよね。
経験値がちがう[__犬]
by don (2015-08-14 19:53) 

don

yukky_zさんこんばんは~
新しいブログ拝見しました。
ソネットでよかったです。
ほかのブログだと若干交流がしにくいので。
新記事楽しみにしてます[__犬]
by don (2015-08-14 19:56) 

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